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2023年08月12日22:10

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関東大震災100年企画1 サンアンドレアス断層(後編)第3章から最終第5章 地震のメカニズム その他1万個の風鈴世界記録 

南アルプスと中央アルプスの山々を望む長野県南部の飯島町で8月12日、町道に組んだ長さ約80メートルのやぐらに1万個の風鈴を飾る「信州飯島風街道りんりん祭」が開かれた。風鈴の最多展示数としてギネス世界記録に認定された。強い日差しが降り注ぐ夏場、古民家の縁側や神社の敷地内には、風鈴を飾る習慣がある。風が吹くたびに、珠のような音色が、心地よく耳に響く。今夏の風物詩として定着している。
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=7523663

   <関東大震災100年企画2>

 今回関東大震災100年企画の第2弾、アメリカの西海岸カリフォルニア州を南北に渡り、1300km貫くサンアンドレアス断層の後編である。

 1906年のサンフランシスコ大震災を機会に、アメリカ地質学会が結成され、地震のメカニズムについて究明した。今回は、直近2019年以降断層付近で起こった地震と共に、研究の最前線について迫っていく。

 シリーズ企画1 サンアンドレアス断層(前編)https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1985683291&owner_id=32437106

         <サンアンドレアス断層(後編)>

 目次
・第3章 地震を引き起こす力
・第4章 大地震の危険性
・第5章 2019年以降に起こった地震 新たな防災についての取り組み

  第3章 地震を引き起こす力

 地質学者は、断層付近の小さな街人口3万9000人のホリスターに頻繁に足を運び、断層の活動周期を予測した。

 写真=ホリスターの地図
フォト

これまで大きな地震は起こったことが無く、人々は平穏な日常生活を送っている。住宅街を通る道や脇にある策を見ると、歪んでいることがひと目で分かる。地殻に含まれる粘土質の岩は変形しやすく、エネルギーを溜め込まないため、年に平均1cmから1,5cmずつ動く。こうした一定の速度で動く断層は「クリープ断層」と呼ばれる。ハドナット博士は、次のように説明した。「ある意味、この町で見られる地面のずれによる被害は、抑制の利いたものなのです。ですが、1万年、10万年、100万年単位で物事を考える地質学者の視点で物を見ると、地面の揺れ幅はとても大きいです」
    
 ハドナット博士       壁に入った亀裂
フォトフォト     
 
ホリスターから南へ160km離れたパークフィールドでは、全く異なる現象が起きていた。ホリスターと同じく、道が緩やかに曲がっている。乾燥化が激しく、大きな樹木は見られず、なだらかな丘に小さな草が生い茂っている。アメリカ地質調査所のアンディー・スナイダー氏は、このパークフィールドを詳しく調査している。

 パークフィールドの地図 
フォト

人口わずか40人の村は、頻繁に地震に見舞われている。住民の命を脅かす危険はないものの、世界で最も地震の多い街として研究者から注目を浴びた。町の東西を結ぶ、小川にかかる橋は、太平洋プレートと北アメリカプレートの境目に当る。地震のメカニズムも規則的で、20年周期で発生している。記録によると、1857年、1881年、1901年、1922年、1934年、1966年に発生している。1966年以降、地震の前触れとなる断層の動きをつかむため、観測計を設置した。次は1988年から1993年の間に地震がくると推測されたが、余兆はなかった。
   
 町にかかる鉄橋     鉄橋を渡るスナイダー博士
 フォトフォト    
 
2004年12月、予測した年代より11年遅れて、とうとう地震が発生した。マグニチュードは6,0、長い間エネルギーが蓄積したため、中規模の地震となった。設置したカメラ映像を覗くと、地震の発生直後は、大地を揺るがす轟音が響いたものの、断層に際立った変化はなかった。地震の前触れは突き止められなかったものの、震源地は正確に特定できた。研究チームは、パークフィールド郊外の断層から少し離れた場所の地底を掘り進んだ。断層の奥深くに切り込むように掘削し、およそ3年後に地震の原因が判明した。細長い棒状の岩が、発掘され、サンプルを採取し、研究室で詳しい成分を調べる。断層から掘り出した岩は、特徴的だった。カリフォルニア大学のサンタバーバラ校のマーク・ゾバック氏が詳しく説明した。「地質学会では、月の石を掘り出すほど貴重です。引き上げ始め9週間は、凄まじい嵐の中、岩がとうとう姿を表したのです。稲光と雷鳴でことさら盛り上がった感じです。指の油を付けないため手袋を付けました。その岩にできるだけ触らないことが暗黙のルールでした」

<パークフィールドのなだらかな丘>      <地震波を検地>    
フォトフォト

 サンプルの中には、蛇紋岩が採取された。「蛇紋岩は、珍しいタイプの岩です。海洋近くの底で形成されたのですが、地底を掘ると出てきたのです。タルクと呼ばれる滑石に変質しやすく、あまり力をかけずに、ずらすことが出来ます」と話した。
 タルクの結晶は、柔らかくて、滑りやすい。カリフォルニア中部の断層の動きを理解する鍵となる鉱物である。タルクは、衝撃を吸収し、パークフィールドを震源地とする地震の揺れを極力抑えていた。
  
<GPS測定器>
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地震観測計       ボーリングでの掘削    
フォトフォト      

掘削の計画図
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断層の石を取り出す    タルクが含まれる地層   
フォト フォト     

 ソバック教授
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 現代社会で話題になっている地震予知は可能なのか、サンアンドレアス断層の仕組みについての研究が始まった。現在のペースで海側のプレートが、北上すると、ロサンゼルス市は2000万年後に現在のサンフランシスコ市に位置するという。
 ロサンゼルス郊外のコウチャラバレーの砂漠に、1500万年前の大地震の痕跡が残っていた。地質を調査すると、200年周期で地震が発生しているものの、西部開拓が始まった18世紀から被害を受けた痕跡がない。前回の地震から300年以上経過しているため、エネルギーが蓄積し、いつ吐き出すか、正確に予測できない。断層線をたどっていくと、カリフォルニアの最大都市ロサンゼルスに行き着く。州立大学のサンディエゴ校に属するユーリ・フィライエ博士は、ロサンゼルスの市民を守るため、断層が動くスピードを計り、地震が起きる頻度を予測した。全地球即位システムGPSを金属製の杭に打ち付けて、地中に埋めた。彼は、今回の研究に付いて、詳しく話した。「ここ(コウチャラバレー砂漠)のデーターは、地底で断層がどれだけの速さで動いているか、またどれだけの重圧が地殻にかかっているのか、計算する上でとても大事です。言い換えれば、地底での断層がずれて、地殻がくずれるまで、後どのくらいか、見るわけです」
 データーを分析すると、地表面ではほとんど動いていない。対照的に地下深くでは、断層線が、北西方向へ一年で3cmのペースで動いていたのである。地表面との間で摩擦がおき、時と共に歪が蓄積していく。博士は、地中の花崗岩に負担がかかっていると分析した。花崗岩は地殻の大部分を占めている。火山噴火など地殻変動によって、地表に押しあがったマグマが、太陽の熱で冷えて固まって形成される。高性能の顕微鏡で花崗岩の内部を調べると、結晶化していた。大きな圧力がかかると、結晶と結晶の繋ぎ目にひびが入り、粉々になる。花崗岩が重圧に耐え切れなくなると、地面は揺れ動く。つまり、大地震が発生するのである。

   コウチャラバレー砂漠  フィライエ博士        
 フォトフォト    

  花崗岩    花崗岩の結晶
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 地底が動く模様      南部からの断層線
フォトフォト     
 
      第4章 大地震の危険性

断層の南部は、エネルギーが蓄積され、近いうち人々が経験したことがないほど、大惨事が大都市に起きると、フィライエ博士は警鐘を鳴らした。サンアンドレアス断層は、活動頭初の2000万年前から現在まで、累積変位量は400kmになる。形成初期でも一年平均の変位量は1cm〜3cmだったという。
断層は大きく北部、中部、南部と3つの構造に分けられている。北部セグメントは、ホリスターからサンフランシスコ半島を通り、メンドシノ岬に到達する。1908年のサンフランシスコ地震で、300kmから400kmの断層からエネルギーが解放され、しばらくマグニチュード8クラスの地震は起きないと見られている。当時の地震で、断層は一気に6メートル動いたと推定された。中部セグメントは、パークフィールドからホリスターへ北西に延びる。1857年に、パークフィールドを震源地とするマグニチュード7,9を記録したフォーテフォン地震で、南部セグメントにかけておよそ350kmの断層が破壊された。断層のずれは、9メートルも生じたという。当時は町らしい町も無く、死者は2人にとどまった。南部セグメントは、最もエネルギーが溜まっている。州南部のソルトン湖から断層が北に延びて、ロサンゼルス北東のサンバーナディーノ山脈の麓で西に経路を変え、カホン峠やサンガブリエル山脈を越えていく。フラジアパークを横切り、北へ大きく曲がる。このガブリアサ山脈を越えた後の複雑な断層の経路は「ビックベント」と呼ばれる。断層の動きと、海辺のプレートの運動方向が20度もずれているため、法線方向に応力が加わり、スラスト断層(逆断層)が生まれた。断層の活動によって、トランスバーク山脈が形成された。サンアンドレアス断層が原因とするロサンゼルス近辺の直下型地震が起きた年代は、1700年代まで遡る。当時はスペイン人開拓者が集まったわずか100人ほどの集落だった。現在は、アメリカ第2の都市に発展し、人口は300万人、中心部は高層ビルが立ち並ぶ。
1994年1月17日に、マグニチュード6,7を記録するノースリッジ地震では、ロサンゼルス郊外を走るオークリッジ断層が原因となった。震源の深さは地下15km、激しい横揺れがロサンゼルス市を襲い、古い建物が倒壊し、小規模な火災が発生した。死傷者58人、負傷者1万人を出し、経済被害額は200億ドルから300億ドルに達した。発生時刻は休日の明け方4時30分だったため、交通網に大きな乱れはなく、復旧作業を速やかに済ませ、街並みを元に戻した。震現在ロサンゼルス市を見ても、94年に起きたノースリッジ地震の傷跡は消えている。専門家は、1989年にマグニチュード6,9を記録したロマ・プリーター地震を経験したサンフランシスコも、再び同等の被害にあう可能性が高いと考えている。ロマ・プリーター地震は、町の郊外80km離れたサンノゼ市にある山岳地帯が震源地だった。専門家は、サンフランシスコ市に程近い沿岸部に延びる主要7つの断層のうち、サンアンドレアス断層を含む6つの断層の活動が活発だと、公表した。地震の規模は、少なく見積もってもマグニチュード6,7、最も大きいとマグニチュード7,9が起こるという。人口密度が高いカリフォルニア州第2の都市サンフランシスコにはサンアンドレアス断層が、隣接するオークランドにはヘイワード断層が縦断する。前者の断層が30年以内に破壊する確立は27%、後者の断層のずれによる地震の発生確率は22%と発表された。研究者は、サンアンドレアス断層とヘイワード断層と、近隣の4つの断層を含む6つの断層のうち、いずれかの断層がずれる確立は高いと予測している。サンフランシスコやオークランド近郊で地震が発生する確率は、2032年以内に62%に達すると見積もった。
 
サンフランシスコ近郊の断層図   サンフランシスコ付近で発生が予想される地震
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断層の南部から中部の地図           断層中部から北部の地図
フォトフォト  
必画面左下2番目ニューポート・イングル、画面左下一番目サン・フェルナンド断層(1971)

必断層中部から北部の地図 画面右中央部 シエラネバタ断層(1872)
           カリフォルニア州における主な地震
写真=ロサンゼルス市
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研究者が最も警戒する都市は、ロサンゼルスである。1994年1月17日の明け方に起こったノースリッジ地震を凌ぐ規模の地震が、今後30年以内に高い確率で起こると考えている。現在のカリフォルニア地域の高層ビルは、建築基準法に基づき、耐震設計を施したが、不十分とする声も上がっている。カリフォルニア工科大学のアレス・ロザキス教授は、長年の研究から、断層の南部が引き起こす地震によって、高層ビルが倒壊する可能性を指摘した。

写真=ロザキス教授
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彼は、研究室で模型を使って本格的な実験を始めている。透明なブロックを設置し、レーザー光を当てると、内側にかかる応力によって生じた線が走る。亀裂の部分に急激な圧力を加えて、地震波の広がりを検証した。一秒間で1万駒撮影できる超高感度カメラが捕らえた映像を確認し、地震発生直後の様子が明らかになった。断層に見立てた亀裂の中心部分がわずかに欠けると、先端部分から円錐形の波が発生した。コンコルドのような超音速で飛ぶ航空機が、音速の壁を打ち破るときに生じる音波「ソニックブーム」が発生する仕組みと一致する。ロザキス教授は「飛んでいる航空機の機種が発するよりもたくさんの円錐形の波が、亀裂の先端から発生することがわかりました」と説明した。ロサンゼルスの高層ビルは、今回発見された衝撃波に耐えられる構造になっていない。アレス・ロサキス博士は再度詳しく話した。「自分を古いビルだと想像してください。まず一方に揺れていくらかダメージをうけます。そして、その直後にまたタイプの違う地震波が伝わってくることで、地面が大きく揺れるのです」
  
<実験台のブロックに亀裂が走る>  <実験で発生した超剪断>
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 彼は、この早いスピードで伝わる地震波を超剪断と呼んでいる。断層が直線になっている場所から超剪断が発生し、大地を揺るがし、建物は甚大な被害を受ける。科学者は、北部セグメントからサンフランシスコ方面に真っ直ぐ伸びる断層線に注目し、1906年の大地震は超剪断と呼ばれる衝撃波によって、被害が大きかったと見ている。南部セグメントの中心点となるサルトン湖からも断層線が延びて、ロサンゼルスに行き着く。サルトン湖が震源地とすれば、超剪断は、北上し、ロサンゼルスに到達する。2008年からカリフォルニア州では、「シェイクアウト」と名づけられた避難マニュアルを策定し、学校を含め、教育機関では、定期的に訓練を行うようになった。同2008年秋には、カリフォルニア州を上げて、防災訓練が行われた。ロザキス教授を含む研究者は、南カリフォルニアで、マグニチュード6,7以上を記録する地震が起きる確率は30年以内に99%に達すると発表した。広範囲に渡って町の被害をもたらす超剪断が発生する地震が起こる確立は、約50%あると公表した。ロサンゼルス消防局では、火災時の出動を速やかにするため、訓練を重ねている。ロサンゼルスの中心部にマグニチュード7,5を記録する地震が襲った場合、最大死者2000人、負傷者5万人、経済的損失は2000億ドルに達すると予測されている。
        防災訓練の模様   防災センター
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 第5章 2019年以降に起こった地震 新たな防災についての取り組み

専門化が想定した事態が、ようやく起こった。2019年7月5日午後8時19分、南カリフォルニアのリッジクレスト付近で、大きな地震が発生した。米地質調査所によると、地震の規模を示すマグニチュードは7,1、震源はきわめて浅いとの見通しを立てた。震源域から230km離れたロサンゼルスまで地震による揺れが伝わった。前日の7月4日には、同じ震源域で、一回り小さいマグニチュード6,4の地震を観測していた。マグニチュード0,7の違いは、エネルギー換算で11倍に相当する。幸いにも震源域付近は砂漠地帯、遠く離れたロサンゼルス市内は目立った被害は報告されていない。南カリフォルニアでのマグニチュード7を超える地震は、1999年のトゥエンティーナインパームスで起きたマグニチュード7,1以来、20年ぶりである。

 詳細 AFP 2019年7月6日付 https://www.afpbb.com/articles/-/3233950

写真 掲載元 RISK FRONTIERS https://riskfrontiers.com/insights/the-4-5-july-2019-m-6-4-and-7-1-ridgecrest-california-earthquakes/
                 
               左側前震となる7月4日 右側本震となる7月5日
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 2021年7月8日には、米カリフォルニア州の北部、ネバダ州との州境近くで8日、マグニチュード(M)5.9の地震が発生した。現時点で負傷者や深刻な被害の報告は出ていない。震源はカリフォルニア州都サクラメントの東241キロ、深さ10キロになる。

 詳細 NEWS WEEK 2021年7月9日付け https://www.newsweekjapan.jp/headlines/world/2021/07/335093.php

 人的被害が起こった地震は、2022年末に発生した。12月20日、カリフォルニア州北部沖合いで、マグニチュード6,4を観測する地震が起きたのである。震源域に程近い海沿いの町では、道路がひび割れを起こし、断水が起きている。

 以下 引用文 RETURES 2022年12月21日付

米地質調査所(USGS)によると、地震は現地時間午前2時34分(日本時間午後7時34分)に発生。震源はサンフランシスコの北約350キロメートルの地点で、震源の深さは17.9キロメートルだった。
カリフォルニア州森林消防局によると、地震によりガス漏れが発生し、電線が切断されたほか、建物1棟で火災が発生。少なくとも2棟の建物が倒壊した。
保安官事務所によると、震源に近いハンボルト郡で少なくとも12人が負傷したほか、地震と同時またはその直後に「医療上の緊急事態」に見舞われた70代と80代の2人が救命措置を受けられず死亡した。
カリフォルニア・ハイウェイ・パトロールによると、イール川にかかるファーンデール橋で4カ所に大きな亀裂が見つかったため、警察はこの橋を閉鎖。このほか、ハンボルト郡では大きな亀裂が入ったため少なくとも4カ所で道路が閉鎖された。
人口約3400人のリオデル市などでは住宅約20棟が大きな被害を受け、居住が危険と判断された。市全体で断水しており、当局者は住宅検査官による構造上の損傷確認を経て住民100─150人が住む場所を失う可能性が高いとの見方を示した。
電力網を追跡するPowerOutage.usによると、地震発生直後にハンボルト郡などで約7万9000戸が停電した。

               <引用終わり>

  同地域では2023年1月1日、余震とみられるマグニチュード5,4を観測する地震が起こった。1日の地震の震源地はハンボルト郡ユーレカの南約48キロ、リオデルの南東約14キロの地点。USGSの初期情報によると、浅発地震で震源の深さは約27キロだった。

 2022年12月20日に起こった本震では、2日の尊い命が失われた。人口密度が低いカリフォルニアでは、地震規模が大きくても、震源域が町から外れると、被害は少なくてすむ。

 詳細 CNN.co.jp 2023年1月2日付け https://www.cnn.co.jp/usa/35198067.html


 一方、太平洋を挟んで反対の日本列島では、地盤が軟弱な東京湾や大阪湾に人が密集することにより、被害は拡大傾向にある。アメリカよりも、建物の耐震化を進め、減災を意識した街づくりをすることにより、対策を練る。

 今アメリカ西海岸の都市から、注目されているのは、日本の緊急地震速報である。システム上、地震を起こす二つの波が到達する時間差を利用して、警報を発する仕組みだ。プレート境界や断層がずれ動いた際、初期微動S波が発生し、遅れてP波が到達する。緊急地震速報では、地中のGPSがS派を感知すると、リアルタイムにて、警報を発する。本格的な揺れを起こすP波が到達する前に、避難をうながすことにより、被害を防ぐ。
ロサンゼルス市の早期警戒システムでは、同様にP波を検知してすぐにモバイルアプリ「Shake Alert LA」のユーザーに通知する仕組みだという。幸いにもマグニチュード8クラスが想定される超専断破壊を起こす大規模地震の予想震源域と、ロサンゼルスの間では、距離がある。従ってS波からP波の到達時間まで45秒ほどの余裕があるという。

 日本の場合は、直下型地震が起きた場合、S波とP波の到達時間差は、縮まる。従って、緊急地震速報が発令されても、避難する時間が限られてしまうのである。

 地震に関する警戒を知らせるアプリ「Shake Alert LA」のダウンロード者数は2019年次点で90万件に達した。運用に際しての月額予算は、200ドル未満、今後も市の防災対策委員会は、啓発活動を続けていくという。

 詳細 写真掲載元 ロサンゼルス市の対策 ZD NET 2019年12月5日付 https://japan.zdnet.com/article/35146384/
 フォト
 
 アメリカでは、1906年にサンフランシスコを襲ったマグニチュード7,8の地震を契機に、地質学会が結成され、地震のメカニズムを究明するため、捜査が始まった。南北1300kmに伸びるサンアンドレアス断層の存在が浮かび上がり、一年での平均移動速度を3cmと見積もった。地質を調べれば、2000万年間活発に活動し、周期的に大地震を起こしていることが判明した。今後いつ海側の太平洋プレートと陸側の北アメリカプレートの境界線がエネルギーを解放するのか、正確な時期は特定できない。カリフォルニア州の防災センターは、住民に日ごろから地震に備えるよう注意を促し、被害を最小限に食い止めようとあらゆる対策を施している。市民一人一人が危機感を持ち、睡眠中や外出時など状況によって的確に判断することが必須だ。防災マニュアルでは、家の中では食器の窓ガラスの扉をしっかりと閉める。非常時の出口を確保するため、扉をしっかりと開ける。マグニチュード7などの装置でタンスを固定するように書かれている。外出時には、落下物であるビルのレンガやガラスの破片に気をつけるように、注意していた。地震の二次災害で最も恐ろしいとされているのは木造住宅街にとりわけ多い火災である。とりわけ、朝食や昼食、夕食の時間帯に地震が襲ってくると、事態は深刻だ。地震の揺れによって、電気がショーし、コンロの火は辺りに飛び移る。強い風によって火があおられると、勢いは強くなる。「火災旋風」が発生し、住宅街を襲い、さらに多くの犠牲者を出す。減災のためには、地震が起こると、どんな状況に陥るのか、理解しなければならない。知識を深めれば深めるほど、正しい行動が取れるようになり、被害を最小限に抑えることが出来る。専門家は、一人でも多くの命が救われるように、地震が起こる年代を正確に割り出そうと一致団結して、研究に努めている。

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