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2023年12月05日10:48

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ゲゲ泣き必至!なんにも良い事が起きない妖怪無惨ミステリー「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」

劇場で予告を何度も観ましたが、興味ねえ!と思っていました。
ところが、ところが。
やたら良い評判が聞こえてくるじゃないですか。
まあ、そのぐらいじゃ無視できますが、「胸糞」「横溝正史」という単語は聞き捨てなりません。

逆にこうなると自分の案件と言うか、「お前が行って確かめるのだ」という発令が出された気になってしまい、悩みはしたものの観てきました。
いや、全部本当でした!
思った以上に「胸糞」で「横溝正史」でした。
おまけに盛大にゲゲ泣きしてしまいました・・・。
ただの優良な客です。

そうは言ってもゲ太郎だろ?
そう思いますよね。
ちなみに、父親は鬼太郎の事を常にゲ太郎と呼んでいました。
ゲゲゲと来たらゲ太郎になると思うのが普通です。
ゲタも履いているし。
そもそもゲゲゲって何ですか?
「ゲタ」「芸達者」「ゲイ」の特徴を兼ね備えているから?
ゲゲゲの謎・・・についてはあんまり分からない内容でした。

いや、舐めない方が良いです。
舐めるのはネコ娘だけで良い(本作のネコ娘はモデル体型!好き!)。
本当に、こちらの心をポキリ、ポキリと折り続け、おいおいそこまで執拗に最悪な展開にするのかよ、と頭を抱えるほどです。
様々な映画の鬱展開を集めて、お弁当箱にきれいにみっしりと詰めたみたいな映画です。
「メイド・イン・アビス」よりは多少マシ、くらいに思っていた方が良いでしょう。

鬼太郎のアニメは、子供の頃からまあまあ観ています。
よく観たのは第3期、吉幾三(日本語ラップの創始者)の歌う主題歌のやつです。
80年代テイストの、明るく暴力的な内容だったと思います。
あと、日曜の朝にやっていた第5期も結構観ていました。
ネコ娘が急激にギャル化した画期的な作品でしたが、内容も面白かったと思います。

電気グルーヴが主題歌をやった「墓場鬼太郎」も観たはずですが、内容はあんまり覚えていません。
しかし、今回のこの映画、鬼太郎誕生が描かれる墓場鬼太郎よりさらに前、目玉のオヤジがイケメンだった頃のお話なのです。
なので、鬼太郎はほとんど出てきません(ネコ娘も)。

本編が始まると、「あれ?犬神家の一族のアニメ版が始まった」と誰もが思うはずです。
田舎の権力者の死!遺産相続でいがみ合う親族!弁護士!手漕ぎボートまで!
もちろん、猟奇殺人も次々起こります。
地井武男の生首は出ませんが、目玉を潰す残酷な死体アリ。
戦争の影響やキチガイの登場は「獄門島」、鍾乳洞とか、都会から来た男が村の女性を助けるために奮闘する展開は「八つ墓村」と、鬼太郎より圧倒的に横溝正史要素が濃厚です。

あと、詳しくは言えませんが、明かされる惨い真相も横溝のやつです。
ウルトラ怨念話です。
妖怪の話なのでトリックとかはありませんが、それ以外はもう、大体そんな感じ。
さらにさらに、終盤はもっと別ベクトルでの壮大な大残酷計画まで登場して、絶対に観客を元気な気持ちで家に帰さないという意気込みを感じました。
酷いなあ!

ぬりかべとか一旦木綿みたいな、呑気な妖怪も全然出てきません。
ねずみ男みたいなのはいましたが。
ネコ娘は(以下略)。
楽しい妖怪退治を期待した子供はどうなのでしょう。
でも、案外子供って、こういう残酷な話にグッとくるものです。
僕も小中学生の頃から金田一の映画を観ていましたから。
もっとこういう気持ち悪いのが観たい!
子供がそんな風に言いだして、閉口する親もいるのでは?

今の日本は「新しい戦前」と言われていますが、過去の日本を描いている様で、実は今の日本にもピッタリ当て嵌まる様な内容になっていると感じました。
一部の権力者のために、妖怪だろうと人間だろうとじゃんじゃん生贄にされ、その養分とされる世界。
ターゲットは弱い存在、つまり子供から狙われます。
別に、今の現実を作品に反映する必要はないのです。
今の日本が、これまでの漫画や映画で描かれたディストピアになってしまっただけだからです。

墓場鬼太郎の鬼太郎誕生譚が元になった映画なのですが・・・。
映画を盛り上げすぎたため、これであの内容に繋がるかな?とは思います。
さすがに苦しいか。
もう、その辺も含めて作り替えてしまっても良かった気がします。
ネコ娘もデッカくなったし(過去のネコ娘と比較したらすごい成長です)。

あまりに陰惨な内容なので、短編を付けたら良かったのでは。
主人公はもちろん、ネコ娘。
彼女がマシンピラティスで鬼ダイエットをするとかいった陽気な話だったら、本編とバランスが取れたと思います。
あとは鬼太郎がタバコ喫ったり唄ったりして、楽しくやってるところが見られればね。

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