『 矢島美容室 』。

　毎週、欠かさず観るテレビ番組に木曜夜放映の『 とんねるずのみなさんのおかげでした！ 』がある。理由は「 食わず嫌い王選手権 」のコーナーだ。出演のゲスト二人がそれぞれ食べる大好物４品のメニューのうち、１品は食わず嫌いのものが必ず入っている。私はその「食わず嫌い」を推理するのが大好きで、真剣に見入ってしまう。的中率は高く、たいてい１回目でどちらか一方は当てる。多くの場合、２回目で双方とも正解し、最後まで外してしまうのは年に一度あるかないかだ。私の経験から言えば、石橋貴明が多弁になるのは「 ゲストが食わず嫌いを食べる時 」の援護射撃である場合が多く、会話に引き入れることでゲストの食べる量を減らしたり、対戦ゲストと木梨の目を自分に集中させる「 巧みな戦術 」とみて良い。これでたいていのゲストと木梨は会話に夢中になって、対戦相手が食べるシーンを見ずに終わる。実に、効果抜群である。頭脳戦を理解し駆使する石橋に比べ、木梨憲武は天衣無縫で何も考えていない。純粋にゲスト二人との会話を楽しんでしまって、肝心の対戦にまるで神経が行っていないのは明らかだ。単なる「 ゲストの介添え役 」に終始し、石橋のように勝利に貢献することは、まずない。とんねるず二人の対照的な性格がよくわかって、なんとも面白い。ちなみに、私は毒のある石橋より木梨の方がずっと好きだ。

　さて、『矢島美容室』である。番組の中で生まれたとんねるずとDJ OZMAのユニットだ。彼らが歌う『 ニホンノミカタ　〜ネバダカラキマシタ〜 』はおかしな日本語と、日本に対する純真無垢な憧憬に溢れているが、まるで日本と日本人への応援歌であるかのように聴く者を元気にさせてくれる。我が家では今、子ども達に大人気である。ところで私の場合、ミソスープの具は「 豆腐と油揚げ 」をもって至高とする。