を読んだ。マレー・ラインスター著/永井淳訳
それは山や森の中で始まった。動物たちが次々と変死を遂げ、そして猟師にも死者が。
調査に赴いた狩猟雑誌の寄稿家であるディック・レーンは大量の兎の死体を発見した場所で、突然顔に何かが覆いかぶさり呼吸ができなくなり・・・。
プロローグの書き出しは以下の通り。
「ギズモ戦争の初期の戦闘は人里はなれた僻地で勃発し、人類はそのことを全然知らなかった。はじめは都市への攻撃もおこなわれず、緒戦の小競り合いはもっぱらクマ、ヤマネコ、ロッキーヒツジなど、哺乳類の動物たちによって戦われた。これらの戦闘はしばしば果敢に戦われたが、たいていはさんさんたる敗戦におわり、しかもほとんどの結果が報告されなかった。」
なんかいい感じ♪
この時点で予想よりも面白いかもしれないぞと思った。
先日創元SF文庫の解説本を読んだので無性に創元SFの古いやつを読みたくなり、適当に本棚から抜いたのが本書なのだが、結果としてはこれが実に面白かったのだ。
このいかにも古臭い表紙に古臭い邦題の作品に、素晴らしく映画的な描写によるスペクタクルが用意されていようとはまさに予想外だった。
最初はなんとか危機を脱したレーンがフィールドワークに精を出す女性科学者ウォレン教授とその姪であるキャロルと合流し、ほとんど目には見えないなにかが種を問わず動物という動物を殺して回っているのを知るのだが、このあたりはトレマーズ味(笑)
その後徒歩で山を脱出し、バークという男の運転する車に乗せてもらってガソリンスタンドにたどり着いたあたりからスペクタクルが開幕。
それまで80年代の映画風の情景を思い浮かべていたのが、突然現在のCGIバリバリの大迫力映像に切り替えることに(笑)
要するにギズモというタイトル通りの生き物(笑)が大挙して襲ってくるわけだが、このチープすぎる存在を登場人物それぞれの視点の意見を交差させることでその存在をもっともらしく感じさせるのに成功しており、考えてみればそれってまさにSFの真骨頂である。
後半は流石に広げた風呂敷をたたむのに少々無理をしている感はあったが(笑)、古いSF(1958年)も全然侮れないと思い知らされたのだった。
ところでこれは驚きの偶然なのだが、本作にも例のバロウズゆかりのカリフォルニア州のターザナが登場していた。そこに住んでいる喘息の男が知らず知らずの内にギズモの攻撃から身を守った様子が紹介されるのだが、ずいぶん広い地域にまたがる地名のようである(汗)
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