第6回国際声楽コンクール東京石川地区大会(金沢市アートホール、7月21日)を聴いた。出場者はミュージカル部門2名、高校生部門2名、愛好者A2名、愛好者B2名、オメガ部門4名の計12名。審査も含めて約1時間ほどで終了した。
ミュージカル部門は、今では全国的には愛好者部門やプロ部門を合わせた人数を上回るほど参加者が多い。しかし石川地区大会では2年前まで出場者がいなかった。近年はキッズミュージカル講座なども開かれ、裾野が広がったこともあって昨年から参加者が現れるようになった。
自分が初めて西日本准本選へ進んだ時は、ミュージカル部門と愛好者部門が同じ日程だった。そこで初めてミュージカル部門を聴き、そのレベルの高さに驚かされた。関西にはミュージカルコースを持つ音大もあり、宝塚歌劇の影響もあるのだろうか、当時は東日本准本選以上ではないかと思うほどの充実ぶりだった。審査員もミュージカル部門だけで複数おり、自分の点数が思いのほか低かった。「あの華やかな歌と比べれば、ドイツ・リートでは分が悪いな」とカウンターテナーと愚痴をこぼしながら帰ったことを思い出す。
今回の2人、小学生と一般の出場者も十分に歌い込んできており、説得力のある演奏だった。ただ、地区大会を突破した先で勝負するには、まだ声の力強さやスケール感がもう一歩欲しいという印象を受けた。
愛好者Aは、昨年の金沢市声楽コンクール金賞受賞者(東京本選入賞)と、初挑戦の妹弟子。妹弟子は難曲だからどうかなと思ったがパスしてほっとした。愛好者Bとオメガ部門で知っていたのは兄弟子だけで、他は初めて聴く人が多く、顔ぶれがかなり入れ替わっていた。
オメガ部門では、最後にイタリア歌曲を歌った人が少し物足りない印象だったが、基準点には届くと思っていた。しかし結果はアウト。以前は高校生部門やプロ部門でコケる人はいたが愛好者部門ではいなかった。近年は愛好者部門でも絶対評価によって基準点に届かず、不通過となる例が増えており、レベルが高くなった気がする。
オメガ部門の兄弟子は東京本選常連だが、中田喜直を情感込めて歌った。自分が聞いた演奏でトップではないか。それと初めて聴いたソプラノの《トゥーランドット》は見事だった。詳しい経歴は知らないが、声楽を専門に学んだ方ではないかと思う。自分もあの世代(75歳以上)で、あれほどの声では歌えないだろうと思う。もちろん最終的な評価は審査員に委ねられるが、強く印象に残る演奏だった。
帰りのエレベーターで兄弟子の娘さんに声を掛けられ、そのまま駐車場まで話しながら歩いた。とても感じのよい方で、緊張感のある一日の最後に、思いがけず気持ちの和むひとときとなった。
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