9月17日(火)、なんばパークスシネマで鑑賞。観客65人くらい。高齢者多し。
公式
https://www.samutai.net/
以下、マイミクさんの感想日記にコメントした文章を再構成します。
私は「時代劇が大好きな昭和育ち」なので、本作はまさにドストライクでした。
現代でも歌舞伎や劇団☆新感線、大衆演劇などで殺陣は演じられますが、映画やTV時代劇のそれは「たっぷり見せてくれる」し「リアルに演じられる」から満足度が違います。
本作は冒頭からラストまで、たっぷり楽しめました。
実は、殺陣を2対1で基礎から習ったこともあるのです。一度だけですが。
まず、木刀の重さに驚きました。剣道の竹刀とは全然違いました。
そして、所作も思ったより難しかった。ましてや、言われた手順を即覚えて正確に動くなんて…。見るとやるとは大違い、時代劇役者は凄いな!と実感しました。
本作で時代劇をやる役者さん達は、全員動きが綺麗で力強く、素晴らしかったです。
キャストは「名は知らないけど見覚えある役者さん」揃い、身近でリアルに感じました。設定は突飛ながら、自然な演技のお陰で人情話に没入できました。みんな優しい!
そもそも、本作の制作裏話自体が「映画にできそうな人情話」です。本作に関わった人々全員の温かで一生懸命な思いが、画面から伝わってくるようでした。
名場面は数々あれど、私の心に最も刺さったのは、ショートケーキを初めて食べた高坂が涙するシーンです。
私は関西人ですが、子供時代を栃木で過ごしたため、学校で戊辰戦争の話を習う機会がありました。白虎隊の話を筆頭に、幕末の会津藩の人たちがどれほど悲惨な目に遭ったのかを子供心に刻みました。なので、本作の冒頭で高坂が会津藩士と知り、古い記憶が蘇った次第。高坂に親近感を感じました。
高坂は武士とはいえ、嫁ももらえぬ次男坊。きっと苦しい生活だったはずです。
彼が口にできたのは、製糖度の低い甘味料で作ったおはぎくらいが関の山でしょう。
それでも「特別な日にしか食べられないご馳走」だったはずです。
そんな彼が、最高純度のグラニュー糖と粉砂糖、新鮮な生クリーム、卵、バター、そして真っ赤な苺でできた「ふわふわ食感のケーキ」を、生まれて初めて口にしたのです。
その衝撃たるや!
昭和の子だった私でさえ、子供時代に「生クリームの苺ショートケーキ」を食べた時は衝撃を受け、感動しました。バタークリームとは別物だ!と。
ましてや、貧しい幕末の会津藩士は、どれほど驚いたことでしょう…。
高坂は、ショートケーキよりも前に、「お殿様しか食べられないような銀シャリのおにぎり」をもらって驚いていました。また、家電製品や車など、さまざまな文明の利器にも触れていました。「140年後の文明進化」は既に分かっていたはず。
それでも、「五感に直接訴える」食べ物がもたらす実感の強さは、段違いでした。
ショートケーキの味や食感、香りのインパクトは、文字通り想像を絶する次元でした。
お菓子は、その国の豊かさや文化度が顕著に表れるバロメーターです。
フォークを挿してその柔らかさに驚き、「これは、相当高級なお菓子でしょうな…」
恐る恐る口に運ぶと、澄んだ上品な甘さと、口の中でほどける優しい食感に絶句!
「え、誰でも、いつでも、食べられる? これが普通のお菓子? 本当に??」
高坂は信じられず、ニコニコしながら頷く住職夫婦に何度も確認していました。
やっと了解した彼は、「我々が命を投げ出して必死に守ろうとしていた日の本は、あの頃より何百倍も素晴らしい国になったのだ」と直感的に悟り、万感の思いで静かに涙。
その姿を見て、私も思わずもらい泣きしていました。
山口馬木也は名演技でした。
彼は正真正銘の「タイムスリップしてきた会津藩士」だな、と感じました。
ところで、『侍タイムスリッパー』はTVで連日取り上げられているそうですね。
エミー賞を席巻した『SHOGUN』の話題は最近何度か見かけたのですが…。
島田陽子が脱いだ時の『SHOGUN』はまあまあインチキでしたから、真田広之がリアリティを追求した渾身の時代劇が世界で注目されているのは、本当に喜ばしいことです。
このタイミングで、『侍タイムスリッパー』と『藤枝梅安』も海外配給が進んでほしいと私は願っています。これらも「本格時代劇」ですから。
(『侍〜』のエンドロールには英語字幕担当のクレジットがありました)
(『藤枝梅安』のエンドロールは英語表記を並列してありました)
【本格時代劇】映画『仕掛人・藤枝梅安』第1作
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1984358402&owner_id=1833905
さて、「リアリティを追求した本格時代劇」に関する話を少し。
> 木刀を振る時は腰を落として、膝元近くまで切っ先を落とさないと重さを受け止められないようです(感覚的には「餅つき」に似ています)。本身の重さに耐えるには相応の鍛錬が不可欠
斬り下ろした時の姿勢は「四股立ち」ですよね! ハウプマンさんに同感です。
『藤枝梅安』で、早乙女太一が正しくその形になった瞬間を、河毛監督はきちんと撮っていました。早乙女兄弟の殺陣は素晴らしくて、いのうえ歌舞伎『天號星』での殺陣は非常に良かったです。
https://youtu.be/4I-5QTxlI3s
いのうえ歌舞伎『天號星』ライブビューイング 2023年10月11日
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1986108724&owner_id=1833905
> 本身での斬り合いは竹刀での打ち合いとはまるで異次元
NHK『明鏡止水』で何度か解説されました。私はあの番組のファンでして。
https://webhiden.jp/topics/01-25-23nhk-meikyoushisui-bunokamiwaza3/
https://webhiden.jp/topics/20240619/
剣術は「剣道とは別物」。それが一目で分かる動画はこちらです。
NHKラーニング 香取神道流における戦場で急所を突く型の重要性
https://www2.nhk.or.jp/learning/video/?das_id=D0024010609_00000
剣術は軽い竹刀ではなく、重い木刀で稽古しています。(真剣はもっと重たいから)
しかも、面防具を付けずに練習しています。怖…。
【参考】余り語られない撮影所のあれこれ 「撮影所の『刀』と『ナイフ』」
https://ncode.syosetu.com/n2891fy/156
> 日本舞踊を学んだことがあるかどうかで殺陣の上達が違う
私は日本舞踊を習ったことはありませんが、歌舞伎役者の踊りは稽古・本番を含め、いろいろと見てきました。所作全般、特に「身のかわし方」が似ていると感じます。
振付を即覚える能力自体はバレエ上級者も備えています。ただ、なんと言うか「空気の切り方」みたいなものが日本舞踊や殺陣は独特なんです。バレエは上重心ですが、日本舞踊や殺陣は圧倒的に下重心ですし。
とはいえ、バレエの基礎練習と古武術の基礎練習はよく似ているそうです。昔、古武術師範のマイミクさんからそう教わりました。人体の構造が同じである以上、その能力を最大限に効率よく鍛える方法は、洋の東西を問わないということでしょうね。
https://mixi.jp/view_item.pl?reviewer_id=1833905&id=5741044
全国公開の直前、東京のマイミクさんが本作を大絶賛する日記を読んだ。
第2の『カメラを止めるな!』になるかも?と思った。
ただ、タイトルを見た瞬間、関テレの深夜ドラマ『武士が、マックで店員になった件。』(2022)を思い出した。昨今のドラマ作品はネタ切れで、入れ替わりものと、タイムスリップもの流行りだからな…とは思った。
でも、その予想は良い意味で裏切られた。
「泣けるコメディ」である以上に、本格的な時代劇、リアリティある歴史物、そして日本らしい人情物を、たっぷり見せてくれて感動した! まさに、見事に詰め合わされた「日本映画のお家芸」ショーケースだ。
大道具小道具は本格的、キャストは顔に見覚えある実力派揃い。時代劇はとても金がかかるのに、自主映画とは思えないクオリティの高さに驚かされた。
監督が農業の傍らコツコツ書いた脚本を読み、東映京都撮影所が全面バックアップを決定したという。プロ集団の支援がなければ、これほど質の高い作品は作れなかったはず。時代劇という日本の優れた伝統芸能を、次代に承継しようとする作り手たちの熱い心意気を感じた。この裏話自体、いい作品になりそうな胸熱ストーリーだ。
ふと、本作は『シアター・キャンプ』(2023)と通じるものがあると気づいた。
あちらは「アメリカの伝統芸能であるミュージカルのショーケース」的作品。また、劇中で「ステージ・コンバット(殺陣)」の重要性が語られ、実演もされた。やられる方が上手くないと殺陣が成立しないのは万国共通だなと、ニンマリしたのを覚えている。
『シアター・キャンプ』も、ミュージカルに深い思いのある役者たちがコツコツ脚本を書き、出演した、愛情と切実さと手作り感に溢れた低予算映画だった。こういう作品は観客の心をグッと掴む。
【ミュージカル愛】映画『シアター・キャンプ』 2023年10月12日
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1986115729&owner_id=1833905
折しも、真田広之が主演・プロデュースを務めたドラマ「SHOGUN」が、米国テレビ界の最高峰とされるエミー賞で史上最多18部門を受賞した。日本の時代劇が世界で大注目されるのは、『羅生門』『七人の侍』『雨月物語』などが発表された1950年代以来ではないだろうか。
このチャンスに、本作も世界中の人々に見てもらいたいなと思う。
【関連動画】
冨家規政、侍タイムスリッパーを語ります^o^ ゲストは山口馬木也さん神原弘之さん
https://youtu.be/NsiClw8Ceh4 (撮影裏話が満載!)
めざまし8【異例ヒット】上映1館でスタートの自主制作映画「侍タイムスリッパー」
クチコミとSNSで人気拡大“カメ止め”の再来?
https://youtu.be/GUwExN60QMg
【海外の反応】侍タイムスリッパ―自主製作映画の限界を超えた快挙に世界中が熱狂
https://youtu.be/DUb3yacfZXQ
【マイミクさんの感想日記】
大倉里司さんの日記 2024年09月09日
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1988365456&owner_id=1471688
ハウプマンさんの日記 2024年09月27日 ほぼ完全な解説
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1988480039&owner_id=6007866
ケスさんの日記 2024年09月29日
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1988497801&owner_id=12923117
エビネンコさんの感想つぶやき 10月14日
https://mixi.jp/view_voice.pl?post_time=20241014183801&owner_id=7886422
tamaさんの日記 2024年11月14日
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1988798129&owner_id=10258677
【INDEX】映画/舞台 関連日記(4)2024〜
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1986794975&owner_id=1833905
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