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『世界の肖像』コミュの「犬のように生きているの。」

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部屋の片隅で、無造作に敷かれたゴザの上。

きれいな青いアフリカの布に、
青い服を着て、
黄色と茶色のボーダーの帽子を被って寝ている赤ちゃん。

この写真の赤ちゃんは、
ニーナちゃん、生後3ヶ月の女の子だ。


その赤ちゃんに寄り添って座っている女性は、
ニーナちゃんのお母さんのンガバさん。


ここは、アフリカ大陸の真ん中にある国、
コンゴ民主共和国の東部地方の病院。


具合の悪くなったニーナちゃんを、
お母さんが、この病院に運んだとき、
ここには、たった1人の医者も居なかった。

病院は、襲撃された後で、
すべてが奪われていた。


ニーナちゃんは、衰弱し、
お母さんにできることは、
ただ、ニーナちゃんの側に居ることだけだった。


このお母さんは、
すでに、2人の息子を亡くしている。



1990年に始まったルワンダの紛争は、
1994年、強硬派フツ族による、
100日間に、80万人もの
ツチ族と、穏健派フツ族の虐殺という
最悪な事態へとエスカレーションした。


その後、当時反政府組織だった
ツチ族の軍隊が、ルワンダを制圧、
ルワンダの虐殺と内戦を終結させた。

映画「ホテル・ルワンダ」でも、
そのツチ族の軍隊が進攻する様子が
終盤のシーンに描かれていた。



だが、実は、「虐殺」は終わりではなかった。


ツチ族がルワンダを制圧する中で、
ツチ族からの報復を恐れて、
大量のフツ族の人々が、国外へ・・・
・・・特に、当時のザイール、
今のコンゴ民主共和国の東部へと逃れて行った。


ルワンダ新政権と、
それを支援してきた隣国ウガンダなどが、
コンゴに脱出した難民の中に、
フツ族の兵士たちも紛れているとして、
また、そこの場所に居るツチ族を守るためとして、
コンゴへ軍を送り込み、
また、コンゴの反政府組織への支援を行い、
首都まで進攻した。


そこへ、ジンバブエ、ナミビア、アンゴラといった国が、
コンゴ政府支援のために軍隊を派兵。

1998年、コンゴの国土は、
「第一次アフリカ大戦」とも呼ばれる
激しい戦場となった。



その戦争は、
コンゴで暮らす人々のためなどではなかった。

コンゴには、金やダイヤモンド、ウラン、
その他、貴重な金属を持つ、
世界で最も豊かな資源大国だ。

戦争を繰り広げる者たちは、
それらしい大義名分を掲げてはいたが、
所詮、それはただの利権争いでしかなかった。



紛争が終わる2002年までの5年間に、
戦闘や飢餓、そして、病気などで、
300万人とも400万人とも言われる人々が
死んでいった。



和平が結ばれて、2006年、
それまでで最大級の国連平和維持軍の監視のもと、
大統領選挙が行われ、
34歳のジョゼフ・カビラが大統領となり、
平和と復興が期待された。



その後のコンゴはどうなったのだろう。


昨年、イブンボ・モキアさんの妹のンガリアさんが、
頭痛と痙攣を起こした。

村人たちは、ンガリアさんを、
病院へ運ぶべきだと判断した。


しかし、病院までは、徒歩で12時間かかる。

担架を作り、ンガリアさんを乗せ、
村人17人で担いで歩いた。


「だが、歩き出して4時間後、
 妹は、息を引き取ったよ。」

そう、イブンボさんは言った。



今、コンゴでは、
暴力、貧困、栄養失調、そして、医療の不足により
毎月、4万5千人が死んでいる。

和平締結後も、死者の数は減らず、
戦争が始まった1998年からの死者の数は、
540万人に達したと、
国際的な人道支援団体
「International Rescue Committee」は発表した。


そして、その半数が、
5歳未満の子どもたちだ。



あるコンゴの女性は、自分たちの暮らしについて、
次のように語っている。


「ここでの生活は大変よ。

 わたしたちは、
 犬のように生きているの。」



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関連リンク
国際的な人道支援団体
International Rescue Committee
コンゴの無視されている540万人の死
http://www.theirc.org/news/irc-study-shows-congos0122.html

New York Times
虐殺の新旧(フラッシュサイト)
http://www.nytimes.com/packages/khtml/2006/07/22/weekinreview/20060723_POLGREEN_FEATURE.html


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『世界の肖像』より
すべてを奪われ、あとは悲しみだけ…
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=231999418&owner_id=5766188

「おまえは、兵士になるか」
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=272918005&owner_id=5766188

子どもたちは戦場へ行った
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=273765222&owner_id=5766188

少女の涙
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=15925788&comm_id=1808806

コンゴ民主共和国の「子ども議会」
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=22244618&comm_id=1808806

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写真
1.
ニーナちゃんとお母さん
New York Times
Rwanda’s Shadow, From Darfur to Congo
http://www.nytimes.com/2006/07/23/weekinreview/23polgreen.html

2.
妹を病院へ連れて行く途中に亡くしたイブンボ・モキアさん
BBC
http://news.bbc.co.uk/2/shared/spl/hi/picture_gallery/08/africa_surviving_congo/html/7.stm

3.
「この4ヶ月に、私の4人の子どもが死んだわ」
BBC
http://news.bbc.co.uk/2/shared/spl/hi/picture_gallery/08/africa_surviving_congo/html/4.stm

コメント(21)

病院は敵、味方関係なく傷ついた人を助けるところなのに、それを襲撃するとは人の心を亡くしてしまっているんですね。悲しいですね。
戦争は罪のない人を無残に殺して心を亡くす悪のはびこった争いなのかもしれませんね。コンゴの赤ちゃんたちの笑顔が見られる時代が近い未来訪れることをお祈りします。
拝見しました。
いつもありがとうございます。

私の日記にもペーストさせていただきます。
 そもそもアフリカという大陸に国家という枠組みを持ち込んだ欧州の列強国たちが、原因なのではないでしょうか?コロニアリズムと分離政策とが、絡まり合っています。

 中東もインドもベトナムも朝鮮も・・・。

 この内戦で誰が得しているか、と考えるアプローチもあるでしょうね。

 でも、現に死に行く子どもらの悲惨な状況は、ひとりも多くの人に伝える必要がありますね。

 ではでは ヨッシー
犬のようにくらしているという女性の言葉
日本には野良犬はいない、みんな犬小屋や暖かいおうちで暮らして、栄養満点のドックフードをもらい、お散歩させてもらい、たはまたカワユイお洋服まできてますわ。
だからこそ、悲しくて思いました
「ホテルルワンダ」
見ました。

同じ人間同士なのに
どうして殺し合わなきゃいけないんだろう。。。

私は本当に恵まれて
生かされてるなあ
と感じます。
犬のように・・・、
あたしは犬を飼ってますが、
お家はあるし、ちゃんとご飯も食べられて、お菓子もお風呂も、
必要なら病院に行くし・・・・、
同じ生き物として悲し過ぎる現実・・・。
びっくりしました

まだ 終わってなかったのですね・・・

日記で 紹介させていただきます

多くの人が この現実を知らないと

いけないと思います
ナクトウェイの映画の中で、彼が難民キャンプを取材しながら、難民の酷いありさまを見ながら、ある時かれらがフツ族で虐殺した側の人間だと気づいて、地獄行きのエレベーターに乗った気分だと言っていました。ルワンダ紛争がルワンダの中でとどまらずに周囲に波及したことを知ると私もそのような気分になります。。いつまでこんな連鎖が続くのかなどうすれば、止める手助けができるのか。考えて行動しなければな。
世界は、終末に向かって、ひた走りようですね。

アメリカ帝国、中華帝国、EU定刻、ロシア帝国が、覇権をめざして競争しています。第三次世界大戦を私たちは防ぐことができるでしょうか。

なんとしても世界が平和になるように尽力しなければならないと決意しています。

一人でも多くの方々が、このコミュニにご参加下さるように働きかけてまいります。
こんばんは手(パー)
私はコンゴの女の子のチャイルドスポンサーをしています。
読んでいて、色々考えさせられます。

日記にUPさせて下さい。
自分は決して恵まれちゃいない環境で生活しているが
その価値観さえ地球サイズで観たら幻なんだとゆうことを
痛く知らされる。
金が世界を狂わせているようです。
いや
それは僕さえも例外じゃないんだとゆうことを肝に銘じます。

ありがとう
>毎月、4万5千人が死んでいる

!!!...
って事は毎日千数百人も...
犬のようにも生きれてませんね!

ただただ
驚愕する事だけしか出来ません...
ありがとうございます。
自分の友人にも知ってもらいたくて紹介させていただきました。

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