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2008年09月18日11:58

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『 TVチャンピオン 』の終焉。

 京12チャンネルで、『 開運!なんでも鑑定団 』と並び、視聴率で他局と立派に渡り合える番組が『 TVチャンピオン 』であった。その『TVチャンピオン』が今晩の放映を最後に、16年の歴史に幕を閉じる。サラリーマン時代には毎週欠かさず録画して、熱心に観ていたものだ。やがて、ディレクターが替わったのか、制作方針が変わったのか定かではないが、面白みがなくなり、ここ数年はほとんど観た記憶がない。いつの間にか、放映時間が変更になり、タイトルが『 TVチャンピオン2 』になっていることさえ、気づかずにいた。

 『 TVチャンピオン 』は、特定のジャンルにおける「 膨大な知識 」と「 神がかった技 」を駆使し、その道のマニア、達人たちが王座獲得に挑戦する過程を描くものである。王座を争う選手達の「 熱いドラマ 」は感動的であり、それぞれのジャンルにかける彼らの情熱には深い共感を覚えた。番組がつまらなくなったのは、単にマンネリに陥ったためではなく、制作側が選手達のドラマに愛情溢れる視点を向けなくなったからだと私は確信している。選手達がなぜ、知識の習得と技術の研鑽に日夜没頭できるのか、その動機と背景を掘り下げなければ、知識と技術を競う単なるゲームでしかない。

 最も記憶に鮮明なのは、『 全国美空ひばり通選手権 』(97年6月23日放映)である。これは美空ひばりという、日本の芸能史に燦然と輝く大スターに関する全ての知識を競うものだが、私が知る限り、『 TVチャンピオン 』の歴史の中で最も激しく、最も美しい戦いだった。なぜなら、選手達の誰もが熱烈な美空ひばりファンであり、「 他の参加者達に勝つこと 」を目指していないのは明らかだった。彼らは勝敗にこだわることなく、ただひたすら問題に正答し続けることで、美空ひばりに対する自らの愛情の強さ深さを確認したかったのだ。一人、また一人と選手達が脱落する中、勝ち残った者と敗退した者が手を取り合って、涙をこぼすという珍しいシーンが続発した。これは、他の選手権では決して目にすることのないシーンである。選手権をテーマとする『 TVチャンピオン 』が、勝敗の内容ではなく、テーマへの深い愛情で結ばれた選手達のドラマを描くことで、視聴者に感動を与えた瞬間であった。美空ひばりがいかに偉大であったか、私は選手達の激闘と熱い涙によって、実感した。そして、彼らがそこまで打ち込む姿を、心から美しいと思った。
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