を読んだ。昨日。セシル・スコット・フォレスター著/高橋泰邦訳
幸運の助けもあって正規艦の規定では最小ではあるが列記とした艦長に任命されたホーンブロワーは、妻子を連れて最新の科学技術の成果であるセバーン運河をロンドンに向かっていた。
トラブルを乗り越えてロンドンにたどり着き、早速自分のものになった船に全力を傾けようと思ったのだが、そこに意外すぎる任務が。
それはトラファルガル海戦で戦死したネルソン提督の葬儀の総指揮だった・・・。
また冒頭のみで全然本編に入っていないあらすじだが、これだけでも展開の多様さは感じ取れると思う。
葬儀の後、晴れてスループ船アトロポス号の艦長としての任務が始まるのだが、それからの展開もまた変化に富んでいて目が離せない。
そして本作でメインになるイベントは、なんと沈没船からの財宝の引き揚げである。
もちろん派手な戦闘シーンもあるのだが、それより盛り上がるのはやはり戦力では話にならない強力な敵艦との追いつ追われつの駆け引きの方。
またなにしろ艦長なので、部下たちとの関わりも見どころが多く、更にはヘンテコな乗客やドイツの王子様まで乗り込んで、それらが絡み合いつつ物語が進んでいくのだからまさに大河ドラマ味。
そういえば上記の財宝引揚げの件が一件落着して、ああ面白かったと本を閉じようとしたらまだ続きがあった(笑)のも、なんとなく大河ドラマの途中のシーズンを見ているような感覚だった。
しかしその後の展開もこれまた興味深く、いきなり3つの選択肢を示されてこれはゲームブックだったかと驚かされたり(笑)
任務以外でも本作は見どころが多く、次女の誕生を筆頭に、ホーンブロワーの幸せと苦悩の要因が山積するばかり(笑)
実は本シリーズは情景描写が非常に巧みで、風景のみならず温度や匂いや音といった五感に働きかける描写が非常にうまく、まるでその場にいるような感じさせてくれるのも素晴らしい。
あと当時の今から考えると悲惨な食事が、やはり制限の多い船上ということもあって実にうまそうなのもいい。ホーンブロワーの部下たちがあまりにもラム酒を楽しみにしているので化夢宇留仁も今日買ってきちゃったよ(笑)
というわけで相変わらず濃厚で、分厚い本のどこもかしこも面白かった。
それにしてもこうあらゆる範囲で隙のない冒険活劇小説シリーズという点では化夢宇留仁が今まで読んだもので匹敵するのは剣客商売くらいなものだが、なんでもっと話題にならないのかが不思議である。やっぱり日本人は海に興味が無いからかしら。
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