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2025年01月04日09:32

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大空のサムライ かえらざる零戦隊

を1月2日に実家で読了した。坂井三郎著。
 零戦のパイロットで数少ない太平洋戦争を生き残った著者の自伝。
小さい頃からパイロットに憧れていた三郎少年だったが、海軍に入ったはいいが戦艦「霧島」の副砲に配属され、その後操縦練習生を受験し、なんとかパイロットへの道を歩み始める。
厳しい関門を突破して晴れてパイロットとなった三郎は、やがて中国で実戦を経験し、やがて南方ラバウルに配属され、地獄の最前線で戦い続けるが・・・。

 この本はもう滅茶苦茶に面白い。
何が面白いって、まずなにしろ著者の体験を書いているので臨場感が半端ない。
初めて教官に乗せてもらって練習機で空を飛んだときとか、その後の教官の指導とか、視覚のみならず聴覚、嗅覚、触感、重さ、浮揚感など、まさに5感以上の臨場感で、これじゃあ4D映画も目じゃない。
上記教官の指導も、一段落した頃にはもう化夢宇留仁も操縦できると思ったくらい(笑)詳細に書かれている。
 そして著者だが、要するにリアル版アムロである(笑)
「後ろに目をつける」はエースパイロットに本当に必要な技能なのだ(笑)
しかしこの目の良さは戦闘中というよりも、戦闘が始まる直前に非常に大きな意味がある。
レーダーも無いので索敵は目が頼り。
そこに著者の視力2.5(汗)が効きまくり、誰よりも早く敵を発見し、更に敵に発見されるまでに編隊を完全に有利な位置に誘導できてしまうのだ。
何度か被弾したりして大怪我をしたりもするのだが、その中の1つも敵戦闘機にやられたものは無いのが凄すぎる。
なにしろ著者が一番えらい目にあったのは敵戦闘機8機に横から突っ込んだと思ったら敵機がSBD艦上爆撃機ドーントレスで、全機がこっちに後部銃座の機銃をピタリと向けて待ち構えていたという致命的すぎるシチェーションで、もちろん蜂の巣に(汗)
その後の究極のボロボロ状態で基地に帰り着くところももはや人間業とは思えない(汗)
 零戦隊の圧倒的な強さももちろん見どころで、例えばモレスビー上空の戦いでは敵のスピットファイアを中心とした40機近くと、その約半数の零戦21機が対決し、結果敵19機を撃墜して零戦の被害なしとか、ホワイトベース隊か(汗)
この零戦の強さは(少なくとも著者の視点では)末期まで大した変化はなく、ワイルドキャットとかヘルキャットとか、だんだん手強い敵も出ては来るものの、必ず勝っている。
零戦の性能が素晴らしかったのはもちろんだが、やはりパイロットの技量がものすごかったのがうかがえるところである。
またその零戦に対しての著者の視点で意外だったのが、著者にとっては零戦は全て零戦だったっぽいところで、敵機その他非常に細かいところまで言及があるのだが、零戦に関しては一度もその形式に触れられないのだ。
一言に零戦と言ってもその形式はけっこう有って性能もだいぶ異なり、著者もいくつかの形式に乗り継いでいるはずなのだが。
なんかもう身体の一部過ぎて細かいところは気にならなかったのだろうか(汗)
 戦争も中期になると、著者のいる南方では早くも敵の物量によって壊滅的な状況となる。
ラスト近くの体当たり命令もそうだが、その後の硫黄島への敵の7波にわたる空襲で飛行場の設備を全て破壊され、更にそこに艦砲射撃の嵐が降り注ぐのを山のてっぺんから見物するとか、こんな岡本喜八の映画みたいな状況がリアルであったとは(汗)
 一つだけ残念なのは終わり方が尻切れトンボ感があるところで、なにしろ物語じゃないので仕方がないが、全然終わった感は無い(笑)
ただし続編が存在するので、これも近いうちに読まなければ。
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