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2024年01月23日16:50

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「ゴールデンカムイ」

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イトショーで映画『ゴールデンカムイ』を観て来た。家人に薦められて、原作漫画を30話ほど読んだことがある程度なので、熱烈な原作ファンではないが、いったい、どのように映像化されたのか興味があって出かけて来た次第である。正直なところ、それほど期待もしていなかった。これが本音だ。

 満州派遣軍の第七師団を満期除隊した主人公・杉元佐一は北海道に渡る。原野を流れる川で砂金を探すが、さっぱり見つからない。その様を見ていた酔っ払いが杉本を笑い、酔った勢いもあり、「砂金採りなどより、もっと面白い話が聞きたくないか」と砂金にまつわる伝説について話し出す。それは、今を去る数十年前。北海道のあちこちの川で小豆大の砂金がごろごろと採れていた頃の話だという。北海道の開拓を進め、自然を破壊して昔ながらの生活を脅かして行く和人(日本人)へアイヌたちの反感が高まっていた。アイヌたちは砂金を溶かして金塊にし、それを軍資金として「来るべき和人(日本人)との戦い」に備えて隠すことにした。その額は、現代の貨幣価値で80億円。しかし、「のっぺら坊」と呼ばれるひとりの日本人が金塊輸送のアイヌ集団を襲い、強奪。アイヌたちは皆殺しにされてしまった。「のっぺら坊」は金塊を秘密の場所に埋めたが、官憲に逮捕され、網走監獄へ収監される。官憲は拷問によって金塊の行方を白状させようとするが、「のっぺら坊」は頑として口を割らない。やがて、金塊を山分けすることを条件に、「のっぺら坊」は網走監獄で知り合った囚人たち24人の身体に刺青をする。それは、24人全員の刺青がそろった時、初めて「金塊を埋めた場所」が判明する暗号だった、というのだったが・・・。

 映画冒頭、主人公の杉元佐一が「不死身の杉元」と呼ばれることとなる二百三高地の激戦が描かれる。これが予想をはるかに超える素晴らしい出来で、いっぺんに物語に引き込まれてしまった。重機関銃弾を浴びても、小銃弾を受けても、銃剣で刺され爆風に飛ばされても、杉元は何度でも立ち上がり、戦い続ける。この戦闘シーンをあと5分でも10分でも良いから観せてほしいと思うほど、杉元の激闘は凄まじい。満身創痍になっても走り、跳び、躍動するこのめちゃくちゃな序盤があるからこそ、「不死身の杉元」の呼び名に説得力が出た。正に、「つかみはOK!」だ。杉元を演じる山崎賢人の雰囲気も原作に近くて、なかなか良い。驚いたのは、杉元と金塊捜索の相棒となるアイヌ人少女アシリパを演じた山田杏奈だ。山崎賢人の杉本以上にうまくはまっている。これは原作漫画ファンも文句のつけようがないだろう。素晴らしいキャスティングだ。 

 杉元とアシリパを追い、金塊争奪戦に加わるのが、鶴見中尉率いる第七師団の歩兵部隊だが、狂気の将校・鶴見中尉を演じるのがなんと、玉木宏。これがまた、笑ってしまうくらい凄い!! とにかく、やること成すこと、ぶっ飛んでいる。さらには、網走監獄を脱獄した土方歳三ら、旧幕府軍の新選組メンバーが金塊争奪戦に加わり、三つ巴の様相を呈して行く。老いた土方歳三を演じる舘ひろしが予想外の好演で感心した。原作漫画のコミカルなところもしっかり継承し、ド派手なアクションも多いので大いに楽しめた。お薦めである。



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