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2024年01月28日23:59

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ロシア軍とウクライナ軍の戦い2023年10月中旬から2023年末 ゼレンスキー大統領とプーチン大統領の外交努力 ミサイルを使っての応酬合戦 最新1月24日、ウクライナ人捕虜を乗せた航空機が撃墜される

 <ロシア軍とウクライナ軍の戦い2023年秋から2023年末>

2023年12月19日 シャフタール・ドネツク(ウクライナ)対 アビスパ福岡戦 レポート https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1986590193&owner_id=32437106

2023年 夏場 ウクライナ産穀物輸出について 他浜崎あゆみとZARDの坂井泉水の歌詞から世界平和を考える https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1986117295&owner_id=32437106

目次
・第1章 ミサイルでの応酬合戦
・第2章 ロシアの外交努力
・第3章 ウクライナの外交努力
・第4章 ウクライナ国民が疲弊する

 今回の主題はロシア軍とウクライナ軍の戦い、2023年の秋から2023年末である。西欧諸国から支援を受けるウクライナ軍だが、6月から始まった反転攻勢は成果を上げられず、領土奪還は厳しさを増した。新たにゲームチェンジャーとして期待されるのは、アメリカから供与された長距離ミサイルATACMS(エータクムス)である。ロシア軍側も、自国の領土からミサイルを発射し、激しく応酬している。2024年1月24日、悲惨な出来事があった。ウクライナ人の捕虜65人を乗せた軍輸送機が、国境沿いのベルゴロド州にて墜落したのである。被害を受けたのは、イリューシン(IL)76、捕虜を含め、乗員6人と警護員3人の全74人の死亡が確認された。
事態を知ると、ウクライナ側は状況を明らかにするように、ロシア側に求めた。
ウクライナのゼレンスキー大統領は演説で「ロシアがウクライナの捕虜の命、彼らの愛する人々の感情、われわれの社会の感情をもてあそんでいることは明らかだ」と非難した。一方ロシア側、連邦捜査委員会がテロ行為と断じ、事態を解明する決断をする。捕虜交換の矢先の事故に、両国に問わず、多くの人々が心を痛めた。戦争の方は続いている。

   第1章 ミサイルでの応酬合戦


  2023年12月15日付け、ロシア軍とウクライナ軍との戦いは、膠着状態との見方が優勢に立った。ウクライナ軍の奪還作戦も、進んでいない。戦況を変えるには、これまで以上の強力な兵器が必要である。新たに最大の軍事支援国のアメリカから、ゲームチェンジャーと期待される長距離ミサイル「ATACMS(エータクムス)」が、ひそかに供与されていたことがわかった。先日9月19日に、ゼレンスキー大統領が、アメリカのニューヨークの国連総会の演説後、バイデン大統領に武器支援を要請した際、表向きにはATACMSは、供与されなかったと語った。ロシア軍に対する警戒感から、極秘で事を運び、戦地へ持ち込んでいたのである。早速10月17日に実践の場に投入した。ATACMSを使用し、東部ルハンシク州と南部ベルジャンスク州のロシア軍の飛行場を破壊したことを明らかにした。

 写真 掲載元 米国製長距離地対地ミサイル「ATACMS」=2003年11月に米軍提供(AFP時事)2023年10月18日付 https://equity.jiji.com/oversea_economies/2023101800338
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 アメリカCNNによると、ATACMSの射程距離は最大300km、ウクライナに供与された武器は165kmに制限されたという。

 詳細 NHK NEWS 2023年10月18日付け https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231018/k10014228911000.html

アメリカ軍は、ウクライナ軍のロシア領への攻撃を控えるように求めている。長距離弾道ミサイルを送れば、ロシア領まで届いてしまう。過度な支援は、ロシアを刺激し、核戦争の危険さえ高まる。アメリカは、ウクライナに対して、2022年2月24日の侵攻前の領土に関しては、自衛権と認めている。クリミア奪還に対しては、慎重意見を崩していない。

 着々と進むウクライナの反転攻勢、一方ロシアは占領地域を要塞化する。イスラエル軍とガザ地区を支配するハマスとの戦いに、西欧諸国の関心が向く中、ウクライナはやや孤立気味だった。2023年11月14日、イエレマーク大統領府長官は、ドニエプル川東岸で足場を確保したと表明した。同年5月に、民間軍事会社ワグネルによって制圧されたドネツク州バフムトでも攻防が続いていることを明かした。東部ハルキウ州クピャンスクでも戦いが続いている模様である。

 長距離ミサイルを手にしたウクライナは、西欧諸国の支援が滞る中でも、成果を上げた。11月22日、ドネツク州クマチョボの式典会場を19日に攻撃したと発表した。部隊司令官は、ロシア兵25人が死亡し、100人以上が負傷したとの見通しを明らかにした。ロシア通信は、米国供与の高機動ロケット砲システム「ハイマース」の使用により、正確にイベント会場に着弾した結果、公演中だったロシア人の俳優が死亡したと報じた。 政府系ロシア新聞などによると、死亡した俳優はポリーナ・メンシクさん(40)。前線で戦う兵士を慰問するため現地で公演を開いていたという。ロシア国防省は犠牲者数などの被害状況を伏せている。

損壊された建物=22日、ウクライナ・ドネツク州(AP=共同)
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ロシア独立系メディアによると、観客が撮影したとみられる動画に、一部始終が記録されていた。メンシクさんとみられる女性は、平時の公演と変わらず、ステージ上で楽器を手にして歌っていた。アーティスト本人も、観客の兵士達も、緊張感から解放され、同じ時間と空間を共有していた。日常の穏やかな時間が流れる中、爆発音がとどろくと共に、画像が途切れた。メンシクさんは搬送先の病院で亡くなった。 
最後まで歌手として人生を終えた。

 ウクライナ軍は、意図的にロシア軍の式典を狙っていた可能性が高い。現に11月3日には、ザボロジェ州の前線部隊の村でのウクライナ軍の式典にて、ロシア軍のミサイル攻撃にあい、兵士19名の命が失われていた。ウクライナ側は報復感情が強く、ロシア人の民間人がその場にいることを想定しながら、砲撃したといえる。

ウクライナ軍のタルナフスキー司令官は23日、ドネツク州アブデーフカでロシア軍が3度目の攻勢を開始したと通信アプリを通して、状況を報告した。ウクライナ側によると、ロシア軍は町の包囲を狙って作戦を継続している。ウクライナ軍は防備を固め、ロシア軍に大きな被害が出たとしている。 ロシア国営テレビは23日、ザポロジエ州のロシア占領地域を取材していた自社の男性記者が攻撃で死亡したと伝えた。ロシア国防省によると、取材中の記者グループが22日にウクライナ軍の無人機攻撃を受けた。

 詳細 あなたの静岡新聞 2023年11月24日付け https://www.at-s.com/sp/news/article/national/1362326.html?lbl=10380

 クリミア半島に程近いヘルソン州でも戦いが続く。州内のベリスラフにて、ロシア軍の砲撃により、自転車に乗っていた男性を含め、少なくとも4人の死亡が確認されている。イエレマーク大統領府長官によると、ロシア軍がクラスター爆弾を使用したとの見方を示した。2022年11月にウクライナ軍は、州都ヘルソン市を奪還した。ロシア軍は、再度へルソンを取り返すべく、攻勢を強めているとみられている。

 詳細 へルソンの状況 NEWS WEEK 2023年11月24日 https://www.newsweekjapan.jp/headlines/world/2023/11/474188.php

 ウクライナの最大の支援国はアメリカである。11月20日には、米国のオースティン国防長官が、予告なしで、今年4月以来、1年に2度目のキーウを訪問し、ゼレンスキー大統領と会談した。国際社会がガザ情勢へ関心が向う中、1億ドル規模の軍事支援を明らかにした。

写真=オースティン国防長官(右)とゼレンスキー大統領(左)(C)AFP=時事
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 ゼレンスキー大統領は11月30日に、AP通信の記者団に対して、6月から始めた反転攻勢についての成果について口にした。望んでいたとおりの結果とはいえないとはいえ、着実に前進している、と強気の態度を示した。

 一方ウクライナ東部地域制圧を狙うロシアのプーチン大統領は、12月1日に決断を下した。ロシア大統領府は、プーチン大統領が露軍兵士の定員を最大132万人に増やす大統領令に署名したと発表した。従来と比べて最大17万人、約15%の増員となる。

 軍事力からすれば、ロシアが、ウクライナを圧倒する。西欧からの支援を受けて、ウクライナが持ちこたえた結果、戦況が長引いていると分析されている。

 双方の軍隊も、長期間戦地に投入されることにより、神経が高ぶり、冷静さを失い、突発的な行動に出やすい。ウクライナ検察当局は12月3日、ドネツク州でロシア側に投降した3名の軍人が、ロシア軍の発砲を受けて、死亡したことを明らかにした。無防備な捕虜を傷つける行為は、ジュネーブ条約に違反する。発砲したロシア兵を、殺人罪として起訴する目標を掲げる。

 ウクライナ軍側は、事前にリストアップしている、ロシアの指揮官の殺害をもくろむ。ロイター通信によると、ロシア南西部ボロネジ州知事は4日、ウクライナに侵略しているロシア軍の少将が死亡したことをSNSで明らかにした。英BBCロシア語版などの集計によると、昨年2月の侵略開始後、露軍将官の死亡は7人目になる。

   第2章 ロシアの外交努力

 戦争終結の鍵を握るのは、ロシアのプーチン大統領である。ウクライナと折り合いをつけず、今回の特別軍事作戦を継続する必要性を説いた。首都モスクワで、質疑応答を受け付ける4時間にわたる記者会見にて、ウクライナの「非ナチ化」、「非武装化」を達成するまで、妥協案を受けいれないと宣言した。2024年3月の大統領選を見据え、世論を気にして、予備役の追加招集はないと名言する。昨年招集された30万人に加え、これまでに約48万6000人が自発的に応募している状況から、追加募集は不要とする根拠を示した。今回の特別軍事作戦に踏み切った経緯について、NATOの東方拡大をあげた。米国に対し「制裁と軍事介入」ではなく、歩み寄りを模索することで問題を解決するよう呼びかけた。

 詳細 プーチン大統領 インタビュー RETURES 2023年12月15日付け
https://jp.reuters.com/world/ukraine/IURH7VSCQFIJJN3VT7EEHNZKMU-2023-12-14/

 プーチン大統領は、ICCから逮捕状が出ている中、外交努力を続け、影響力をアピールする。11月23日には、ベラルーシの首都ミンスクにて、CSTO首脳会議が開かれた。アルメニアのパシニャン首相の姿はなく、5カ国の首脳によって、協議を行った。議長としてベラルーシのルカシェンコ大統領は、不在のパシニャン首相に対して「不満があるのならテーブルに付くように」と抗議の意味をこめて、メッセージを発した。既にパシニャン首相は11月14日に、ルカシェンコ大統領に電話にて会議に出席できない旨を伝えていた。欧米側のメディアは、ロシアの威信低下、結束にほころびが見えていると、報じている。ロシア通信によると、ベラルーシのアレイニク外相は23日、CSTOのタスマガムベトフ事務局長が会議後、アルメニアを訪れ合意文書を渡すことを明らかにした。アルメニア政府は、脱退について言及していない。重要な会議に欠席することにより、支援を引きだす目論見があるとみられている。EUやアメリカも、ナゴルノ紛争の仲介役に出ることにより、アルメニアをロシアから引き離す狙いがある。ロシアと、欧米の間でアルメニアを巡る駆け引きが続く。

 写真=11月23日のミンスクでのCSTO首脳会議に参加した首脳達と事務総長
掲載元 THE SANKEI SHINBUN 2023年11月23日付け (タス=共同)フォト

 プーチン大統領は、自らのウクライナへの軍事作戦を、侵略行為との見方を隠すため、中東を訪問して、ガザ情勢の平和的解決を訴えた。12月6日に、UAEの首都アブダビで、同国のムハンマド大統領と会談した。同日にサウジアラビアの首相を兼ねるムハンマド皇太子ともテーブルに着き、エネルギー供給について、議論した。BRICSと呼ばれる新興国に対して、経済協定を結び、エネルギーの輸出を促進する。8月23日に南アフリカの最大都市ヨハネスブルクで行われた会議に、プーチン大統領は、オンラインの形で出席していた。ICCに加盟する南アフリカが、逮捕義務が生じることにより、入国を諦めたのである。
代わりにラブロフ外相を現地に派遣している。ビデオ演説にて、プーチン大統領は、経済成長の可能性を言及した。「30億人超が暮らすBRICSで世界の国内総生産(GDP)の26%を占める。購買力では先進7カ国(G7)をしのぐ」
金融や貿易に関する話題が中心になった。将来的にはAIの登用について協力姿勢を明確にしていた。

 かつてのソ連圏では安全保障面を、新興国BRICSや中東地域では、エネルギー面で協力を確認する。ロシアの上院議会は12月7日、6年に1度行われる大統領選挙戦の日程を、2024年3月17日にすることを全会一致で決定した。2022年9月30日に、一方的な住民投票の結果により併合したウクライナ東部4州でも実施する考えを示している。プーチン大統領は、翌12月8日に選挙戦の出馬を表明し、同日モスクワのクレムリンにて、前線で戦う兵士を招待した式典に参加した。

 兵士を労い、外交努力を続けることにより、国民に信頼できる大統領だとアピールする。有力な対抗馬は存在せず、当選確実とみられている。ロシアの選挙において、集計した票の候補者名の書き換えはもちろん、不正疑惑がつきまとう。対抗馬がでると、小さな罪まで洗い出して、警察に逮捕させるのである。選挙の本質である民主主義を否定し、言論弾圧に打って出ることにより、反対勢力を排除していく。もはや無風状態の選挙戦になるとことは確実視されている。

  第3章 ウクライナの外交努力

 一方民主主義を貫くウクライナは、欧米から全面的にバックアップを受ける。エネルギー価格の高騰により、支援疲れも隠せない。ゼレンスキー大統領は、12月12日に、3ヶ月ぶりにアメリカのホワイトハウフのバイデン大統領の元を訪れた。渡米に先立ち、5日にはビデオ演説を予定していたものの、急遽中止になった経緯がある。アメリカの共和党議員の中から、支援停止を訴える声も出ている。アメリカ議会では、2024年以降のウクライナへの支援について、予算の目処が立っていない。ゼレンスキー大統領は、290億円規模の支援を取り付けたものの、今後も継続されるか、不透明な状況に変わりない。アメリカは、2024年に大統領選挙戦を控える。4年ぶりに同ポジションを狙うトランプ氏が、共和党から公認候補に任命される可能性が高まっている。アメリカファーストを掲げるトランプ氏は、4年に渡った在任期間で、選挙戦においてロシア疑惑が取りざたされていた。彼自身は、ウクライナの支援停止を公言している。

 振り返ると、ウクライナの反転攻勢は6月頃から始まった。9月にサボリージャ州で、第一防衛線を突破し、主要都市トクマクを目指して邁進する。ドネツク州でも第一防衛ラインのオピトネ村を奪還したと成果を強調した。12月6日に、ウクライナメディアによると、ウメロフ国防相が、第2防衛ラインを突破し、状況が好転しているとの見通しを語った。

写真 掲載元 読売オンライン 2023年6月19日付 https://www.yomiuri.co.jp/world/20230619-OYT1T50213/
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ウクライナの攻勢は、計画より遅れているとはいえ、ゆっくりと進んでいるとも分析されている。今後占領地の守りを固めるロシア軍と対峙し、さらに戦いがヒートアップすることが予想される。戦争は続いていく。


 12月14日に、EUのブリュッセルの首脳会議にて、加盟申請中のウクライナとモルドバの審査を開始する決議を採択した。ハンガリーのオルバン首相の棄権により、全会一致で決まった。ウクライナのEU入りにより、同国産の穀物が他国へ関税なしでの輸入を含め、特権がある。紛争当地国とはいえ、NATOの加盟手続きを踏む。西欧へウクライナが接近するたびに、ロシアの反感は強くなる。西欧諸国も慎重さが求められる。

 ゼレンスキー大統領は12月19日に、戦況が膠着している状況を踏まえ、50万人の追加動員する必要があるとの見解を示した。軍の指揮権を持つザルジニー総司令官とは、不協和音が報じられていた。メディア「ウクラインスカ・プラウダ」は12月4日、ゼレンスキー氏が、ザルジニー司令官を経ずに、他の指揮官と直接やり取りしていると報じていた。
キーウ国際社会学研究所は、ウクライナ国民に行った世論調査によると、ゼレンスキー大統領を「信頼する」と答えた人は62%、1年前の84%から22ポイント減少している。国家予算も国防費の割合が高い。ウクライナ最高会議(ヴェルホーヴナ・ラーダ)は2023年11月9日、2024年の国家予算案を第2読会で承認した。歳入は1兆7,680億フリブニャ(約7兆4,256億円、1フリブニャ=約4.2円)、歳出は3兆3,550億フリブニャ。防衛・安全保障関連費が歳出の50.4%を占め、同国のGDP比率では22.1%に達する見込みである。

 詳細 ウクライナの予算について JESTRO 2023年11月14日付 https://www.jetro.go.jp/biznews/2023/11/a8df88748ecadd77.html

国防費に予算を費やす分、社会保障費の削減を迫られた。経済の悪循環は続く。勤労世代が、兵隊にとられている分、労働供給力不足、物資が滞ることによる悪い物価高に見舞われる。戦況が長引くたびに、国民生活は苦しさを増す。

  第4章 ウクライナ国民が疲弊する

 ロシアと一定程度妥協が必要なのか、国民の間でも揺れている。西欧諸国の間では支援疲れが見え始める中、ドイツは積極的に予算をつけて、応援の意志を表明した。ドイツのショルツ首相は12月13日、独連邦議会での演説で、ウクライナに対し、2024年に80億ユーロ(約1兆2500億円)の軍事支援をすることを明らかにした。独メディアによると、支援額は当初計画に比べて2倍の規模になる。80億ユーロのうち、60億ユーロは、避難民への支援に当てる。ピストリウス国防相は、国政を対象にした公共放送ARDのインタビューに応じた。ウクライナへの軍事援助の倍増計画について「われわれはウクライナを見捨てないという強い意思表示だ」と力説した。

 最大支援国のアメリカでは、共和党の議員の間でウクライナへの軍事予算を投入することに反対意見が根強い。ウクライナに送られた備蓄品に代わる新たな兵器・装備購入のための最後の10億7000万ドル(約1520億円)が、12月30日には使い果たす見込みだという。アメリカが手を引くと、ロシアを利することになる。機密解除された米情報機関の報告書によると、侵攻開始以降、2023年11月下旬まで、ロシア兵の死傷者は31万人にのぼるという。軍備に関しても装甲車を失ったことにより、18年後退したとの見通しを明らかにした。間もなく戦時下で2度目のクリスマスを迎える。

 ゼレンスキー大統領の世論調査 詳細 メーテレ 2023年12月20日付 https://www.nagoyatv.com/news/kokusai.html?id=000329141

 ドイツのウクライナ支援について 詳細 2023年12月14日 朝日DEGITAL
https://www.asahi.com/articles/ASRDG1QX0RDGUHBI001.html

 アメリカの機密情報 RETURES 2023年12月13日付
https://jp.reuters.com/world/ukraine/GYYTMGQEB5PTRIFUQ5J7WTSQ6Y-2023-12-12/

12月24日、ウクライナでは、ロシアの統治時代からの遺産を取り払うべく、旧ユリウス暦から、西欧諸国が採用する新グレゴリス暦へ変更した。ウクライナ正教とロシア正教、セルビア正教は、ユリウス暦の12月24日に当たる、新グレゴリス暦の1月6日に、キリスト生誕前夜祭を行う習慣があった。同じ宗派でも、ギリシャ正教とブルガリア正教は、グレゴリス暦の12月24日に、クリスマスイブの礼拝を行っている。

 現地時間24日の午後5時頃、世界遺産に登録されたキーウ市のペチェルスク修道院に、礼拝者が続々と集った。戦時下の中で、キーウ市民は、空襲警報を気にしながらも、日常を送っている。前線で戦っている兵士も、イブの日に休暇をとって訪れていた。人々の想いは、領土回復と終戦である。

写真=12月22日にキーウ市にて(共同)掲載元 THE SANKEI NEWS 2023年12月23日付 https://www.sankei.com/article/20231223-WG6FTEJFYZJ3VEBE7FX64CTUYQ/
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 将来の国を背負う子供たちも傷を負う。昨2022年に続き、国内ではひっそりと室内でイベントが行われていた。ロシア軍によって占領されたマリウポリからキーウに避難した子供たちは、22日のクリスマス集会にて、日本から送られたお菓子やおもちゃを受け取った。当日モミのツリーに飾り付けを行い、しばしの間戦争の不安から開放されていた。

 領土を巡る攻防により、ウクライナの成人男性は、命の危険を犯して、前線で戦っている。ロシア軍の占領から免れたキーウといえども、人々は心の傷を抱えながら、家族や親戚と共に、聖夜を過ごしていた。

 戦況の方では、実際苦しい戦いを強いられている。ロシアが全域制覇を狙うドネツク州にて、ウクライナ軍総司令官ザルジニー氏は12月26日に、マリインカ中心部の部隊を北部に移したと、報告した。事実上要衝マリインカからの撤退を認めたことになる。膠着した展開の中、ロシア軍が、一歩前進した結果になった。ウクライナは、一矢報いるべく、クリミア半島南部のロシア軍の大型揚陸艦を破壊したと発表した。ドネツク州のもうひとつの拠点であるアウディーイウカでもウクライナ軍は劣勢を強いられている。総司令官自身の口から2ヶ月から3ヶ月以内に失う可能性が高い、と窮状を訴えた。西欧諸国の支援が先細りすると、国内に兵器の生産体制が整っているロシア軍に有利に働く。

 ウクライナの支援に回るイギリスは、戦況について膠着しているとの見方を否定していた。シャップス国防相は26日、SNSで、過去4か月でロシアの黒海艦隊の20%が破壊されたと指摘し「ウクライナでの戦争がこう着状態にあると信じている人々が間違っていることを示している」と投稿した。艦隊の爆破は、2022年4月23日の黒海に浮かぶモスクワ以来の成果である。ロシア軍は、クリミア半島の港を攻撃されることにより、交通の要衝である沿岸部の制覇が遠のく。ウクライナは、長距離ミサイル砲を駆使して、ロシア軍の軍事拠点を叩いていた。ただし戦況を大きく変えることはできず、冬場の攻防には作戦の練り直しが求められている。

 詳細 ウクライナのクリスマス ドネツク州やクリミアでの攻防 NHK NEWS WEB 2023年12月27日付け https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231227/k10014301111000.html

 年明けに向けて、両者報復の度合いを強める。12月29日に、2023年最大規模のミサイル攻撃が、ウクライナ全土にあった。イーホル・クリメンコ内相は、同日に民間人の死者数は少なく見積もって39人、負傷者160人と明らかにした。首都キーウでは、学校にもミサイルが着弾し、多数の民間人の被害が報告されている。ウクライナメディアによると、死亡者23人、負傷者130人である。ロシア軍は、相手の反撃の芽を摘むべく、2022年と同じく、無誘導ミサイルを駆使して、インフラ破壊を狙う戦法を使った。冬場、人々は停電のリスクを抱えながら、寒さを凌いでいた。ゼレンスキー大統領は、激戦地アウデーイウカを視察し、司令官から戦況について説明を受ける。前線の兵士には激励した。

 侵攻から1年10ヶ月、戦場はウクライナのみにとどまり、国土は荒れていく一方である。ロシア側も無傷では済まされない。国境沿いのロシア南西部ベルゴロド州にて、侵攻開始以来、何度か爆破事件が起こっていた。12月30日、州都ベルゴロド市にて、ウクライナ軍が発射したとみられるミサイルが、中心部に着弾した。

 写真=30日、ロシア西部ベルゴロドで、砲撃を受け炎上した車を消火する消防士(ロシア非常事態省が公開)(EPA時事)
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ビャチェスラフ・グラドコフ知事は、警察当局からの報告を受けて、自身のSNSにて、死者24人、負傷者130人と書き込んだ。年末になり、両国の間で報復の度合いが激しさを増している。





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