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2024年02月04日20:08

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モルグ街の殺人事件

を読んだ。エドガー・アラン・ポー著/佐々木直次郎訳
 古い新潮文庫で、化夢宇留仁の持っているのは昭和48年の34刷。ちなみに初版は昭和26年(汗)
ちうわけで紙が超茶色く、字が極限小さく、印刷はかすれている。
そこまでは予想通りだったのだが、旧仮名遣いとまでは予想していなかった(汗)
おかげで読みにくいのはもちろん、全然パリが舞台っぽくなかった(笑)

モルグ街の殺人事件
 本の趣味が縁でC・オギュスト・デュパンと知り合い、意気投合して一緒に住むことになった「わたし」は、新聞記事でモルグ街で起こった殺人事件に興味を引かれる。
老婆とその娘が惨殺されたがそこにあった大金は盗られておらず、犯人の目処もついていないようだった。
ところがデュパンは犯人の目処はついていると言い、それを確かめるために現地の調査に向かうことに・・・。

 本編が始まる前のデュパンが「わたし」の思考をピッタリと追跡してその思考に返事をする件がすごすぎる。
本編の事件はというと・・・フランス警察がいくらなんでも無能すぎる(笑)
そして事件の真相がこれまた思い切りがよすぎると言うかなんというか・・・(笑)
あとは本作は世界最初の推理小説と言われているらしいが、世界最初の名探偵(?)デュパン氏のキャラクターはほぼホームズ(笑)で、犯人の呼び出し方まで全く同じなのには笑った。ちうかもちろんドイルがパクっているのだが。

オトシアナ(旧漢字)と振子
 宗教裁判の結果地下の暗闇に閉じ込められた「わたし」に迫る陰湿な処刑。
なんとか危機を乗り越える「わたし」の前には更なる危機が・・・。

 非常に思い切った内容で、なにしろ主人公の名前も人物像も、なんで宗教裁判に掛けられたのかも一切語られず、ただひたすら地下牢でもがき苦しむのだから、やはりポーは只者ではない。
名前をパクったあの人(笑)が好きそうな展開を好きなだけやったらあまりにもあっさり終わるのにも驚いた。

早過ぎる埋葬
 「わたし」が各地での早過ぎる埋葬の例を紹介。
それでてっきりそういうコラム的な作品なのかと思ったら、実は「わたし」が早過ぎる埋葬恐怖症であるという物語が始まる。
なんかポーは構成も只者じゃないな。
そしてやっぱり好きなだけ早過ぎる埋葬の恐ろしさを描いたらあっさり終わる(笑)

偸まれた手紙
 デュパンと「わたし」のところに警視総監が相談に来る。
ある高貴な女性の手紙が盗まれ、犯人はそれを使って大きな権力を掴んでいる。
なんとかして手紙を取り戻さなければならないのだがどうしても見つからず・・・。

 びっくりするのが当時のフランス警察のあまりにも超法規な調査内容。
なにしろ大臣である犯人の留守に家屋を徹底的に捜索し、本人もとっ捕まえて身体検査までしてしまうのだ。
しかしもちろん手紙が見つからないので相談に来ており、話を聞いたデュパンが見つけるわけだが、いくらなんでもその隠し場所は警察にも見つけられたと思う(笑)
作中でデュパンが数学者の推理がいかに危険かという持論を展開するが、化夢宇留仁もちょっと共感するところがあった。
人類が見つけ出してきた定理は素晴らしいが、それは人類の限られた能力の範囲内でだけで定理として成立するものだと思う。

 上記の通り明らかにホームズのモデルになったと思われるデュパン氏だが、2作読んだだけではまだ個性がつかめるほどの情報量が無い。
なのでもっとシリーズを読んでみたいのだが、彼の登場する作品はあと1つしか無いそうな(汗)
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