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ラテン(イベロ)アメリカ文学コミュの鴻巣 友季子さんの世界

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 鴻巣友紀子さんによる2017年の海外小説ベスト12に、スペイン語圏小説が二作あり。

 ・マリオ・レブレーロ『場所』寺尾隆吉/訳 水声社
 (恥ずかしながらこんな人、知りませんでした。本屋でみかけたこともないし。)

日本ではラテンアメリカ文学がこの10年ぐらい、またぐっと盛り上がっています。たぶん、ロベルト・ボラーニョ(今年、白水社の「ボラーニョ・コレクション」が完結)のブレイクなども関係しているのでしょう。

レブレーロは再評価の波が来ているウルグアイの作家。訳者によれば、中南米で、メキシコは長編の国、アルゼンチンは短編の国、チリは詩人の国、そしてウルグアイは「奇人の国」とみなされているとか! 

『場所』も、とにかく最初から最後まで、「どうしてそうなるの!」「一体なんなの!」という状況が延々とつづき、もう最後は、意味不明との根競べみたいなもの。

ひとりの男がバスを待っていたはずが、目を覚ましたら見知らぬ真っ暗な部屋にいる。ドアを幾つも幾つも開けて、ようやく出会った人物とはまったく言葉が通じず……。

『不思議の国のアリス』のようなカフカのような、奇想とシュールレアリスムと不条理小説のショーケースのごとし。訳者いわく、「レブレーロはウルグアイの安部公房」。寺尾隆吉/編の水声社のラテンアメリカ叢書「フィクションのエル・ドラード」も、キレッキレのセンスなのでぜひ。

 ・エンリーケ・ビラ=マタス『パリに終わりはこない』木村榮一/訳 河出書房新社
 (この著者は著書がわりと多く、この本も本屋で手に取ったことがあるが、わりと安かったし、そんなにすごい本だとはつゆも思わず。こんごの課題としておかなければ。)


1920年代のパリには、世界中の天才芸術家たちが自由に暮らしていました。ピカソ、マチス、ストラヴィンスキー、コクトー、ランボー、ブレヒト……。ヘミングウェイの『移動祝祭日』の舞台となり、ウディ・アレンが『ミッドナイト・イン・パリ』で描いた憧れの都。

さて、ビラ=マタスが20代を過ごしたパリは、1970年代のパリ。本書はその疑似メモワールらしいのだが、とにかく抜群のエピソードが満載。主人公が出場する「ヘミングウェイそっくりさん大会」という導入から笑えるし、パリの下宿の大家はマルグリット・デュラスだし、歴代の下宿人には、カルト映画監督のホドロフスキーや、後の大統領ミッテランらが。カフェで、ロラン・バルトと会話、書店でジョルジュ・ペレックを見かけ、パーティでまだ無名のイザベル・アジャーニに睨まれて……。

パリとは虚構のシンボルであり、デュラスはビラ=マタスに言います。「とにかく書きなさい、一生書き続けるのよ」。こうして一人の若い作家は「パリ」すなわち文学を一生の恵みとして、宿啊として抱えこんだのでした。ああ、癒しがたきパリ。

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/54010

コメント(1)

https://gendai.ismedia.jp/list/author/yukikonosu

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