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2024年02月13日23:28

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今日のNHK-FMは、「小沢征爾、三昧」だった

フェイスブックのクラシック音楽関係のコミュニティでは、先週、お亡くなりになった指揮者・小沢征爾氏を追悼する書き込みや思い出などが連日、多数投稿されています。いろいろな思いが溢れていて、彼の支持者が多数いることが感じられます。

私にとっての小沢氏は、彼の著書「ボクの音楽武者修行」の影響もあって、学生のころまではヒーロー的な存在でした。それなりにいろいろな音楽家の演奏を聴いているうちに、音楽的な嗜好も変わってきて、社会人になってからは、一定の距離感を保ちながら、彼の音楽を聴いてきました。個人的にはボストン交響楽団の音楽監督だったころの彼の演奏がいちばんよかったかも。巨匠感がある晩年よりも、気迫や勢いがある壮年期の演奏の方が聴き応えがあったと思っています。

今日の午後、所用先からの帰宅途中、車のラジオをつけたらNHK-FMで「クラシックカフェ」がはじまるところでした。この日は「予定を変更して、先週、お亡くなりになった指揮者の小澤征爾のディスクを聴いていただきます」とはじまりました。私、「NHKの十八番・追悼特集の番組きたな」と思いましたよ。
流された音楽は以下の通り。指揮はすべて小沢征爾

バルトーク作曲「管弦楽のための協奏曲から第5楽章」シカゴ交響楽団、
マーラー作曲「交響曲第5番から 第4楽章アダージェット」ボストン交響楽団
ラヴェル作曲「クープランの墓」からメヌエット 水戸室内管弦楽団、
ヨハン・シュトラウス作曲「美しく青きドナウ」ウィーン・フィル
武満徹作曲「弦楽のためのレクイエム」サイトウ・キネン・オーケストラ
ブラームス作曲「交響曲第1番ハ短調作品68」サイトウ・キネン・オーケストラ

中1の時、はじめて聴いたプロの指揮者が小沢征爾(オーケストラは新日本フィル)だったけれど、高2の時にはじめて聴いた外国のオーケストラがボストン響で、その時の指揮も小沢征爾。なんというめぐり合わせ。カーラジオから流れてきたバルトークの管弦楽のための協奏曲は、その時の来日公演のメインでした。いろいろ重なるなぁ…w。そのころ、彼が録音していたレコードは、彼の音楽性とフィットした作品が多かったような気がします。バルトーク、レスピーギ、ラヴェル、ベルリオーズなどなど。

帰宅後、いつものように夜のFMのクラシック番組をつけたら、「ベストオブクラシック」がはじまりました。この番組でも「予定を変更して、先週、お亡くなりになった指揮者の小澤征爾が指揮した水戸室内管弦楽団の定期演奏会のライブ録音を聴いていただきます」というナレーションから始まりました。
おもむろに、またか…と言う感じ。NHKの伝統芸のお見送り番組第2弾。

この演奏は、2012年1月に水戸芸術館コンサートホールで録音されたもの。
モーツァルト作曲「ディヴェルティメント ニ長調K136」
ハイドン作曲「チェロ協奏曲第1番ハ長調」チェロ独奏は宮田大
モーツァルト作曲「交響曲第35番ニ長調k385ハフナー」

実は、この時の定期演奏会は、大事件があった時なのです。
同じ演目が音楽会が2日間予定されていました。初日は小沢征爾氏が指揮。しかし2日目、極度の疲労のため小澤征爾氏が指揮をキャンセルし、指揮者なしで演奏されました。水戸芸術館側がそのことを演奏直前に発表したため、会場は騒然として、一部の観客が激怒して大騒ぎ。実は2日目の会場に私もいたのです。このドタキャンは、私もひどいと思いました。わざわざ遠方から水戸へ来た方も多かったみたいでした。演奏そのものは、小沢氏に恥をかかせるわけにはいかない…という水戸室内のメンバーの思いが熱演を生みました。小沢氏の晩年は、このようなドタキャンが度々あり、いろいろな方々に迷惑をかけてきたことは事実ですが、それでも小沢氏の演奏を聴きたいと思っていた人も多かったことも事実です。

小沢氏の晩年の20年間、私は水戸で聴く機会が多かったことは幸甚でした。しかし小沢氏とオーケストラがあまりにもツーカーの関係になっていたことが、一方で化学反応を起こすような演奏を少なくしていたようが気がして、少々、つまらないと思っていたこともあります。晩節を汚さないうちに引退した方がいいかも…とずっと思っていました。
しかしながら、小沢氏がお亡くなりになってからのこの1週間、小沢氏が私のヒーローだったころの存在に戻ってきたような気がするのが不思議です。
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