上野動物園で肉食獣のフォッサが亡くなる。那須サファリパークの事故　

　今回は動物園関連のニュースである。第1章は、2022年に起こった那須サファリパークでの飼育員が負傷した事件を、第2章は、日本で唯一飼育されていたマダガスカル島に生息するフォッサについて取り上げている。

　直近の動物関連日記
2024年2月9日付　動物と宇宙関連ニュース　土星の衛星ミマスに地下海の存在が指摘される。南米チリのサッカーの試合で乱入したワンコ、アマミノクロウサギ
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　直近の動物園の事故に関する日記
2023年10月25日付　動物に関するトラブル　秋田県のクマ処分について、島根県で保護施設内にてシカによる死亡事故
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1986205567&owner_id=32437106

　第1章　那須サファリパークの飼育員負傷事故　

　詳細　北国新聞　2024年3月26日付　https://www.hokkoku.co.jp/articles/tym/1354415

比較的大人しい草食動物から、ハンターの本能を持つ猛獣まで暮らす動物園内において、飼育員は近距離で接することになる。餌付けをすることにより、徐々に距離をつめると、肉食獣から信頼を寄せられ、次第に打ち解けるという。時には、本能が現れ、飼育員に対して敵意をむき出しにして、襲い掛かる。動物園内の事故は頻繁に起きていた。

　2022年1月5日の朝のことだった。栃木県の「那須サファリパーク」で、20代の男女3人の飼育員が、ネコ科のトラに嚙みつかれる被害にあった。そのうち女性一人は、右手首から先を失い、日常生活に支障をきたした。一連の重大な事故により、管轄内の大田原区検が捜査を行った。事件から2年後の3月26日、労働安全衛生法違反の罪で同園を運営する東北サファリーパーク（福島県二本松市）と支配人の男性（49）を略式起訴した。また、業務上過失傷害の罪で元飼育員の男性（26）を略式起訴した。元飼育員とともに業務上過失傷害容疑で書類送検されていた支配人ら5人は同罪について不起訴とした。区検は理由を明らかにしていない。動物園を運営するには、飼育員の存在は欠かせない。今後猛獣と向き合い方について問われている。



　　第2章　日本で唯一飼育されていたマダガスカル島に生息するフォッサが亡くなる

　続いて、東京都台東区上野動物園のことだった。敷地内の西園で飼育されている肉食のフォッサが、2024年3月24日付けで亡くなったことが明かされた。性別はオス、名前はベザ、年齢は18歳である。日本で唯一飼育されていたマダガスカルマングース科のフォッサだった。同園では2017年5月にももう一頭、メスのフォッサが命を落としている。

　詳細　東京ズーネット　2024年3月25日付　https://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&inst=ueno&link_num=28482

　野生界でフォッサは、日本列島の1,6倍の広さを持つマダガスカル島のみ生息する。体調は60ｃｍから80ｃｍ、体重オスで6ｋｇから12ｋｇ、メスで5ｋｇから8ｋｇ、身軽な体が幸いし、木の上を登り、小型のキツネザルを襲う。

　写真　私自身が2013年5月1日に上野動物園で撮影したフォッサ



現地マダガスカルでは、人口増加に伴う開発が進み、生息地の分断により、危機的な状況に陥っている。1960年の人口は500万、2022年には3000万、その数6倍に達した。人口増加率は西暦2020年で過去最高の年率4，6％、その他の年でも年率平均2パーセント台を記録している。増え続ける人口を養うため、宅地の造成と共に、耕作地の確保は必須だった。

　　グラフで見るマダガスカルの人口推移　https://graphtochart.com/population/madagascar-transition.php

食用となる家禽を守るため、現地人が狩りをすることにより、個体数の減少に歯止めがかからない。1977年にワシントン条約附属書IIに掲載されている。

　世界で4番目に大きな島であるマダガスカルの生態系の頂点に達するフォッサは、いかにして、保護していくのか、動物園はその役割を担う。我々人の暮らしにより、犠牲になる動物は耐えない。フォッサの未来は不透明さを増している。

那須サファリ運営会社を略式起訴
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=2&from=diary&id=7802232