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2026年10月25日06:35

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映画「わたしの知らない子どもたち」

(一部ネタバレ)

原案・監督・脚本、西川美和。


昭和二十年、日本敗戦。

音楽家の父を持ち、ピアノが上手な12歳の琴子(小八重葵美)は、小学校の担任教師だった曽根文美子(二階堂ふみ)と一緒に疎開先から空襲で焼け野原になった東京に戻ってきた。

琴子の両親は空襲で死亡していたが、琴子はそれを信じず、駅前で「父が迎えに来る」と言い続け、頑なに動かない。曽根はそんな琴子をその場に置いて去ることになってしまう。

その後、身寄りのない琴子は、戦争孤児の群れに入り、見よう見まねでガード下で靴磨きをして小銭稼ぎを始めるが、隣で靴磨きをしていた孤児の少女が、男に身体を売っているところを目撃。…ショックを受けた琴子は髪を短く切って、男の子の薄汚い服をきて、女であることを隠して生きる事を決意する。

ある日、琴子は、成り行きで、やはり戦争孤児の将吉(羽山由一郎)らの5人の仲間と行動を共にするようになる。将吉たちはやくざ者の菊沢(岡田准一)の下で、窃盗などを繰り返し、荒稼ぎしていた。

琴子は、将吉たちにも女であることを隠し、一緒に窃盗を繰り返して行くが、遂に全員が警察に逮捕され、東京湾に浮かぶ孤島にある孤児の矯正施設「水上寮」に収容される。
この施設は環境が劣悪で自由もなく、琴子や将吉たちは密かに脱走の機会を伺う。

一方、元担任の曽根も、教師の職はなく、生きるために身体を売っていたが、ある日、琴子の父の友人から「琴子を探している」との手紙が届く。駅前に琴子を置去りにした贖罪の意識もあり、曽根は琴子の行方を探し始める。




琴子役の小八重葵美さん、オーディションで選ばれた新人とのことですが、素晴らしい演技力。
また、中性的な容貌で、髪を短くすると確かに少年に見える、ベストなキャスティングでした。

個人的に印象深いシーンとしては…

矯正施設「水上寮」に、慰問のために婦人警官がアコーディオンを持ち込んで自ら演奏し、孤児たちにもアコーディオンに触らせ、演奏の仕方を教える。

男の子に化けている琴子は、それに関わらないように少し離れた場所にいたが、婦人警官からアコーディオンを勧められ…

もともと琴子は音楽家の家に育ち、ピアノの英才教育を受けていた少女であり、鍵盤楽器は大得意。アコーディオンを預けられて、その本性が蘇り、即興で見事な曲演奏を披露!

その素晴らしい演奏に、離れた場所で農作業をしていた孤児たちまで、全員が立ち止まって琴子の方を見て演奏に聴き入る。

このパターンは、「なめていた相手が実はスゴい◯◯でした」であり、「水戸黄門」であり、個人的にその後の展開に期待して、固唾を呑んでスクリーンを見守りましたが…

琴子は「すごい上手」と、皆から拍手を受けて終わりました、それだけ。

この「なめていた薄汚いガキが、実はスゴい音楽スキルでした」のエピソードについて、何だか少しもの足りなく感じたのは僕だけ?

いずれにしても、終戦直後の戦災孤児の過酷な生き様をテーマにした、稀有な人間ドラマでした。

(完)
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