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2024年01月13日08:45

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美術館の常設展のお話…上手に活用して知識を深め鑑賞眼を養いたいと感じました

 常設展を上手に活用すれば美術について学び知識を深め鑑賞眼を養うのに役立ちそうだな,ということを感じさせられました。

 美術館というと僕たちは「美術品を展示する所」と考えがちですが,本来は美術品を収集・保存し研究や教育普及活動を行うための施設であって,展示というのはそうして所蔵された美術作品を教育普及のために一般に公開しているというのが本来の姿です。ですから常設展を観ればその美術館がどんなジャンルに注力しているかも一目瞭然ですし,各美術館の個性が現れるのも常設展のほうだといえます。したがって美術館の本来の姿は常設展だ…と言ってしまいたいところなのですが,現状はそうはなっていませんね。東京・六本木の国立新美術館のようにそもそも作品を所蔵していない美術館すらありますし,それは極端にしても作品を所蔵してはいるが常設展を行うスペースが無い美術館も少なくありません。そうした常設展を行うスペースの無い美術館では,時に自らの所蔵する美術品を展示する企画展が開催されています。

 そのような企画展専門の美術館すら珍しくないことからも明らかなように,我々美術ファンの中にも常設展に積極的に足を向ける人というのはあまり居ないのが実情です。僕は上野の国立西洋美術館や東京国立博物館が好きで頻繁に足を向けていますが,やはりお目当ては企画展ということの方が多いのが実情です。たまに企画展鑑賞が予定より早く終わって常設展も鑑賞したり,或いは初めから常設展目当てで訪ねたりすることもありますが,たとえ企画展が超満員という時であっても常設展はガラガラということが殆どです。どちらも貴重な作品を数多く所蔵する優れた美術館で常設展も大変な充実ぶりなのですが,そちらに目を向ける人はあまり多くないようですね。

 こちらの記事によると,美術館の運営スタッフも来場者が常設展を軽視しがちであることを把握しているし,この好ましくない状況を是正しようと努めているようです。茨城県天心記念五浦美術館でも常設展のガイドツアーを開催したり一般来場者向けの鑑賞ワークショップを行ったり,或いは最近のSNSブームを踏まえてということか写真撮影を解禁したりといった努力が行われていることが紹介されています。
 実は僕も天心記念五浦美術館には何度かお邪魔しておりますが,常設展についてはあまり記憶がありません。やはり企画展ばかり観ていて,常設展はろくに観ていなかったということなのでしょう。しかしこちらの記事によると同美術館の常設展は「天心の資料を中心に構成されるコレクションをひろく公開し、天心の業績を紹介する」「年6回程度の展示替えを行いながら、直筆の書簡資料などを展示し、天心の生きた時代を感じてもらえるよう努めている」とのことで,五浦で活躍した岡倉天心や日本美術院の画家たちの活動や作品についての知識を深めるのに好適な場所と言えそうです。それも漫然とただ観るのではなくガイドツアーやワークショップなどといった形で専門家の指導を受けながら知識を深めることも出来るようで,これは僕のように正規の美術教育を受けたことの無い者にとっては見識を深める絶好の機会にもなるのではないかと感じさせられます。

 そのような常設展の充実化を図っているのは茨城県天心記念五浦美術館だけではないでしょう。そういえば,国立西洋美術館では常設展にもオーディオガイドが用意され,それを聴きながら鑑賞することで演じ作品のみならず西洋美術についても知識を深められるようになっていることを思い出しました。
 今回,せっかくこちらの記事で常設展の意義とそれの充実活性化への取組について知ることが出来たのですから,今後は積極的に各美術館の常設展を鑑賞していきたいということを思っています。僕は美術鑑賞が好きなのに知識も鑑賞眼も一向に進歩しないことに失望と焦りとを感じておりましたが,或いは常設展での学習・鑑賞によってその問題を解決することも叶うのではないかなどとも期待しているところです。



<いづらだより>(25)悩み尽きない常設展
https://www.tokyo-np.co.jp/article/301181
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