(ネタバレあり)
監督・脚本トレイシー・レイモン。
監督の実体験を基にしたヒューマンドラマ。
リリー・トレヴィノ(バービー・フェレイラ)25歳、独身、介護の仕事をしている。
幼い頃に母親に捨てられ、父親のボブ(フレンチ・スチュワート)は彼女に愛情を持って接することはなく、むしろ厄介者扱いするような酷い親で、現在、関係は疎遠。
ある日、リリーはSNSで父の名前「ボブ・トレヴィノ」をたまたま発見し、友達申請してみたところ、父ではなく同姓同名、父と同じ60歳代の見ず知らずの男性(ジョン・レグイザモ)だった。
そのボブは小さな建設会社で働いており、家族は妻のジーニー(レイチェル・ベイ・ジョーンズ)と2人暮らし。2人の間に子どもはいない。昔、男の子を授かったが、難病で亡くなった。妻は今でも度々亡くなった息子のことを偲んでいる。
やがてリリーとボブはSNSを通じて交流を開始し、個人的な信頼関係を深めて行く。
原題は「Bob Trevino likes it」です。
邦題の「私たちは、ちょうどいい」だと、なんだか、歳の離れた男女のカップルみたいですが、そんなラブストーリーではありません。擬似的父娘関係のような、親しい人間交流を描いたドラマです。
各地の映画祭で観客賞を受賞するなど評価が高く、日本でも「号泣しました」のようなレビューが多数です。
が、自分としてはハマりませんでした。その理由は終盤からエンディングの展開において…
(以下、ネタバレ)
SNS上の関係に留まらず、直接会って父娘的に親しい関係になって行くリリーとボブだったが、ある日、ボブは急病で緊急入院。連絡が取れなくなる。
リリーはボブの突然の音信不通に、SNS・電話・メールなど色々な方法で何度も連絡するが、やはり全く連絡がつかない。パニックになった彼女は直接ボブの自宅を訪問するが、誰もいない様子なので、窓を破って家の中に入ろうとするが、警察が来て逮捕された。
その後、警察から釈放されたが…
ようやくボブからメールの返信が届いたが、それを送ったのはボブの妻のジーニーで、内容はボブが病気で急逝したことと、葬儀の場所と日時だった。
葬儀に駆けつけたリリーはジーニーから一冊のアルバムを渡される。
それにはリリーとボブが本当の父娘のように過ごした、大切な日々のメールや画像が綴られていた。
リリーとジーニーは泣きながら抱き合う。
(以上、ネタバレ終了)
個人的に「それはないでしょう」と思う点が2つ。
まず、
連絡がつかなくなかったからと行って、相手の家に行き、窓を破って侵入とかあり得ないです。相手が高齢者の1人暮らしの場合は、自宅で1人でいる時に急病もありえるので、そうした行動もありえますが、ボブには妻のジーニーも居ますし。
リリーは、行動が常軌を逸脱してます。
次に、
ボブは緊急入院後、一時、意識回復してました。
また、ジーニーは、リリーからボブに対して多数の安否を問うメール等が来ていたこと、そしてリリーが自宅に侵入しようとして逮捕されたことも知ってました(その時は不在だったものの)
普通は、その時点で「夫のボブは入院しています。今はお会いできません」くらいの連絡はリリーにするべき。
それがボブが亡くなって葬儀の日取りが決まってから、その事務的メール連絡って、不親切に過ぎます。
もしかしたら、監督としては、演出として感動的エンディングとのギャップを狙ったのかもしれませんが、僕から云わせると狙い過ぎです。
色々と辛口を述べましたが、いつもは悪役の印象の強いジョン・レグイザモですが、「オデュッセイア」に続いて好感の持てる役柄。 あまりいないと思いますが、彼のファンならば必見の作品です。
(完)
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