タイミーを活用した単発スポットワーカーで成り立つ居酒屋

3月29日、帝国データーバンクによると、2024年4月からの食品の値上げは2806品目、2023年10月以来の規模だと明らかにした。牛丼チェーン店「すき家」は29日、約3割の商品について、10円〜50円の値上げを発表した。改定される4月3日以降「牛丼 並盛」は、税込400円から430円となる。合わせて深夜帯について、メニュー価格を7%値上げする。

　　本日は、日本の社会問題として、単発バイトのスポットワーカーを中心に店を展開する居酒屋について紹介する。

　詳細記事　写真掲載元　IT media 2024年3月29日付　https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2403/29/news071.html

前回社会問題を取り上げた日記　2023年3月28日付　2024年問題　2024年問題　メルカリが新たな取り組みを始める。物流網について　再配達削減を目指した置き配りについて　ZOZOタウンの取り組み　https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1987265968&owner_id=32437106

　TVのＣＭ効果により、隙間時間にアルバイトできる「タイミー」の登録者が,2024年2月に700万人を超えた。タイミーに登録する企業も9万8000社にのぼる。

　タイミーを活用することにより、単発バイトで稼ぎたい求職者と、人手を求めている雇用主を繋ぎ合わせることができる。

写真　掲載元　PR TIMES 2023年12月14日付　https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000207.000036375.html


　2017年に運営が開始されて以降、認知度はうなぎのぼりに上昇している。


　求職者の方も、履歴書の提出や面接も不要で、気軽に応募しやすい。引きこもりからの社会復帰のステップアップの場としても役立っている。

　雇用主側にも安心できる仕組みが導入された。2023年12月以降タイミーのアプリ内で
働き手の評価を示す「バッジ」機能が追加され、求職者の人柄や能力を一定程度把握しやすくなった。求職者側も、評価が悪ければ、仕事を依頼されなくなる。単発バイトだからといえ、割り切った感覚で望んではいけない。真摯な態度で雇用主と付き合うことが求められる。

　タイミーに応募して臨時で働くスポットワーカーは、慢性的な人手不足に悩まされる飲食店のピンチヒッターとしても活用できる。

　普段閑散としている飲食店において、急に宴会の予約が入ると、下準備に忙しく、常駐する従業員だけでは足りないことも多い。グループ客の接待に人数を割かれると、個人で来店する客を断る必要が出てくる。

　お金を支払って商品を注文する意思がある客を断る行為は、サービス精神にも反する。

　そこで、飲食店側は、タイミーに求人を出して、スポットワーカーを探し出す。

　日本社会においては、バブル期までの雇用形態は、終身雇用、フルタイムで働く正社員が一般的だった。

　近年は、離職によるフリーター、病気による療養者を含め、比較的時間に余裕がある人も多い。企業側も、労働者の賃金を上げられない中、副業を認める傾向に変わっている。

　首都東京の一等地、JR新橋駅の銀座方面改札口から徒歩1分の距離にある居酒屋「THE 赤提灯」は、タイミーで応募したスポットワーカーを中心に、店を運営している。

　

　常駐する従業員は3人。客席数は64、顧客単価は3000から4000円、客のニーズにより、スポットワーカーの数を調整し、注文を受け付け、料理を提供する。

　どんな職場でもチームワークは不可欠である。お互い見ず知らずの従業員同士で、初めて見る客を接待できるのか、一般の人々の視点に立つと運営方法に疑問符がつく。そこで店側は、スポットワーカーが働けるように工夫を凝らしていた。客の注文メニューを、一つの商品に集中させるべく、オリジナル商品を用意する。来店客の多くは、オリジナルメニューの『烏森ハイボール』を注文する傾向があるという。

　店主、または常駐する従業員は、スポットワーカーに対して、客を接待する前に味見をしてもらう。客から質問を受けた際にも、スポットワーカーは、的確に味について答えられるようになる。



　確かにどんな仕事においても、経験や難しさがある。居酒屋赤提灯の店主によると、業務の効率化を図る必要もあることから、スポットワーカーの採用に際して、独自に基準を設けているという。居酒屋のバイト経験者、未経験者、同店で雇用された経験者と、3つの枠から、採用人数を絞り込む。中には10回以上スポットワーカーとして働きにきてくれた人もいるという。

特別な専門知識や資格の取得を必要としない職種でも、経験者と未経験者では、スキルに差が生じる。ホテルのハウスキーピングに際しても、短い時間でシーツ換えや洗濯、部屋の模様替え、消毒などを行おうとすると、雑になりがちだ。いかに短時間で綺麗にするか、経験がものをいう。清掃が行き届いていなければ、顧客からクレームがきて、評判を落としてしまう。

　単発のスポットワーカーは、スキルの取得には確かに不向き、あくまでピンチヒッターとしての位置づけとみられている。

　働き方の多様化が進む中、タイミーの役割は今後大きくなると予想されている。

　

すき家が値上げ、「牛丼 並盛」が400円→430円　深夜料金7％も加算