mixiユーザー(id:1506494)

2023年11月16日19:45

28 view

こまつ座公演 連鎖街のひとびと@紀伊國屋サザンシアター

21年ぶりの再演だそうです(初演も鵜山さん)
当時のワタシのスケジュール帳を見ますと、まだサラリーマン真っ盛りで連日会議や面
接や出張でしたし、週末はバンドを二つ掛け持ちで、拝観することはありませんでした

今回たまたま紙屋町さくらホテルの台本に併載されておりましたので、事前に目を通し
ておきました(ネタバレになってしまいますが、それよりも台本の指定と演出がどの
ように異なるかの方が興味が湧きます)

いやぁ演出家の仕事ってすごいものですね
井上ひさし氏はシェイクスピアとは違って、結構細かくト書きを指定しておられますが
具体的な立ち位置とか動き方、台詞を喋ってないときの反応の仕方なんていうのは演出
家の領分です(いつもながら鵜山さんの演出は立体的です)

シロートのワタシが台本に目を通しただけではわからない、作者の言いたかったこと
さらには言えなかったことを引き出したり、なんていうのを目の前に見せつけられま
すと、ただただ屈服するしかありません

この芝居は、「マンザナ、わが町」や「紙屋町さくらホテル」のように芝居の中で芝
居を演ずる、しかもそれは戦時下であるという井上さん流の演劇論になっています
書かれた当時の日本も、今も戦闘状態ではありませんが、置かれた状況はあまり変わっ
ていない、こんな時代に演劇は何をなし得るかという問題提起でありましょう
それはまた、こんな状況に誰がしているのかという告発でもあります

新劇作家と大衆演劇作家が、限られた時間で台本を仕上げなければならないと苦吟する
コメディータッチではありますが、そこは井上さんらしく、かなりナマな声が聴けます
しかしそこをミュージカル仕立てにして、またシェイクスピアやチェーホフやモリエー
ルのパロディを差し挟みながら客席を沸かせます
しかし手拍子も起こった最後の最後、役者たちがステージの最前方に立って見せた表情
は、例えば「圓生と志ん生」や、なかにし礼氏作の「赤い月」のときのような望郷の
念というべきもので、深く心をえぐられました

終演後アフタートークがあり、今日は鵜山さん単独で、例によって「鵜山語」で語る
本人によれば「易しいことを難しく語る」、しかし芝居を観た後ですからワタシなりに
わかったような気になりました

すべて終了したのが16時半、夕食には少々早いのですが、なにしろ13時開演ですから
昼飯抜きです、やよい軒さんでしまほっけと鯖の塩焼き定食にハイボールを付けて

今年の鵜山さんの舞台はこれで最後と思ったら、本日受け取ったチラシの中にNLT公演
「二階の女」という獅子文六原作飯沢匡脚色、もちろん鵜山仁演出というのがありまし
たので、さきほどぴあで購入しました
2 1

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2023年11月>
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930