橋本治の「若者たちよ」に当時橋本治が今でいう「推し」だった「大友克洋」の自選作集漫画を800部(この数字が思い出さない)刷ったら、全然売れないで全部借金を背負ったというような話が出てくる。
で、まあ一体この話が鳥山明とどう関係があるかと言えば。この自選漫画集こそ、漫画界のニューウェーヴとして名高い「ショートピース」で鳥山明も認めているようにその影響が見られる(あれだけディテールとして書き込みを加えても劇画っぽくない、しかし手塚や藤子不二雄の絵とは全然違う)。この大友とアメリカンニューアートのキース・ヘリングをミックスしたようなものが鳥山明という人の絵なのではないか、と。
AKIRAは明らかに大人向けで、手塚治虫は子供向けで、鳥山明から全年齢、全世界向けになったような。少なくともアメリカのネズミ野郎よりもポップな感じはする(アジア他での人気もわかる)。
ps
>同時期に登場し、漫画界を揺るがした大友克洋さんの、緻密に描き込んだ画風とは好対照だった。
一応書いておくと鳥山明も緻密だと思うけど。鳥山明の絵のディフォルメは橋本治が「江戸にフランス革命を」でいってるように「絵としての全体の構図は完璧だけれど細部のデフォルメが非現実的(写真のようではない)」という浮世絵的なものじゃないかと。
■傑出した画力でデフォルメ=独特の明るさ、鳥山明さん
(時事通信社 - 03月09日 07:31)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=7780183
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