<ストーリー>
高校二年生の高遠夜霧が修学旅行中のバスで目が覚めると、クラスメートはほぼおらず、壇之浦知千佳と二人だけだった。しかも、バスはドラゴンに攻撃されていた。しかたなく、夜霧が「死ね」と命じるとドラゴンは即死してしまう・・・
<コメント>
ちゃんとしたタイトルは『即死チートが最強すぎて、異世界のやつらがまるで相手にならないんですが。』というもの。
コミカライズを読んでいるのだけれども、最初は「なんじゃい、この設定は。とうとうここまで来たのかご都合主義のラノベは」と思ってしまった。だって主人公の能力は相手に「死ね」というと即死してしまうのだ。そんなのでドラマが作れるわけないじゃないか!と思ったけれども、いやこれがなかなか凄い。
要するに主人公夜霧たちのバスは賢者シオンによって新たな賢者を作るために異世界に召喚されたのだが、シオンから与えられたギフト能力を発揮できなかった夜霧と能力を隠ぺいしていた壇之浦は取り残されてしまったというのだ。
元の世界に帰るためにシオンに掛け合おうと二人の旅が始まる。
なにしろ主人公たちが絶対に窮地に陥らない。次々と現れる強敵が実力を示したとたんに夜霧の「死ね」で死んでしまうのだ。笑ったのはゾンビを操る能力者が「どうだ、あらかじめ死んでいる死霊たちをどうやって殺す」と笑うけれども夜霧が命じると全員倒れ伏してしまう。「な、なぜゾンビが死ぬ・・・」「いや、動いてるし・・・生きてるか死んでるかなんて俺が決めるし・・」とむ絶大なのだ。
なんか、様々な超能力バトルもののパロディみたいでジャンプなら単行本1冊はかかるような超能力者相手でも名乗って襲い掛かってきたら数ページで死んでしまうのだから。
アニメのオープニングで何百人という登場人物が次々と現れては灰になって消えていくまさにその通り。
これが面白いのかどうかというと、結構面白い。それは莫大な物語をまるで早送りで読むかのようなスピード感にある。まるで酔ったかのようなドライブ感だ。
まあ、この物語は絶対無二というだけで成立しているところがあるので、それだけで価値があるかもしれない。
ただ、この先に作者のアイデアが尽きるのと読者が飽きるのとどちらが先かと思うとなかなか興味深いものがある。
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