単純明快な映画だとは思いましたが、ここまで単純とは。
何故か全然死なないジジイが、ナチスを殺すお話。
それだけ!
それは良いのですが、ナチスの方々、序盤に登場した数人が最後まで頑張るのですね。
もっとジジイが飛んだり跳ねたりして大量のナチを殺すのかと思ったら、割と小競り合いの様なスケールの小さいお話でした。
しかも、別に復讐とかじゃなく、ジジイが掘り当てた金塊を奪おうとするのに対抗するだけです。
思っていた様な映画のみたいで、割と違った感じでした。
静かに、ネイチャー系の映画みたいな感じで始まるものの、ナチスをブチ殺すシーンで一気にバカ映画への転身、と言うか本性を現します。
待ってました!
いいぞ、どんどん殺せ!
そんなタイプの観客のみを想定した、痛快娯楽アクション映画です。
面白い映画が始まった!と楽しく観ていましたが、あれ?
このジジイ、全然死なない。
まあ主役だから死なないのは当たり前。
シュワもスタローンもステイサムも、永遠に死にません。
でも!
これなんで死なないの、の疑問が徐々にさざ波に、それが大波に、そして津波となって襲ってきます。
実はジャーン!
こんな秘密がありました!
・・・そんな種明かしもありません。
シュワもスタもサムも、一応嘘でも死なない理由はあります。
運が良いから。
筋肉が守るから。
色々敏感で、危機管理能力が高いから。
でも、この映画では確実に死んで当然な状況でも死なない!
ナチスの方々が気の毒です。
「アイツもう死んだよな?」と聞かれたら、「モチのロン、役満ッスよ!」と元気よく答えてしまうでしょう。
「アレ?死んでなかったなあ?これは想定外!未曾有(みぞうゆう)の出来事!100年に一度の災害みたいなものですねえ!はぁ、すごいなあ」
と言いながらダッシュで逃げるしかありません。
これが何度も起こるのですから。
アクションとかは良いし、上記のふざけた設定も楽しいのですが、さすがに長編映画ですから、もうちょっとドラマが欲しかったです。
成り行きで女性軍団を助けたりしても、特に交流は無いし。
普通は強いキャラの側には非力な人間がいて定期的にピンチになるものですが、この映画には一切無し・・・。
いや待て。
ボロ雑巾みたいな犬がいたな。
実際、この犬がヒロインみたいな役割なのですが・・・。
見た目は可愛らしいのですが、周辺をウロウロするだけ。
いないと思ったら、まだいる。
と、思ったらまたいない。
何より、こいつも全然死なない!
ご安心ください、犬は無事です。
やっぱり、観客の立場になる様な普通の人がいると良かったと思います。
「あんた全然死なないね!」
「その犬、ボロ雑巾みたいだね。」
「やっぱナチス恐いね。」
「いい加減、腹減らない?」
そんなセシンプルなツッコミが欲しかったかなあ。
ログインしてコメントを確認・投稿する