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2023年10月21日16:33
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緊迫するガザ情勢10月20日付 中東に影響力を増す中国一帯一路、イエメン内戦、ベルギーの首都ブリュッセルでテロ事件、EURO2024予選ベルギー対スウェーデン戦前
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今回のテーマは、最新のガザ情勢と共に、ヨーロッパのベルギーで起こったテロ事件である。水も食料も不足するガザ地区の住民は、命の危険にさらされている。一方で、イスラエルの空爆により、ガザの住民が犠牲になるたびに、ヨーロッパの国々の間でも、テロ事件が起こった。容疑者は、イスラム過激思想を持ち、犯行時や逮捕時にも、「アッラーの神は偉大なり」と叫んだという。詳しく紹介する。
目次
・ニュース1 �．�ザ情勢 10月18日付 ��日本の対応 中ロ首脳会談 ��イエメン内戦
・ニュース2 ベルギーで行われたサッカーの試合前に悲劇が起こる
ニュース１
�．�ザ情勢 10月18日付
ガザ地区では、今人道危機が叫ばれている。17日に、ガザ地区の病院にて、大爆発があり、医療従事者や患者、避難民を含め、500人が犠牲になったことが明らかになった。現地当局は、イスラエルの空爆が原因と主張する。一方イスラエル側は、過激派のイスラム聖戦が発車したロケット弾が誤って命中したのではないか、ときっぱりと否定している。
アメリカは10月12日からブリンケン国防長官がイスラエルを訪れ、その他中東諸国を訪問する。イスラエルには連帯を示したとはいえ、ガザの民間人が犠牲になったことを踏まえ、地上戦には慎重になるように呼びかけた。
国連安全保障理事会は、病院爆破事件を深刻に受け止め、日本時間の18日夜に緊急会合を開くと発表した。既にロシアは16日に、停戦を求めた決議案を提出していたものの、日米によって却下されている。反対理由は、ロシアが起草した決議案は、ハマスを直接非難する文言を含んでいなかったからである。米英は、民間人を殺戮し、人質をとるハマスを指弾していた。先に提出したブラジル案は、ハマスをテロリストと弾劾したうえで、即時停戦を盛り込んだ。決議の方は延期されている。今回ロシアは、UAEと歩調を合わせて、緊急会合の開催を要求した。
詳細記事 2023年10月18日 午前9時8分 日経新聞 https:/
写真＝2023年10月13日 ニューヨークの国連本部でアラブ諸国の国連大使らと共に声明を読み上げるパレスチナのマンスール国連代表（中央）。（時事通信社）
パレスチナのもう一つの地区、ヨルダン川西岸側に拠点を置くPLOのアッパス議長は、緊急対応を迫られた。ヨルダンの首都アンマンで１８日に予定していたバイデン米大統領、ヨルダンのアブドラ国王、エジプトのアブドルファタハ・シシ大統領との首脳会議を欠席することを決定する。ヨルダン王国は、ガザの民間人の行方を懸念し、改めて停戦を呼びかける。同国の外務省は、「今は戦争を止めること以外、話しても無駄だ」と中止の理由を正当化した。民間人の避難ルートの確保に向けて全力を尽くすと共に、支援物資を届ける準備を始める。
詳細 読売オンライン 2023年10月18日付 https:/
アメリカのバイデン大統領は、10月18日にイスラエルのテルアビブ空港に到着した。大統領専用機「エアフォーズワン」から降り立つと、ヘルツォーグ大統領とネタニアフ首相が出迎えを受けた。米国の来賓として12日に来日しているブリンケン国防長官は、中東7カ国を歴訪し、バイデン大統領より先にテルアビブに入っている。
イスラエルの大統領であるヘルツォグ氏とは、2023年7月18日に米国ワシントンD.Cのホワイトハウスに招き、会談していた。バイデン大統領は、米国でのユダヤ人コミットは揺るぎないものだと強調し、中東情勢の安定化に向けて協力することを誓っていた。
来賓の立場としてヘルツォグ大統領は、バイデン大統領に対して「友人」との言葉を使い、共に断ち切れない絆があると、連帯を示した。
ヘルツォグ大統領は、ハリス副大統領、ブリンケン国務長官、サリバン大統領補佐官（国家安全保障担当）とも会談した。
ヘルツォグ大統領とバイデン氏の会談 詳細 REUTERS 2019年7月19日付
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ヘルツォグ大統領の訪問から丁度3ヶ月、ハマスとの武力衝突による、人道危機により、バイデン氏が自らイスラエルへ向った。
政治の実験を握るネタニアフ首相と、緊急首脳会議に臨んだ。イスラエル軍によるガザ地区への空爆により、多くの民間人が犠牲になっている。アラブ諸国を初め、イスラエル軍への非難が強まる中、バイデン氏は、応援する立場を強調する。ハマスを「テロリスト」と決め付けたうえで、ガザ住民には同情的な見方を示した。「ハマスはすべてのパレスチナの人たちを代表しているわけではないことを心にとめておくべきだ」と釘をさした。
ガザ北部の病院での爆発により、500人が亡くなった事件について、バイデン大統領は心を痛めていた。国際的にはイスラエル軍の空爆との見方が優勢である。対照的に大統領は、イスラエルを擁護し、「テロリストによる誤射」ときっぱりと否定した。
病院での爆破事件の真相ははっきり分からない。確かにテロリストが、国際的に反イスラエル感情を煽るため、意図的に爆発物を仕掛けたとの見方も出ている。
バイデン大統領は、首脳会談後、イスラエル国内の被害者とその家族とも面会した。医療従事者、救助隊員と向き合い、励ましのことばを送ると共に、怪我を見舞った。
面会の最後、バイデン大統領は「苦しみが長すぎると冷酷になってしまうが、ここにいる誰もそうなっていない。皆、どのように現状に対処すべきか理解していると確信している」と述べた。
バイデン大統領とネタニアフ首相の会談について 詳細 NHK NEWS WEB 2023年10月18日付 https:/
またバイデン大統領は、首脳会合後の記者会見にて、エジプトからラファ検問所を通して、ガザ地区に人道物資を搬入することについて、ネタニアフ氏と合意に達したことを明かした。その額1億ドル（149億円）になる。エジプトも開通に応じたことにより、20日にも物資が搬入される予定である。
�◆｜罐躰麈床饕漫＾貘唹賚�計画 中国ラオス鉄道 EV車
10月18日 国連本部では、ハマスのテロ行為を非難する文言を盛り込んだブラジル案を採用し、即時停戦を求める安保理決議が行われた。日本を含め、12カ国の賛成に対して、2カ国が棄権した。常任理事国の特権としてアメリカが、反対したことにより、否決された。常任理事国は、米国、英国、フランス、ロシア、中国の5カ国である。米国は、過去にもイスラエルに不利な案が出されると、常任理国の特権として、拒否権を発動していた。
写真＝米国のリンダ・トーマスグリーンフィールド国連大使＝ロイター 掲載元 読売新聞オンライン 2023年10月19日付 https:/
常任理事国の一カ国が反対することにより、否決されるルールから、機能不全との見方もされている。
バイデン大統領がイスラエルへ訪問時、ウクライナへの侵攻を続けるロシアのプーチン大統領は、18日に中国で開催された「一帯一路巨大フォーラム」に参加した。周近平主席は、2021年にラオスに融資することにより、長距離鉄道の開通にこぎつけ、新規雇用を生み出したことを強調する。旅客車両の最高時速は160km/h（貨物車両は同120km/h）中国雲南省昆明とラオスの首都ビエンチャン間の１０３５キロを約９時間半で結ぶ。貨物輸送量は、2022年8月時点で当初計画の3分の１、ラオス側は借金をして、開業資金を捻出したことにより、収益が低ければ、返済が負担になる。国際的に、ラオスは「債務のわなに陥った」とみられている。
写真左＝ラオスの高速鉄道の路線図 掲載元 東京新聞 2023年4月12日付
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写真右＝中国ラオス鉄道の電車「CR200J 瀾滄号」（写真：古賀俊行）東洋経済ONLINE 2022年1月2日付 https:/
以下 THE SANKEI NEWS 2023年10月13日付 中国「一帯一路」１０年 「中国式」鉄道開通のラオス、過大な債務負担に直面 三塚 聖平
「中国ラオス鉄道」は、表向きには「両国の経済発展」のために開通したと説明されている。2021年12月の開業から、両国を鉄道一本で結ばれることにより、中国企業のラオスへの進出が目覚しい。終点となるラオスのビエンチャン駅は、中心部から車で30分かかる農村地帯に設けた。中国メディアによると、９月３日までの累計乗客数は延べ２０９０万人を突破したという。ビエンチャン市では、かつては農村地帯をサムローと呼ばれる乗り物が走っていた。今では、中国の電気自動車（ＥＶ）大手、比亜迪（ＢＹＤ）の車が行き交っている。国内の若者の間でも、中国製品に触れることにより、出稼ぎに行く意思が高まったという。鉄道開業により、確かに二国間の交流は盛んになった。中国の巨大経済圏「一帯一路」に加わることにより、ラオスは近代化が促進した。
鉄道を建設に当たっては、中国側が７割、ラオス側が３割出資した合弁会社の下で行われた。開通後の収益に関しては、出資額に応じて分配される。総工費はラオスの国家予算の２倍弱にあたる約６０億ドル（約８９００億円）。うち６割に当たる約３５億ドルは中国輸出入銀行からの借り入れで賄う。ラオス政府は、合併会社の経営に加わっていない。鉄道開通により、中国への経済的依存が高まっている以上、政府は見過ごすことはできない。政府は債務負担を迫られることになる。
ラオスの対外公的債務は２２年末時点で１０５億ドル、国内総生産（ＧＤＰ）比８４％とと高い。対外債務の半分は中国銀行からの借り入れである。自国通貨の暴落により、外貨建て債務返済負担の増加も懸念される。
プーチン大統領は、国際フォーラムが閉幕すると、周近平国家主席と首脳会談へ、ラブロフ氏は、王毅氏と外相会談へ望んだ。欧米による経済制裁を受けるロシアは、中国を頼りに貿易をする。中国税関総署が、2023年7月13日発表した6月の貿易統計によると、ロシアとの貿易額は、ウクライナ侵攻後最高額となる208億3000万ドルに拡大している。両国は、パレスチナのガザ地区で起こった病院爆破事件について、悲しみを共有すると共に、中東への和平について全力を尽くすことを誓った。ロシアが「特別軍事作戦」と題するウクライナ侵攻について、議題になったとみられるが、詳細は明かさなかった。両国の首脳は、3時間に渡る会談後、記者たちの前で固く握手を交わした。なおラブロフ外相は18日午後6時に北朝鮮のピョンヤンに到着し、19日から20日までの2日間にわたり、キム・ジョンウン総書記と会談に臨む予定である。
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一帯一路を推し進める中国は、中東への影響力は強い。2023年3月10日には、サウジアラビアとイランとの間を取り持った。両国の外相を首都北京に呼び、7年ぶりに国交正常化へこぎつけたのである。
詳細 NHK 解説委員室 2023年4月25日（火）付け https:/
両国は利権がらみで2016年から激しく争っていた。サウジアラビアといえば、イスラム教の聖地メッカを擁する。宗派はスンニ派、今なお王政である。
対照的にイランは、1979年に新米のパフレヴィー王政が倒れ、イスラム原理主義のホメイニによるイラン＝イスラーム革命が起こり、反米姿勢を貫く。宗派は、アゼルバイジャンと共にシーア派である。現在の政権は、ホメイニのようにイスラム原理的な考えに基づき、女性の人権を無視し、ヒジャブの被り方を巡り、厳しく取り締まる。
アメリカと協力し、西欧的な考えを持つサウジアラビアと、コーランの教えを大切にするイランは、互いに宗派や政治体制の違いから、歩み寄れなかった。両国の覇権争いは2003年頃に始まった。アメリカとイギリスの合同軍によるイラク侵攻により、フセイン政権が倒された。アメリカとイギリスの傀儡政権が樹立すると、反発する勢力との間で度々武力衝突が起きた。イラク国内の秩序が乱れると、入り込む余地がある。イラク西部からシリア、レバノンに跨る肥沃な三日月地帯をイラン側が収め、利権を握ったのである。
一方的に他国の領土を占領したイランに対して、スンニ派のサウジアラビアは激しく抗議した。2016年1月に、報復として、国内のシーア派の指導者を、テロの容疑者として起訴し、裁判にかけて、処刑したのである。シーア派への弾圧行為と判断したイラン側は、同国のサウジアラビア大使館を襲撃した。
互いに、報復感情を抑えられず、国交を断絶した。中東地域に影響力を持つアメリカは、サウジアラビアに肩入れし、イランに対して睨みをきかす。サウジアラビアとイランの間で緊張関係が高まると、それぞれ各国の内戦に介入し、同じ宗派を支援する。顕著に現れたのは2015年から現在もつづいているとされる「イエメン内戦」だった。原因は、宗派の違いにある。2011年から2012年にかけてアラビア半島から北アフリカにかけて広がった「アラブの春」により、イエメンでも民衆による放棄が起こっていた。1978年に北イエメン時代から国を統治したサーレハ大統領率いる政府軍と、民衆達が衝突した。政府側は、手厚い社会保障政策を打ち出して、和解を迫ったものの、デモ隊弾圧行為により、信頼を得られなかった。2011年末に、アラブ諸国の調停機関湾岸協力会議と米欧の調停案を受け入れて、サーレハ大統領は辞任する。2012年に代わりに大統領の座についたのは、副大統領から昇格したハーディーだった。サーレハ体制に意義を唱える国民のボイコット運動により、出馬はただ1人、得票率66％まで下がっていた。ハーディーは、大統領として権力を握る。一方、反政府勢力として、国内では秘かに武装組織が出来上がっていた。前サーレハ大統領と結託して、2015年1月22日にフーシ氏が、クーデターを起こす。ハーディー暫定大統領とハーリド・バハーハ首相を辞任に追い込んだ。2月6日に、ムハンマド・アリ・アル・フーシーが大統領職についたと宣言した。首都サヌアから追放された大統領と首相は、政権奪取を試みた。2月21日に、避難先のアデンから首都サヌアを目指して攻撃を仕掛けたのである。サヌアにとどまるフーシーとの間で戦争状態になった。スンニ派のハーディー大統領のバックにはサウジアラビアが、サヌアに居座った大統領を名乗るフーシーを、イランが支援した。第3の勢力として、アラビア半島のアルカイダと呼ばれるアンサール・アル＝シャリーアも加わり、ひそかに土地を奪取する。2016年9月6日、アラビアのアルカイダにより、南部地域で外国人の人時事事件が起こると、両政府間で一時的に停戦する。10月4日に救国政府を樹立し、アラビアのアルカイダと戦う。2017年2月に南部の港を制圧し、アラビアのアルカイダを駆逐した。2017年4月に、アデン市を本部にUAEの支援を受けて、南部暫定評議会が発足する。ハーディ大統領に知事食を解任されたアイドルース・アッ＝ズバイディー氏がトップに立つ。
ハーディ大統領とフーシー派の戦いは、小康状態になった。フーシー派は、サウジアラビアのリヤドへミサイルを発射するなど、権力基盤安定化へ向けて、軍事行動を続ける。UAEに対しても、報復感情を抱く。2022年1月末フーシー派は、イランから支援を受けたのか、1000km離れたUAEへミサイル攻撃を仕掛けた。UAEはミサイルやドローンの迎撃に成功し、大きな被害を出していない。なお前サーレハ大統領は、フーシー氏と歩み寄れず、サウジアラビアと和平を働きかけたていた。同政府から2017年12月3日に、裏切り行為を理由に暗殺された。享年70歳。
2022年4月2日に国連の仲介により、一時停戦をこぎつけた。同年6月と8月に、政府間で2ヶ月ずつ停戦期間を延長している。結果的にイエメンは、三つ巴の争いにより、国家が分断する無法地帯となった。国連は22年3月の報告書で、内戦による死者が37万7千人に上ると推計した。このうち約4割を占める戦闘による死者のほか、食料不足や病気による犠牲者が多数に上るとして「世界最悪の人道危機の一つ」と警鐘を鳴らしている。
写真＝イエメン内戦の勢力図 掲載元 GNV 2022年7月14日付 https:/
7年ぶりにイランとサウジアラビアの国交が開通することにより、中東情勢の安定化も期待される。2023年3月6日に、中国にてサウジアラビアのファイサル外相と、イランのアブドラヒアン外相が会談を行い、正式に和解した。北京協議による合意文書によると、国交の回復と共に、両国間で2ヶ月以内に大使館の運営再開の文言が盛りこまれた。中東情勢が不安定化すると、エネルギー供給が不安定になり、一帯一路構想は頓挫してしまう。中国は、中東の治安維持に貢献することにより、自国の民族問題に対して、西欧からの追及を避ける狙いもみえる。いまやアメリカに変わる大国として、中東に影響を及ぼしている。
ガザ地区の病院爆破事件により、世界各国で、アラブ人とユダヤ人の間で溝が深まった。アラブ人によるテロ行為も耐えない。19日には、ガザ北部のギリシャ正教会の近くで空爆があり、避難していた子供や女性8人が犠牲になったと、現地パレスチナ通信局が報じた。同日PLOが統治するヨルダン川西岸地域でも動きがあった。現地保険省によると、北部にあるヌールシャムス（Nur Shams）難民キャンプに対するイスラエルの「攻撃」で民間人7人が殺害されたと明らかにした。イスラエル政府によると、武装勢力と銃撃戦に発展したことにより、空爆を行ったと正当性を訴えている。10月7日に、突如イスラム原理主義政党ハマスのイスラエルへの軍事行動は、世界を巻き込み、民族問題へと発展した。イスラエルの北部と国境を接するレバノン南部を実効支配するシーア派の原理主義組織ヒズボラも戦いに加わっている。18日には、国境沿いでは既に戦闘状態に入っている。ヒズボラは、対戦車ミサイルを発動し、イスラエル軍4人を負傷させた。イスラエル軍は、越境を試みた5人のヒズボラ隊員を殺害した模様である。戦火が拡大すると、混乱は大きくなる一方である。
一連の事態を受けて、左派・ブラジル労働者党に属するルラ大統領は、国連に提出した避難決議案を公表した。報復行為に走るイスラエルの空爆を「ジェノサイド」や「戦争犯罪」と糾弾している。イスラエル側は、激しく反駁した。「家々を一家ずつ周り、見つけ次第家族を皆殺しにするハマスのようなテロ行為には及んでいない」ときっぱりと否定する。ルラ大統領は、民間人の退避ルートを作成するため、全力を尽くしている。
詳細 ルラ大統領 AFP BBC NEWS 2023年10月18日付 https:/
イスラエルとハマスの攻防は長期戦の様相を呈している。
過去のガザ情勢に関した日記
10月15日付 第4章 イスラエル軍とハマスの戦い
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以下 2023年5月16日付け 78年のエジプトイスラエル和平について
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ニュース２ ベルギーで行われたサッカーの試合前に悲劇が起こる
詳細記事 詳細 FNNプライムオンライン 2023年10月17日付 https:/
所変わってベルギーでも事件が起きた。巻き込まれたのは海外からの入国者だった。現地時間10月16日、2024年6月から7月にドイツで開かれる男子サッカーのヨーロッパの祭典「EURO2024」の出場権をかけた予選が同国の首都ブリュッセルで行われた。既に予選突破を決めているベルギーが、スウェーデンを出迎え、キックオフする。アウェーのスウェーデンサポーターも集る中、事件が起きた。
午後7時ごろ、スタジアムの外で、発砲音がとどろいた。後にタクシーに乗車していた2人のスウェーデン人が死亡し、一人が怪我したという。
母国応援のため、タクシーでスタジアムへ駆けつける途中、巻き込まれたとみられている。
現場から逃走した犯人の男は、事前に動画で声明を出し、「イスラム国」の名を口にしたという。
犯人を特定しながら、逃走中だったことを受けて、試合の進行にも影響が出た。1対1のスコアで前半を終えた際、一連の事件により、安全確保の面から、「中止」の決断が下されたのである。逃走した犯人は、スウェーデンのサポーターを標的にしたとみられている。スタジアムの外でも、警備員を増強し、万全の体制を整えた。スウェーデンサポーターには、試合翌日の午前4時までスタジアム内で待機させたという。
写真 掲載元 GOAL! 2023年10月17日6時43分付け https:/
スウェーデン人選手は、ハーフタイムのロッカーで、事件について伝えられると、プレー続行不可能な程、深く心を痛め、沈み込んだという。大会を主催するUEFAを通して、後半のピッチに立てない意思を表示すると、対戦国ベルギーの選手も同意して、前半のみで試合打ち切りとなった。後日、日程を改めて後半戦が行われるのか、明らかになっていない。
詳細 写真掲載元リンデロフのインタビューについて GOAL！2023年10月18日:12時23分
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中断ゲームの翌日、スウェーデンの主将リンデロフは、ハーフタイム時の選手達の心境を語った。「家族や友人が来ていた選手たちもいたし、僕たちはファンを気にかけたかった。家族や友人が来ていた選手たちは彼らが大丈夫かどうか連絡を取りたがっていた。みんなが心配していたけど、僕たちのセキュリティチームはとても上手く対処していた」
またベルギーの選手達に対して、自分達の気持ちを汲み取ってくれたと、感謝の意を示した。
試合の翌日リンデロフはX（旧ツィッター）で、事件の被害者への思いと共に、ベルギーの選手やサポーターについても以下の内容のメッセージを投稿した。
「同郷のスウェーデン人に対する冷酷な攻撃によるブリュッセルでのひどい事件にとてもショックを受けたし、ひどく打ちひしがれている。この残酷さに言葉を失った。被害を受けた方の家族や友人に哀悼の意を表したい。同時に、昨夜にベルギーにいたすべてのサポーターへも思いを送る。誰一人としてフットボールの試合に行って危険を感じるべきではない」
なお同じUEFA(ヨーロッパサッカー連盟）に加盟するイスラエル代表は、10月12日のホームでのスイス戦、15日のアウェーでのコソボ戦の中止が発表された。UEFAはイスラエルのホームゲームを第3国で開催する旨を同国サッカー協会に通知した。イスラエルは、第4次中東戦争後の1974年にAFC（アジアサッカー連盟）を追放された経緯がある。Wカップ予選をオセアニア地区で戦っていたこともあった。1992年に正式にUEFA加盟が認められた。今イスラエル代表を巡っての対応が問われている。
日本では、近年外国人労働者が多くなっているとはいえ、ヨーロッパ各国と比べると、割合的には低い。宗教対立とは無縁な環境に置かれていた。
ハマスとイスラエル軍の対立は、ヨーロッパ各国へと飛び火し、事件による犠牲者も増えていくことが予想される。
いかに民族や宗教を超えて、共存していくのか、現代になって改めて課題を突きつけられた。
目次
・ニュース1 �．�ザ情勢 10月18日付 ��日本の対応 中ロ首脳会談 ��イエメン内戦
・ニュース2 ベルギーで行われたサッカーの試合前に悲劇が起こる
ニュース１
�．�ザ情勢 10月18日付
ガザ地区では、今人道危機が叫ばれている。17日に、ガザ地区の病院にて、大爆発があり、医療従事者や患者、避難民を含め、500人が犠牲になったことが明らかになった。現地当局は、イスラエルの空爆が原因と主張する。一方イスラエル側は、過激派のイスラム聖戦が発車したロケット弾が誤って命中したのではないか、ときっぱりと否定している。
アメリカは10月12日からブリンケン国防長官がイスラエルを訪れ、その他中東諸国を訪問する。イスラエルには連帯を示したとはいえ、ガザの民間人が犠牲になったことを踏まえ、地上戦には慎重になるように呼びかけた。
国連安全保障理事会は、病院爆破事件を深刻に受け止め、日本時間の18日夜に緊急会合を開くと発表した。既にロシアは16日に、停戦を求めた決議案を提出していたものの、日米によって却下されている。反対理由は、ロシアが起草した決議案は、ハマスを直接非難する文言を含んでいなかったからである。米英は、民間人を殺戮し、人質をとるハマスを指弾していた。先に提出したブラジル案は、ハマスをテロリストと弾劾したうえで、即時停戦を盛り込んだ。決議の方は延期されている。今回ロシアは、UAEと歩調を合わせて、緊急会合の開催を要求した。
詳細記事 2023年10月18日 午前9時8分 日経新聞 https:/
写真＝2023年10月13日 ニューヨークの国連本部でアラブ諸国の国連大使らと共に声明を読み上げるパレスチナのマンスール国連代表（中央）。（時事通信社）
パレスチナのもう一つの地区、ヨルダン川西岸側に拠点を置くPLOのアッパス議長は、緊急対応を迫られた。ヨルダンの首都アンマンで１８日に予定していたバイデン米大統領、ヨルダンのアブドラ国王、エジプトのアブドルファタハ・シシ大統領との首脳会議を欠席することを決定する。ヨルダン王国は、ガザの民間人の行方を懸念し、改めて停戦を呼びかける。同国の外務省は、「今は戦争を止めること以外、話しても無駄だ」と中止の理由を正当化した。民間人の避難ルートの確保に向けて全力を尽くすと共に、支援物資を届ける準備を始める。
詳細 読売オンライン 2023年10月18日付 https:/
アメリカのバイデン大統領は、10月18日にイスラエルのテルアビブ空港に到着した。大統領専用機「エアフォーズワン」から降り立つと、ヘルツォーグ大統領とネタニアフ首相が出迎えを受けた。米国の来賓として12日に来日しているブリンケン国防長官は、中東7カ国を歴訪し、バイデン大統領より先にテルアビブに入っている。
イスラエルの大統領であるヘルツォグ氏とは、2023年7月18日に米国ワシントンD.Cのホワイトハウスに招き、会談していた。バイデン大統領は、米国でのユダヤ人コミットは揺るぎないものだと強調し、中東情勢の安定化に向けて協力することを誓っていた。
来賓の立場としてヘルツォグ大統領は、バイデン大統領に対して「友人」との言葉を使い、共に断ち切れない絆があると、連帯を示した。
ヘルツォグ大統領は、ハリス副大統領、ブリンケン国務長官、サリバン大統領補佐官（国家安全保障担当）とも会談した。
ヘルツォグ大統領とバイデン氏の会談 詳細 REUTERS 2019年7月19日付
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ヘルツォグ大統領の訪問から丁度3ヶ月、ハマスとの武力衝突による、人道危機により、バイデン氏が自らイスラエルへ向った。
政治の実験を握るネタニアフ首相と、緊急首脳会議に臨んだ。イスラエル軍によるガザ地区への空爆により、多くの民間人が犠牲になっている。アラブ諸国を初め、イスラエル軍への非難が強まる中、バイデン氏は、応援する立場を強調する。ハマスを「テロリスト」と決め付けたうえで、ガザ住民には同情的な見方を示した。「ハマスはすべてのパレスチナの人たちを代表しているわけではないことを心にとめておくべきだ」と釘をさした。
ガザ北部の病院での爆発により、500人が亡くなった事件について、バイデン大統領は心を痛めていた。国際的にはイスラエル軍の空爆との見方が優勢である。対照的に大統領は、イスラエルを擁護し、「テロリストによる誤射」ときっぱりと否定した。
病院での爆破事件の真相ははっきり分からない。確かにテロリストが、国際的に反イスラエル感情を煽るため、意図的に爆発物を仕掛けたとの見方も出ている。
バイデン大統領は、首脳会談後、イスラエル国内の被害者とその家族とも面会した。医療従事者、救助隊員と向き合い、励ましのことばを送ると共に、怪我を見舞った。
面会の最後、バイデン大統領は「苦しみが長すぎると冷酷になってしまうが、ここにいる誰もそうなっていない。皆、どのように現状に対処すべきか理解していると確信している」と述べた。
バイデン大統領とネタニアフ首相の会談について 詳細 NHK NEWS WEB 2023年10月18日付 https:/
またバイデン大統領は、首脳会合後の記者会見にて、エジプトからラファ検問所を通して、ガザ地区に人道物資を搬入することについて、ネタニアフ氏と合意に達したことを明かした。その額1億ドル（149億円）になる。エジプトも開通に応じたことにより、20日にも物資が搬入される予定である。
�◆｜罐躰麈床饕漫＾貘唹賚�計画 中国ラオス鉄道 EV車
10月18日 国連本部では、ハマスのテロ行為を非難する文言を盛り込んだブラジル案を採用し、即時停戦を求める安保理決議が行われた。日本を含め、12カ国の賛成に対して、2カ国が棄権した。常任理事国の特権としてアメリカが、反対したことにより、否決された。常任理事国は、米国、英国、フランス、ロシア、中国の5カ国である。米国は、過去にもイスラエルに不利な案が出されると、常任理国の特権として、拒否権を発動していた。
写真＝米国のリンダ・トーマスグリーンフィールド国連大使＝ロイター 掲載元 読売新聞オンライン 2023年10月19日付 https:/
常任理事国の一カ国が反対することにより、否決されるルールから、機能不全との見方もされている。
バイデン大統領がイスラエルへ訪問時、ウクライナへの侵攻を続けるロシアのプーチン大統領は、18日に中国で開催された「一帯一路巨大フォーラム」に参加した。周近平主席は、2021年にラオスに融資することにより、長距離鉄道の開通にこぎつけ、新規雇用を生み出したことを強調する。旅客車両の最高時速は160km/h（貨物車両は同120km/h）中国雲南省昆明とラオスの首都ビエンチャン間の１０３５キロを約９時間半で結ぶ。貨物輸送量は、2022年8月時点で当初計画の3分の１、ラオス側は借金をして、開業資金を捻出したことにより、収益が低ければ、返済が負担になる。国際的に、ラオスは「債務のわなに陥った」とみられている。
写真左＝ラオスの高速鉄道の路線図 掲載元 東京新聞 2023年4月12日付
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写真右＝中国ラオス鉄道の電車「CR200J 瀾滄号」（写真：古賀俊行）東洋経済ONLINE 2022年1月2日付 https:/
以下 THE SANKEI NEWS 2023年10月13日付 中国「一帯一路」１０年 「中国式」鉄道開通のラオス、過大な債務負担に直面 三塚 聖平
「中国ラオス鉄道」は、表向きには「両国の経済発展」のために開通したと説明されている。2021年12月の開業から、両国を鉄道一本で結ばれることにより、中国企業のラオスへの進出が目覚しい。終点となるラオスのビエンチャン駅は、中心部から車で30分かかる農村地帯に設けた。中国メディアによると、９月３日までの累計乗客数は延べ２０９０万人を突破したという。ビエンチャン市では、かつては農村地帯をサムローと呼ばれる乗り物が走っていた。今では、中国の電気自動車（ＥＶ）大手、比亜迪（ＢＹＤ）の車が行き交っている。国内の若者の間でも、中国製品に触れることにより、出稼ぎに行く意思が高まったという。鉄道開業により、確かに二国間の交流は盛んになった。中国の巨大経済圏「一帯一路」に加わることにより、ラオスは近代化が促進した。
鉄道を建設に当たっては、中国側が７割、ラオス側が３割出資した合弁会社の下で行われた。開通後の収益に関しては、出資額に応じて分配される。総工費はラオスの国家予算の２倍弱にあたる約６０億ドル（約８９００億円）。うち６割に当たる約３５億ドルは中国輸出入銀行からの借り入れで賄う。ラオス政府は、合併会社の経営に加わっていない。鉄道開通により、中国への経済的依存が高まっている以上、政府は見過ごすことはできない。政府は債務負担を迫られることになる。
ラオスの対外公的債務は２２年末時点で１０５億ドル、国内総生産（ＧＤＰ）比８４％とと高い。対外債務の半分は中国銀行からの借り入れである。自国通貨の暴落により、外貨建て債務返済負担の増加も懸念される。
プーチン大統領は、国際フォーラムが閉幕すると、周近平国家主席と首脳会談へ、ラブロフ氏は、王毅氏と外相会談へ望んだ。欧米による経済制裁を受けるロシアは、中国を頼りに貿易をする。中国税関総署が、2023年7月13日発表した6月の貿易統計によると、ロシアとの貿易額は、ウクライナ侵攻後最高額となる208億3000万ドルに拡大している。両国は、パレスチナのガザ地区で起こった病院爆破事件について、悲しみを共有すると共に、中東への和平について全力を尽くすことを誓った。ロシアが「特別軍事作戦」と題するウクライナ侵攻について、議題になったとみられるが、詳細は明かさなかった。両国の首脳は、3時間に渡る会談後、記者たちの前で固く握手を交わした。なおラブロフ外相は18日午後6時に北朝鮮のピョンヤンに到着し、19日から20日までの2日間にわたり、キム・ジョンウン総書記と会談に臨む予定である。
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一帯一路を推し進める中国は、中東への影響力は強い。2023年3月10日には、サウジアラビアとイランとの間を取り持った。両国の外相を首都北京に呼び、7年ぶりに国交正常化へこぎつけたのである。
詳細 NHK 解説委員室 2023年4月25日（火）付け https:/
両国は利権がらみで2016年から激しく争っていた。サウジアラビアといえば、イスラム教の聖地メッカを擁する。宗派はスンニ派、今なお王政である。
対照的にイランは、1979年に新米のパフレヴィー王政が倒れ、イスラム原理主義のホメイニによるイラン＝イスラーム革命が起こり、反米姿勢を貫く。宗派は、アゼルバイジャンと共にシーア派である。現在の政権は、ホメイニのようにイスラム原理的な考えに基づき、女性の人権を無視し、ヒジャブの被り方を巡り、厳しく取り締まる。
アメリカと協力し、西欧的な考えを持つサウジアラビアと、コーランの教えを大切にするイランは、互いに宗派や政治体制の違いから、歩み寄れなかった。両国の覇権争いは2003年頃に始まった。アメリカとイギリスの合同軍によるイラク侵攻により、フセイン政権が倒された。アメリカとイギリスの傀儡政権が樹立すると、反発する勢力との間で度々武力衝突が起きた。イラク国内の秩序が乱れると、入り込む余地がある。イラク西部からシリア、レバノンに跨る肥沃な三日月地帯をイラン側が収め、利権を握ったのである。
一方的に他国の領土を占領したイランに対して、スンニ派のサウジアラビアは激しく抗議した。2016年1月に、報復として、国内のシーア派の指導者を、テロの容疑者として起訴し、裁判にかけて、処刑したのである。シーア派への弾圧行為と判断したイラン側は、同国のサウジアラビア大使館を襲撃した。
互いに、報復感情を抑えられず、国交を断絶した。中東地域に影響力を持つアメリカは、サウジアラビアに肩入れし、イランに対して睨みをきかす。サウジアラビアとイランの間で緊張関係が高まると、それぞれ各国の内戦に介入し、同じ宗派を支援する。顕著に現れたのは2015年から現在もつづいているとされる「イエメン内戦」だった。原因は、宗派の違いにある。2011年から2012年にかけてアラビア半島から北アフリカにかけて広がった「アラブの春」により、イエメンでも民衆による放棄が起こっていた。1978年に北イエメン時代から国を統治したサーレハ大統領率いる政府軍と、民衆達が衝突した。政府側は、手厚い社会保障政策を打ち出して、和解を迫ったものの、デモ隊弾圧行為により、信頼を得られなかった。2011年末に、アラブ諸国の調停機関湾岸協力会議と米欧の調停案を受け入れて、サーレハ大統領は辞任する。2012年に代わりに大統領の座についたのは、副大統領から昇格したハーディーだった。サーレハ体制に意義を唱える国民のボイコット運動により、出馬はただ1人、得票率66％まで下がっていた。ハーディーは、大統領として権力を握る。一方、反政府勢力として、国内では秘かに武装組織が出来上がっていた。前サーレハ大統領と結託して、2015年1月22日にフーシ氏が、クーデターを起こす。ハーディー暫定大統領とハーリド・バハーハ首相を辞任に追い込んだ。2月6日に、ムハンマド・アリ・アル・フーシーが大統領職についたと宣言した。首都サヌアから追放された大統領と首相は、政権奪取を試みた。2月21日に、避難先のアデンから首都サヌアを目指して攻撃を仕掛けたのである。サヌアにとどまるフーシーとの間で戦争状態になった。スンニ派のハーディー大統領のバックにはサウジアラビアが、サヌアに居座った大統領を名乗るフーシーを、イランが支援した。第3の勢力として、アラビア半島のアルカイダと呼ばれるアンサール・アル＝シャリーアも加わり、ひそかに土地を奪取する。2016年9月6日、アラビアのアルカイダにより、南部地域で外国人の人時事事件が起こると、両政府間で一時的に停戦する。10月4日に救国政府を樹立し、アラビアのアルカイダと戦う。2017年2月に南部の港を制圧し、アラビアのアルカイダを駆逐した。2017年4月に、アデン市を本部にUAEの支援を受けて、南部暫定評議会が発足する。ハーディ大統領に知事食を解任されたアイドルース・アッ＝ズバイディー氏がトップに立つ。
ハーディ大統領とフーシー派の戦いは、小康状態になった。フーシー派は、サウジアラビアのリヤドへミサイルを発射するなど、権力基盤安定化へ向けて、軍事行動を続ける。UAEに対しても、報復感情を抱く。2022年1月末フーシー派は、イランから支援を受けたのか、1000km離れたUAEへミサイル攻撃を仕掛けた。UAEはミサイルやドローンの迎撃に成功し、大きな被害を出していない。なお前サーレハ大統領は、フーシー氏と歩み寄れず、サウジアラビアと和平を働きかけたていた。同政府から2017年12月3日に、裏切り行為を理由に暗殺された。享年70歳。
2022年4月2日に国連の仲介により、一時停戦をこぎつけた。同年6月と8月に、政府間で2ヶ月ずつ停戦期間を延長している。結果的にイエメンは、三つ巴の争いにより、国家が分断する無法地帯となった。国連は22年3月の報告書で、内戦による死者が37万7千人に上ると推計した。このうち約4割を占める戦闘による死者のほか、食料不足や病気による犠牲者が多数に上るとして「世界最悪の人道危機の一つ」と警鐘を鳴らしている。
写真＝イエメン内戦の勢力図 掲載元 GNV 2022年7月14日付 https:/
7年ぶりにイランとサウジアラビアの国交が開通することにより、中東情勢の安定化も期待される。2023年3月6日に、中国にてサウジアラビアのファイサル外相と、イランのアブドラヒアン外相が会談を行い、正式に和解した。北京協議による合意文書によると、国交の回復と共に、両国間で2ヶ月以内に大使館の運営再開の文言が盛りこまれた。中東情勢が不安定化すると、エネルギー供給が不安定になり、一帯一路構想は頓挫してしまう。中国は、中東の治安維持に貢献することにより、自国の民族問題に対して、西欧からの追及を避ける狙いもみえる。いまやアメリカに変わる大国として、中東に影響を及ぼしている。
ガザ地区の病院爆破事件により、世界各国で、アラブ人とユダヤ人の間で溝が深まった。アラブ人によるテロ行為も耐えない。19日には、ガザ北部のギリシャ正教会の近くで空爆があり、避難していた子供や女性8人が犠牲になったと、現地パレスチナ通信局が報じた。同日PLOが統治するヨルダン川西岸地域でも動きがあった。現地保険省によると、北部にあるヌールシャムス（Nur Shams）難民キャンプに対するイスラエルの「攻撃」で民間人7人が殺害されたと明らかにした。イスラエル政府によると、武装勢力と銃撃戦に発展したことにより、空爆を行ったと正当性を訴えている。10月7日に、突如イスラム原理主義政党ハマスのイスラエルへの軍事行動は、世界を巻き込み、民族問題へと発展した。イスラエルの北部と国境を接するレバノン南部を実効支配するシーア派の原理主義組織ヒズボラも戦いに加わっている。18日には、国境沿いでは既に戦闘状態に入っている。ヒズボラは、対戦車ミサイルを発動し、イスラエル軍4人を負傷させた。イスラエル軍は、越境を試みた5人のヒズボラ隊員を殺害した模様である。戦火が拡大すると、混乱は大きくなる一方である。
一連の事態を受けて、左派・ブラジル労働者党に属するルラ大統領は、国連に提出した避難決議案を公表した。報復行為に走るイスラエルの空爆を「ジェノサイド」や「戦争犯罪」と糾弾している。イスラエル側は、激しく反駁した。「家々を一家ずつ周り、見つけ次第家族を皆殺しにするハマスのようなテロ行為には及んでいない」ときっぱりと否定する。ルラ大統領は、民間人の退避ルートを作成するため、全力を尽くしている。
詳細 ルラ大統領 AFP BBC NEWS 2023年10月18日付 https:/
イスラエルとハマスの攻防は長期戦の様相を呈している。
過去のガザ情勢に関した日記
10月15日付 第4章 イスラエル軍とハマスの戦い
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以下 2023年5月16日付け 78年のエジプトイスラエル和平について
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ニュース２ ベルギーで行われたサッカーの試合前に悲劇が起こる
詳細記事 詳細 FNNプライムオンライン 2023年10月17日付 https:/
所変わってベルギーでも事件が起きた。巻き込まれたのは海外からの入国者だった。現地時間10月16日、2024年6月から7月にドイツで開かれる男子サッカーのヨーロッパの祭典「EURO2024」の出場権をかけた予選が同国の首都ブリュッセルで行われた。既に予選突破を決めているベルギーが、スウェーデンを出迎え、キックオフする。アウェーのスウェーデンサポーターも集る中、事件が起きた。
午後7時ごろ、スタジアムの外で、発砲音がとどろいた。後にタクシーに乗車していた2人のスウェーデン人が死亡し、一人が怪我したという。
母国応援のため、タクシーでスタジアムへ駆けつける途中、巻き込まれたとみられている。
現場から逃走した犯人の男は、事前に動画で声明を出し、「イスラム国」の名を口にしたという。
犯人を特定しながら、逃走中だったことを受けて、試合の進行にも影響が出た。1対1のスコアで前半を終えた際、一連の事件により、安全確保の面から、「中止」の決断が下されたのである。逃走した犯人は、スウェーデンのサポーターを標的にしたとみられている。スタジアムの外でも、警備員を増強し、万全の体制を整えた。スウェーデンサポーターには、試合翌日の午前4時までスタジアム内で待機させたという。
写真 掲載元 GOAL! 2023年10月17日6時43分付け https:/
スウェーデン人選手は、ハーフタイムのロッカーで、事件について伝えられると、プレー続行不可能な程、深く心を痛め、沈み込んだという。大会を主催するUEFAを通して、後半のピッチに立てない意思を表示すると、対戦国ベルギーの選手も同意して、前半のみで試合打ち切りとなった。後日、日程を改めて後半戦が行われるのか、明らかになっていない。
詳細 写真掲載元リンデロフのインタビューについて GOAL！2023年10月18日:12時23分
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中断ゲームの翌日、スウェーデンの主将リンデロフは、ハーフタイム時の選手達の心境を語った。「家族や友人が来ていた選手たちもいたし、僕たちはファンを気にかけたかった。家族や友人が来ていた選手たちは彼らが大丈夫かどうか連絡を取りたがっていた。みんなが心配していたけど、僕たちのセキュリティチームはとても上手く対処していた」
またベルギーの選手達に対して、自分達の気持ちを汲み取ってくれたと、感謝の意を示した。
試合の翌日リンデロフはX（旧ツィッター）で、事件の被害者への思いと共に、ベルギーの選手やサポーターについても以下の内容のメッセージを投稿した。
「同郷のスウェーデン人に対する冷酷な攻撃によるブリュッセルでのひどい事件にとてもショックを受けたし、ひどく打ちひしがれている。この残酷さに言葉を失った。被害を受けた方の家族や友人に哀悼の意を表したい。同時に、昨夜にベルギーにいたすべてのサポーターへも思いを送る。誰一人としてフットボールの試合に行って危険を感じるべきではない」
なお同じUEFA(ヨーロッパサッカー連盟）に加盟するイスラエル代表は、10月12日のホームでのスイス戦、15日のアウェーでのコソボ戦の中止が発表された。UEFAはイスラエルのホームゲームを第3国で開催する旨を同国サッカー協会に通知した。イスラエルは、第4次中東戦争後の1974年にAFC（アジアサッカー連盟）を追放された経緯がある。Wカップ予選をオセアニア地区で戦っていたこともあった。1992年に正式にUEFA加盟が認められた。今イスラエル代表を巡っての対応が問われている。
日本では、近年外国人労働者が多くなっているとはいえ、ヨーロッパ各国と比べると、割合的には低い。宗教対立とは無縁な環境に置かれていた。
ハマスとイスラエル軍の対立は、ヨーロッパ各国へと飛び火し、事件による犠牲者も増えていくことが予想される。
いかに民族や宗教を超えて、共存していくのか、現代になって改めて課題を突きつけられた。
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