トリプル七福、つまり廿一福のつけけんちん蕎麦の開発

先日、私が贔屓にしている十割蕎麦店へランチを食べに立ち寄った時、なんとこの日は店主から「今日だけの！つけけんちん蕎麦」を食べてほしい…と要望がありました。つけけんちん蕎麦は期間限定で10/1〜3/31と決まっています。この日はこの冬に食べられる最終日ということになります。しかも「ん」が付く食材がいくつ入っているか数えるように…という宿題付き。

那珂市の言い伝えには、冬野菜に「ん」が付くものを7種類を食べると「運（うん）がつく」、つまり縁起がよい…という言い伝えがあり、茨城独特の「つけけんちんそば」に七福を加え、ご当地そばとしてＰＲをしています。常々、私は店主に「ん」がつく食材をいっぱい入れて、「那珂市でいちばん福がある蕎麦にしよう」と煽っていました。店主なりの最終形のプレゼンをするので、つけけんちん蕎麦を食べるように指定してきたことは明らかです。

前回、七福✕２のダブル七福に近づくところまで到達しました。ダブル七福に到達したら凄いと思っていましたが、結果的には七福✕３のトリプル七福に到達して、私はビックリ。

慎重に「ん」がつく食材を数えながらいただきました。
楽しい余興です。

・けんちん汁に入っていたもの（16種）
かんしょ（サツマイモ）
こんにゃく
にんじん
だいこん
どんこ（大きめの椎茸）
オニオン（玉ねぎ）
ごんぼう（牛蒡）
れんこん
銀杏
さやいんげん
さやえんどう
ナンキン（かぼちゃ）
ずんだ（枝豆）
ほうれん草
春菊
ジンジャー（しょうが）

・味変オイル（4種）
ピンクペッパー
じゅうねん油
山椒
レモン汁（＋レモンの皮のすりおろし）

・七味とうがらしの中に…（1種）
陳皮（みかんの皮）
※山椒も入ってるけど
味変オイルと被っているので数えない。

ちなみに「ん」がつかない食材として
しめじ、まいたけ、えのき、ネギ、いもがら
が、入っていました。

結果として、「ん」が付く食材が21種。すばらしい！
「トリプル七福」と呼ぶか？
「廿一福」と呼ぶか？
ただしこれは、超特別メニューなので、メニューにはのせないそうです。



これは、けんちん汁の味変オイルです。
ピンクペッパー、山椒、じゅうねん油、レモンが入っています。つけけんちん蕎麦を味変して食べる…というのも画期的だと思います。レモンの酸味でもある酢酸が、高温にふれると蒸発して旨味だけが残ります。だから食事の最後に汁を飲む時、この味変オイルを加えると、まろやかな味になります。おそらく、こういう食べ方を提案しているのは、ここだけだと思います。す「ん」ばらしい！



蕎麦を食べる前の先付けは、
揚げそばがき＋じゅうねんみそ、おから和え、大根の煮物
※南会津では、エゴマを“じゅうねん”と言うそうです。



蕎麦の後のデザートはコーヒーと、みたらし味の寒天