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2024年05月11日14:01

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絢爛たる映像に今回は後味も良いアルマドバル映画「パラレル・マザーズ」。キネ旬ベストテン入り・ヴェネツィア受賞作ならではの傑作。

 5月6日(月)に昨年2023年5月公開の外国映画「MEMORY メモリー」を観る。

「MEMORY メモリー」(マーティン・キャンベル)
元気なオッサン(もはや爺ィさんに近いがその変わらぬ元気ぶりは驚異!)リーアム・ニーソン主演のアクション篇で、今回は凄腕の殺し屋に扮する。身体の衰えから引退を申し出るが拒否され、子供人身売買組織からの気の進まぬ依頼を受けざるを得ず、しかしターゲットが少女だったことから仏心が出て、寸前で決行を躊躇い、組織全体を敵に廻す破目になる。冒頭で殺しの非情ぶりを見せており、体の衰えからとはいえ、そんな男が簡単に心変わりするかいなと言いたくなるが、アルツハイマー初期の診断を受けて薬を服用中で、直前の記憶が寸断され余命も短いとなると、その心変わりの説得力は十分で、絶対的な強さがスリルとサスペンスを削ぐことの多いリーアム・ニーソン映画としてはユニークだ。大富豪の慈善家で息子を顧問弁護士としている熟年女実業家をかつてのイタリアのグラマー女優モニカ・ベルッチが演じる。相変わらず美貌ではあるが意外な汚れ役で…おっといきなりネタバレみたいなことを言うなよ!とお叱りを受けそうだが、御心配なく終盤ギリギリで全てをひっくり返すようなドンデン返しになるのでお楽しみに。奇しき因縁で殺し屋ニーソンと共闘関係になるFBI捜査官がガイ・ピアースで、過去に「メメント」で寸前の記憶しか残らない男をサスペンスフルに演じており、創り手側にその意識は無いかもしれないが、ファンとしては楽屋落ち的で楽しい。エンディングは、「証拠主義の法社会では正義は貫きえない」と、アメリカとメキシコの裏社会の闇の拡がりの恐ろしさを伺わせ後味はよくないが、正義派FBIガイ・ピアースとバディの女捜査官のコンビによるパート2があっても良さそうだ。いずれにしてもリーアム・ニーソンのアクション映画としてはユニークな楽しさがあった。(よかった)

 5月7日(火)に2021年3月公開の外国映画「映画 きかんしゃトーマス おいでよ!未来の発明ショー」を観る。

「映画 きかんしゃトーマス おいでよ!未来の発明ショー」
                  (イアン・チェリー,ジョーイ・ソー)
きかんしゃを中心に各種機械が擬人化された楽しく愛らしいお馴染みCGアニメ。よく考えたら「カーズ」の原型にも見えてくる。ピクサーはオリジナリティに溢れているみたいだが、過去のエッセンスを貪欲に取り込んでいるようだ。さて、今回の「きかんしゃトーマス」の舞台は、お膝元のソドー島で、そこで開催されることになった“未来の発明ショー”がストーリーの中心になる。ゲストキャラ的な存在で日本から来た新幹線風の電気車両や巨大ロボットが見所となり、エンディングで次作は日本が舞台になりそうな感もして、今後の展開が楽しみだ。(まあまあ)

 5月8日(水)に一昨年2022年11月公開キネ旬ベストテン外国映画の第3位「パラレル・マザーズ」を観る。

「パラレル・マザーズ」(ペドロ・アルマドバル)
アルマドバル映画は、極彩色の衣装・美術・装置に絢爛たる特長があり、私の趣味に合うのだが、ドラマの方は自然でない人間関係の題材が多く、私は後味良く楽しめなかった。今回もタイトルの「パラレル・マザーズ」どおり未婚の二人の母の話だが、一人は中年に至りこれが最後の機会と思って不倫の子を産んだペネロペ・クルス、もう一人はレイプまがいで複数の男と関係し、誰の子かも定かでない子を産んだ17歳の少女と、やはり後味が良くなさそうな関係ばかりだ。これにレズや産院の子供取り違えと、ノーマルな関係にはスンナリ行かないネタが並ぶ。ただ、過去のアドバルマル映画と一味ちがうのは、近過去のスペイン内戦という社会的テーマが関係してくるところだ。虐殺され埋められた遺体を、過去の負の遺産を忘却の彼方にしたいのか、国は発掘調査に消極的で民間の団体が積極的に進めるしかない。これが終盤でドラマの軸となり、無名の庶民が連綿と紡いでいく血筋の愛おしさへと収斂していく。アルマドバル映画としては、珍しく爽やかな後味となった。かつての美女ペネロペが今や中年熟女になったが美貌は健在、いい歳を重ねている。ヴェネツィア女優賞に輝いたのも納得だ。(よかった。ベストテン級)

 5月10日(金)に一昨年の令和4年8月公開の日本映画「ももいろクローバーZ アイドルの向こう側 特別上映版」を観る。

「ももいろクローバーZ アイドルの向こう側 特別上映版」(酒井祐輔)
10代にデビューした女子4人のアイドルグループ「ももいろクローバーZ」いわゆる「ももクロ」は、アラサーになってもアイドル活動を変わらず続けている。確かに日本の芸能界では稀有の例で、男の場合は「しぶガキ隊」「SMAP」「嵐」のようにソロ活動に移行するとしてもかなりの年配になってからで「嵐」の如く活動再開の例まであるが、女子の場合は「普通の女の子になりたい」の名言で引退したキャンディーズや、ある程度のキャリアを重ねると退団して転身していく宝塚歌劇団のような過去の例から鑑みて、前人未到の領域に突入した感がある。そのあたりの核心に迫り、「ももクロ」の今後も含めて興味深いドキュメンタリーであった。(よかった)

 歳をとると若者の顔の判別が困難になり、みんな同じ顔に見えてくるから不思議である。「ももクロ」の4人にしても2時間近く見続けていたのに、最後まで明確に判別できなかった。若い頃に、例えば日活グリーンラインの吉永小百合・和泉雅子・松原智恵子・山本陽子が、それぞれそれなりにチャーミングだか全く別の顔に見えていたのだから、ホントに不思議だ。

 前回日記から5月10日(金)までに観た映画は次の5本。

「MEMORY メモリー」
「映画 きかんしゃトーマス おいでよ!未来の発明ショー」
「セーラー服色情飼育」「パラレル・マザーズ」
「ももいろクローバーZ アイドルの向こう側 特別上映版」

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