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***************** 引用ここから プレジデントオンライン 10/23配信
◆□〇 「賃貸か持ち家か」の答えは歴史を見れば明白…インフレ時代の家賃総額「10年で2520万円」から導かれた"結論"
※本稿は、榊原正幸『60歳までに億り人になる思考法』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。
住まいは賃貸と所有のどちらを選ぶといいか。会計学博士の榊原正幸さんは「これからも当分続くであろうインフレ時代には、家を所有していないと価値の値上がり分を享受できない。ただし日本では、人口が減少するので、購入する家の条件には要注意だ」という――。
◆〇 「マイホーム神話」の本当の原因
昭和の時代には、「結婚したら、次は家を持ってこそ一人前」というような言説が流布されていました。このような昭和の「マイホーム神話」や「土地神話」の本当の原因は、「経済がずっとインフレ基調だったこと」にあります。
「人としての甲斐性」の問題ではありません。家賃を払い続けるよりも、早めに購入した方がいい、いや、早く購入しないとインフレで値上がりして買えなくなってしまう、というのがベースにあったのです。
そして、これからも、そういう時代が長く続くでしょう。数年とか、それ以上長く住むのであれば、インフレ経済下では、家は借りるより買った方が、決定的に有利になります。
ただし、価格が上がりすぎた都心のマンションを購入するのはオススメできません。過度に上がりすぎた価格というのは、たとえインフレ経済下であっても、大きく下落するのが宿命だからです。それは、株価でも不動産価格でも同じことです。
不動産の適正価格の議論については、それだけで一冊の本になるくらいのものですので、ここでは割愛しますが、不動産も株式も、「高値づかみ」には十分にご注意ください。
◆〇 「所有権」と「使用権」の本質的な意味
先に「インフレ経済下では、家は借りるより買った方が、決定的に有利になる」と結論付けました。なぜならば、インフレ経済下では、モノ(建物や土地)の値段は、時の経過とともに上がっていくからです。
そこで、ここでは「所有権」と「使用権」の本質的な意味について解説します。
まず、結論から先に書きます。
人生は、究極的には「全て使用権」です。
これは、私の友人で精神科医のP氏との会話の中で明白になった「人生の本質」です。「インフレ経済下では、家は早めに買った方がいい」と書いた、その舌の根も乾かぬうちに「人生は、究極的には、全て使用権だ」と書きますと、「じゃあ、家も、所有権を手にする分譲ではなくて、使用権を手にする賃貸でいいじゃないか」ということになりますね。
もう少し先に読み進めてください。
人生は、究極的には「全て使用権だ」というのは、次のような意味です。
たとえば、家に住むという場合なら、その本質的で根源的な価値は「安心して住めること」です。広い家に住みたいとか、豪華な家に住みたいというのは、本質的で根源的なことではなくて、「できればそうしたい」という「希望」の話です。
ましてや、「家を所有したい」とか、「一国一城の主になりたい」というのは、「気持ちの問題だけ」であって、決して本質的で根源的なことではありません。
であれば、「所有権」はなくてもよくて、「使用権だけ」が、きちんと確保されていれば、本質的で根源的な意味では、何も問題はないのです。
もちろん、「自分の家を持ってこそ、一人前」などという時代には、一人前だとどうしても認めて欲しくて、家を所有しようと思ってしまうのも無理もありません。
また、「自分の家を持った」という達成感を感じたいというのも、決して悪いことではありません。むしろ私は、そういう気持ちがよくわかります。
しかしながら、ここではそういった高次元の欲求を考察の対象としているのではなくて、あくまでも「本質的で根源的な価値」に焦点を絞って考えています。その観点からは、「所有権」には意味がなくて、「家は安心して住めればいい」ということだけが残るのです。
このように究極的に突き詰めて考えると、「人生に必要なのは、使用権だけ」ということになります。人生においては、家や車や色んなものを「使用」して生きていき、死んでいくのです。ですから、端的に言ってしまえば、「所有」する必要はないのです。
◆〇 価値の値上がり分を享受できるか
このように、「人生、全て使用権」なのですが、この本質論には唯一の欠点があります。
それは、「所有していないと、価値の値上がり分を享受できない」ということです。すなわち、「インフレに対抗できない」のです。
たとえば、買うと4000万円する住居があるとします。そこに賃貸で住むならば、家賃は月額15万円だとします。
そして、インフレ時代には、モノの値段が上がるので、10年後には同じ物件が築10年でも8000万円するとします。10年間で、額面で2倍のインフレです。
そして、家賃も2年ごとに3万円ずつ上がっていき、10年後に30万円になるとします。資産価格が2倍のインフレになるなら、理論的には家賃も約2倍のインフレになります。
すると、分譲で購入して「所有」していた人は、インフレによって、家という保有資産の価値が2倍になりますので、インフレについていくことができます。このことを「インフレに対抗できている」、または、「インフレ対抗力がある」と言います。
◆〇 家賃の総額は10年で「2520万円」
さて一方で、賃貸で住んでいた人はどうでしょうか。10年間、家賃を払い続けていきますが、10年後には何も資産は残りません。しかも、家賃は2年ごとに値上がりしていきますので、支払家賃の総額は10年で「2520万円」にもなります(15万円×24カ月+18万円×24カ月+21万円×24カ月+24万円×24カ月+27万円×24カ月=2520万円。更新料その他の費用は度外視します)。
それにもかかわらず、手もとには何も残っておらず、その時になって家を購入しようとしても、(10年前に、4000万円だった家が)8000万円もするのです。
この数値例は、1990年のバブル崩壊以降の日本では突飛なように思われるでしょうが、欧米では、現在も当たり前のように起こっていることです。
人生を快適に過ごすために、必要なのは、「使用権」です。実は、「所有権」には、ほとんど意味がありません。しかしながら、そのような観点で考えても、生きているうちに「インフレ対抗力」を発揮して、キャピタルゲイン(=所有資産の価値増殖による利得)を得ようとするのであれば、「所有」していなければなりません。
◆〇 優良な資産を「所有」しておく
また、インフレ経済下でも経済的に厳しくならないようにするためには、インフレに負けないように、優良な資産を「所有」しておくことには意味があります。
そうすることで、そこから得られるキャッシュフローも増額(インフレ)するので、インフレ経済下でも経済的に追い込まれるのを、かなりの程度避けられます。
このようなわけで、これからも当分続くであろうインフレ時代には、「分譲と賃貸」の議論で「分譲」に軍配が上がるのです。
令和のこれからの時代も、「マイホーム神話」や「土地神話」が復活するでしょう。歴史は繰り返すので、歴史を紐解けば、答えは明白です。
ただし、歴史は全く同じようには繰り返さないとも思います。これからの日本では、人口が減少しますので、インフレに対抗して資産価値が上がるのは、都心の一等地(駅近物件)だけだと思います。すでに価格が高くなりすぎた不動産にも、注意が必要です。
*********************** 引用ここまで
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