(一部ネタバレあり)
原案・監督・脚本アレハンドロ・G・イニャリトゥ。
米国の石油採掘会社のCEOであるディガー・ロックウェル(トム・クルーズ)。
祖父の時代から石油採掘業をしており、大邸宅に愛猫のマギーと優雅な生活。
しかし、そんなある日。
グリーンランドで安全性を無視して無茶な採掘計画を進めた結果、大規模なメタンガス爆発事故が発生。それによりワシントンDCの約5倍もの面積の、巨大な流氷“ジュディ”が、ヨーロッパに向けて流れ始めたとの緊急情報が入った。
会社のアドバイザーであるニラブ・ガネシュ博士(リズ・アーメッド)によると、今後“ジュディ”が北欧付近に到達すると、ヨーロッパ沿岸各地は巨大津波による大災害に襲われることが確実。
この緊急事態にディガーは、コンプソン米国大統領(ジョン・グッドマン)と閣僚を邸宅に招いて対策会議を開催するが、誰しも米国の責任逃れのことしか頭に無く…
本作について「米国では賛否両論」…と日本では伝えられてますが、ロッテン・トマトでは批評家支持率53%しかなく、ほとんど「否」の評価。
しかも北米での初週末興行収入はわずか800万ドル、製作費は1億6千万ドルにもかかわらず。
自分は、公開初日にTOHOシネマズのDolbyAtmosのシアターで観ましたが、金曜日の夕方にもかかわらず、席はガラガラでした。
個人的に、冒頭から暫くは、ブラックジョークな社会風刺コメディとして愉しんで観賞出来ましたが、その後、ディガー・ロックウェルのストーリーが実は「劇中劇」であることが明らかになって、
「ここから先、どんな心の整理をしつつ観賞すれば?!」
と、なりました。
結末を知った今、もう一度観賞すれば、より味わい深く楽しめるのかもしれませんが、リピート観賞したいほどの作品でもありません。
結局、「劇中劇」のような奇をてらった構成ではなく、普通にディガー・ロックウェルの社会風刺コメディドラマにすれば良かった気もします。
巨匠たるアレハンドロ・G・イニャリトゥとしては、そんなシンプルな構成ではなく、さらに凝ったレベルの高い作品を目指した、のかもしれませんが。
ただ、主演のトム・クルーズに於いては、「ミッションインポッシブル」シリーズみたいなアクションだけではなくて、巨匠監督と組んで、ちゃんとした演技ができる幅の広い俳優であることをあらためて示した点で、価値のある作品だったとは思います。
(完)
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