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2024年01月29日21:03

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福岡アジア美術館の所蔵作品,巡回展示して頂けないものかなぁ…

 福岡アジア美術館の所蔵作品,もし巡回展示して頂けたら,それはこの上も無く有り難いことなのだけれど…

 フランスの首都パリといえば昔から「芸術の都」などという別名でも呼ばれたほどで,非常に多くの美術館が軒を連ねているということをしばしば耳にしますね。僕は昔パリにお邪魔したことはあるのですが当時はまだ美術に関心が無かったので,ルーヴル・オルセー・ポンピドゥーの三大美術館の名前を知っている程度でしかないのが残念なところです(・ω・`) 実はそれ以外にも規模の大小はあれ実に沢山の美術館があるのだということを知ったのは,ごく最近のことです。
 しかしこの話をパリの長い友人に話したところ,帰ってきたのは意外な答でした。「東京にもパリに負けないくらい沢山の美術館があるよ」と。たしかに東京には国公立・私立の優れた美術館が複数存在するのは間違いの無い事実です。僕がよく行く美術館でいえば上野の国立西洋美術館・上野の森美術館・東京都美術館,六本木の国立新美術館・森美術館・サントリー美術館などなど。他にも今のところあまりご縁が無いながら,アーティゾン美術館やSOMPO美術館・東京富士美術館なども評判ですね。「しかし,パリには数えきれないほどの美術館があると聞いたが…」と僕が返すと,友人は言いました。「渋谷区に美術館が幾つあるか知ってる?」と。そういえば・・・と数え始めると,実に多くの美術館が所在していることに気付かされます。松濤美術館・戸栗美術館・山種美術館・太田記念美術館・ワタリウム美術館…なるほど,たしかに東京にはパリにも負けぬほどの沢山の美術館があるようです。そういえば僕の親戚は「板橋区と練馬区の区立美術館は実に素晴らしい」とよく口にします。かく言う僕も府中市美術館にお邪魔した際には興味深い企画展のみならず充実した常設展にも圧倒されたのを改めて思い出したものです。パリの素晴らしさを否定する気は全くありませんが,東京もまたパリと同様に芸術の都であることを改めて気付かされました。隣の芝生は青く見えるというのは本当ですね。

 実はこれは東京に限った話ではないようです。地方都市は勿論のこと,政令指定都市レベルの大都会には立派な美術館が存在することが多く,当然ながらそうした美術館には優れた作品が所蔵されていたりします。こちらの記事で紹介されている福岡市の「福岡アジア美術館」などもその典型例でしょう。福岡市が九州を代表する大都会で地理的に中国や韓国の近くに位置することは皆様もよくご存じのとおりですが,流石というべきかその福岡市にはアジアの美術を展示収蔵する美術館があるのですね。僕は不勉強で当該美術館については全く存じませんでしたが聞けば大いに納得ですし,近年経済面のみならず優れた文化コンテンツの発信という面でも世界的に注目を集めている中国や韓国の美術作品を所蔵研究し展示に供していると知って興味津々です。
 そんな所蔵作品の中には購入時に比べて爆発的に価格の上昇したものもあり,たとえば1996(平成8)年に1,400万円で購入した中国の現代美術家ファン・リジュン(方力鈞)氏の作品については現在11億円の価値があるとされ,また30年ほど前に200万円で購入したやはり中国の美術家であるツァイ・グオチャン(蔡國强)氏の作品についても現在では16億円の価値があるとされています。購入を決定した当時の担当者の優れた見識には感服と言わざるを得ません。
 しかしながら福岡に行けばそうした優れた作品を必ず鑑賞出来るかといえば,残念ながらそうではありません。この「福岡アジア美術館」はスペースの狭さもあり,せっかく所蔵しているそれらの作品についても年に1度か2度の展示に供するのが精一杯で,それでも所蔵品の5%程度を展示したに過ぎません。同美術館は同じく福岡市立の「福岡市美術館」に比べると来館者数が半分程度に留まっていることもあり、福岡市議会議員からも「優れた作品は常設展示にするなどして魅力を打ち出せ」といった意見が既に表明されているということです。

 無論,福岡市も手を拱いているわけではなく,ネット上で作品を公開する手法の導入などを検討してはいます。これは昨今のコロナ禍で注目された手法で,実際に美術館に足を向けずともパソコンやスマホなどを使って美術作品を鑑賞出来る一つの優れた方法であることは間違いありません。優れた作品を単に倉庫に眠らせておくのに比べて著しく世のためになることも間違い無いでしょう。しかし僕自身もネットによる美術鑑賞を体験して感じましたが,これはやはり実際に作品を鑑賞するのに比べて今一つピンと来ないこともまた厳然たる事実です。
 それならば,作品を他の美術館に貸し出して巡回展示することを検討しては頂けないものでしょうか。たとえば「福岡アジア美術館コレクション」などと銘打って日本国内及び海外の美術館に貸し出して頂ければ,そうした優れた作品を多くの人々が実際に目にして鑑賞することが実現します。無論,この施策にも難点はあるでしょう。「福岡アジア美術館」所蔵の美術作品は福岡市の財産である以上はまずは福岡市民に鑑賞の機会が与えられるべきだというのも一つの道理ですし,加えて言えば「アートを生かしたまちづくり」を推進している福岡市としては「作品鑑賞を希望する美術愛好家たちには実際に福岡市に足を向けてもらいたい」と願っているでしょうから。しかし福岡市所蔵の美術品はもちろん福岡市民の財産であはありますが美術品である以上は全人類共通の財産という面もあることを考えれば,他都市の美術館への貸し出しを躊躇することは妥当とは言えないでしょう。加えて言えば,優れた作品の一部を他都市の美術館に貸し出し巡回させることで「福岡市にはこれほど素晴らしい美術品が沢山ある」と人々に周知すればむしろ「福岡に行ってみよう」と人々の意欲を掻き立てることにも資するのではないか。またそうした貸し出しや巡回展示を行ったからといって,少なくとも現状においては福岡市民の鑑賞の機会を奪うことにはならないでしょう。現時点では「福岡市アジア美術館」においては年間を通じて所蔵品の5%程度しか展示出来ておらず,逆に言えば多くの所蔵作品は倉庫に眠っているのですから。

 福岡市の所蔵する人類の至宝を実際に見てみたいと願う,福岡からは遥か遠くに住む美術愛好家はそのような願いを抱いております。



美術館の近現代美術作品が高騰、16億円の作品は購入時の800倍…展示スペース狭く「宝のもち腐れ」
https://www.yomiuri.co.jp/culture/20240118-OYT1T50158/
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