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2023年10月04日16:17

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政岡憲三展へ

9月30日(土)。
帝京大学八王子キャンパス総合博物館で開催中の企画展『「日本アニメーションの父」
政岡憲三とアニメーションの現在』へ。
新宿から京王線で聖蹟桜ヶ丘下車、帝京大学構内行きバスで。
京王線が事故で止まっていたが何とか復旧、間に合った。
帝京大学は奥地の山の上。立派な建物。
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博物館は地下。入館無料。
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この日は政岡研究で名高い萩原由加里先生の講演「戦前アニメーションの世界−政岡憲三の活躍−」と、『桜』『かぐや姫』の上映がある。
講演会が行われるホール。
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参加者は幅広いが高齢者も多く見える。見知った顔も多い。さすが政岡憲三。

萩原)はぎはら)先生の講演は政岡の『桜』に焦点を絞り、京都の美術学校に学んだ経歴から、京都を舞台にした『桜』の成立を紐解く。
1909年に結成され、舞踊や舞台デザインに革新をもたらしたバレエ団、バレエ・リュスへの関心が『桜』に登場する男女の妖精の衣装やバレエ風の動きを生んだこと、
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映画に音や音楽をつけることに意欲を持っていた政岡は、ディズニーの『ファンタジア』(1940年)への関心もあって、音楽のストコフスキーが指揮をする『舞踏への勧誘』(ウェーバー作曲)を『桜』の曲に使用したこと、
『桜』において、絵を動かすだけでなく、舞台芸術、音楽、日本画、バレエなど他分野からの要素を取り込むプロデュース的な役割を果たしたこと、
等々をモニターに多くの図版を参照しながら講義。
萩原先生がずっと継続して来られた政岡研究の一段の深化が伺える有意義な講演でした。

ここで上映まで休憩30分。その間に博物館の展示を観覧。
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「政岡憲三の足跡を軸に、アニメーションの歴史を辿る」もので、洞窟壁画に始まるアニメーションの歴史を現在まで幅広く展示。
構成は、第1章「アニメーションの起源」、第2章「政岡憲三とその時代」、第3章「政岡憲三の後継者たちと新世代」、第4章「アニメーションの現在」。
絵が動いて見える理由から驚き盤などの玩具、様々なフィルムと映写機、アニメーションの草創期と作家たち、政岡憲三の経歴紹介(政岡作製の「動画講義録」が現在のアニメ界の基礎となっていること等)から現在へと続くアニメーションの様々な要素を展示。
映画アーカイブからの出張と思われる大藤信郎の撮影台の展示もあり、この辺はさすが信頼の大学博物館。
展示の目玉に、政岡の『難船ス物語 第弐篇・海賊船』の動画(切り絵)30枚を貼った屏風の史上初展示があり、これは政岡氏の甥御さん宅に現存していたもの。
これをコマ撮りした動画も一緒に展示され、これが見事。
少年と女性が左右から抱き合うカット。その時、女性が広げた両手が一瞬ふわっと後ろに引かれた後に抱き合う。これがとてつもなく艶っぽい。
さすがは女形の経験もある政岡ならではの天才的な動きで深く感心。
写真はネットの東京新聞から。
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現在の章では、日本アニメーションが近い土地柄か同社の作品の展示も多々。
『未来少年コナン』の原画、セル、シナリオ等々も展示。実際の動画机も。
アニメ雑誌やムックもたくさん展示され、「日本で最初の活字アニメ誌」として『ファントーシュ』もあったが、何故か『FILM1/24』は見当たらず。
萩原先生の講義資料でも「出典」として挙げられているのだが。
スペースの割に展示物が多く、ただ見て歩いているだけでも十分楽しい印象。
展示は10月15日(日)まで。

後から考えると休憩時間に皆が集中した為によく見えなかった部分もあり、他の展示で見知っているので流してしまった部分もあり、もっと集中して見て周ればとの後悔も少し。メモくらい取っておけば良かった。

上映は前に観ているので私はパスして外へ。
大学のある高台からの眺め。『耳をすませば』気分。
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眼下にバスロータリー。
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聖蹟桜ヶ丘駅への途中には「この先日本アニメーション」の表示も。
駅は大昔に降りたことがあるが、今はすっかり変わって店がたくさん。
駅西口には舞台となった『耳をすませば』の地球屋ををモチーフにした「青春のポスト」を設置(郵便ポストではない)。横には散策マップ。
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駅横のビルも豪華な作り。
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階上には記念スタンプも設置されていた。
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駅前のパン屋さんでちょっと休んでから京王線で新宿へ戻る。
駅の発車メロディは『カントリー・ロード』だった。
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