mixiユーザー(id:1506494)

2023年11月21日20:32

17 view

シモン・ボッカネグラ@新国立劇場オペラパレス

既に過去何回かmixiネタにしていますが、この作品を初めてナマで観たのは1981年
ミラノスカラ座引っ越し公演でした
初演が不成功に終わったこのオペラ、24年後に改訂して成功したそれからちょうど
100年後の記念すべき年にカップチルリのタイトルロール、ギャウロフのフィエスコ
にフレーニのアメーリアというドリームキャストをアッバードが振るという、それ
以来のナマ舞台であります(待つこと暫し)

この間にドミンゴがバリトンロールで歌ったMETのLVが2010年、その7年後にアンコ
ール上映で観ており、またスカパーのクラシカジャパンでレオ・ヌッチによる公演も
観ております(昨日再観しました)

というわけで、めったに上演されない(二期会でも藤原でも過去に各1回ずつ)レア
な作品ですが、なにしろ音楽的にも繊細で叙情的かつドラマティックという、これぞ
ヴェルディみたいなオペラですから、今回は期待を持って臨みました

既に東条さんがコンサート日記にお書きになっているとおり、これはヒットです
いつもは辛口の評をするしかない東フィルさんが、どうしちゃったのというくらい破
綻がなく、第二幕パオロの断罪の場のトロンボーンも、第三幕のホルンの重奏も、
やればできるじゃんという感じ

ピット内がこれですからキャストもまた上出来で、スカラ座のドリームキャストは
忘却の彼方ですが、本日新たな歴史が刻まれたと言って過言ではありません
日本でもヴェルディ・バリトンが生まれてきたのですから、今後上演される機会が
増えるのではないでしょうか

本日日本人キャストの中ではピエトロというパオロの使いっ走りみたいな役でしたが
須藤慎吾さんが、ヴィブラートが多めでハウリングを起こしたようなパオロよりは好
ましく感じました(同胞びいきかな)
シモンのカヴァーキャストでもあるということなので、今後本公演も期待できますね

演出はちょっとわからないところもある、ただ実在の人物が登場し、歴史上の出来事
にも言及されるため小賢しい時代設定読み替えが利かないところはよかったです
冒頭、パオロに命じられてピエトロが集めてきた平民派たちが四つん這いで動くのは
新しい試みかとも思いましたが、ここの場面だけでしたね
また火山を逆さに吊した舞台装置も演出ノートを読まなければその意図がわからない
というのもどんなものでしょうか

舞台中央の床がせり上がったり沈んだりするのは、人の世の浮き沈みを象徴している
のかな(これは演出ノートにも書いていないので、こちらの勝手な邪推です)

高潔の士シモンは卑劣漢パオロに毒殺されてしまいますが、その後継者に指名された
のが娘アメーリアとの婚姻を許された政敵ガブリエーレで、しかしこの新体制も前途
多難であることを暗示するような黒い太陽で幕切れとなります

2階席は空席が目立ちましたが、見下ろすと1階席は満杯状態
オペラパレスに久しぶりにBravo、Brava、Braviが溢れました

終演後は(バックステージツアーの選に洩れたため)いつもの築地食堂源ちゃんで
まずはポテサラをアテにホッピーセット、中身をお代わりして鯖の味噌煮定食を完食
いたしました

今年のBest5に入りますね(オペラが、ですよ)
2 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2023年11月>
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930