ヒビノキ832（07月09日〜07月15日までの１週間／週前半）

2023/07/09〜2022/07/15までの日曜日〜水曜日の週前半の日記です。

■2023/07/09/日
休出。仕事。自宅でできればいいんだが、許可を得た部分でも、人事関係の資料や情報をおいそれと社外に持ち出したくない。

『ダークギャザリング』 第１話　「寶月夜宵」
https://darkgathering.jp/
原作はジャンプスクエア（集英社）で連載している近藤憲一の漫画作品。中学時代に霊障をうけた結果、強力な霊媒体質となった幻燈河螢多朗はひきこもり。大学入学をきっかけに社会復帰をめざす螢多朗は、幼馴染・寶月（ほおづき）詠子の協力で、その一歩――家庭教師を引き受けた。だが、教え子で詠子の従妹・寶月夜宵は、螢多朗が忌み嫌うオカルトを愛し、そうして、倒す霊媒少女であった。

制作はOLM TEAM MASUDA。現在も放送しているあだち充原作の「MIX」チーム。監督は博史池畠。初回は螢多朗の霊媒体質の説明と、同様に霊媒体質だが、怪異すら恐怖するパワフル脳筋霊媒少女・夜宵と従妹の詠子の紹介。オカルトものたる不気味な雰囲気が一転、バールのようなもので相手を倒すゴーストハンター幼女・夜宵のギャップは表現できてる。連続24話の２クール作品。とってはおきます。

■2023/07/10/月


https://product.kadokawa.co.jp/cthulhu/news/entry-657831.html

『新クトゥルフ神話TRPG』の次のサプリメントは「シナリオ集 ピーターセンの忌まわしき物語（Petersen's Abominations）」なんだな。海外“公式”アドベンチャーセットとしては妥当な製品選択ではある。

ただ、これを出すなら「Nameless Horrors - 2nd Edition」もいけるだろうし、“公式”の７版サプリメントもっと出してよ。自分がほしいのはケイオシアムの“公式”の製品であって日本独自の製品ではないんだよな。

『Lv1魔王とワンルーム勇者』 第２話　「メガネ女にご用心」
https://lv1room.com/
スク水系怪力痴女が隣にお引っ越し。堕落しきったマックス（勇者）の世話を焼く魔王は、昼間、コンビニでカップ酒を買い、アタリメを食い、近所の子供と公園で遊ぶ、かなしいオジさん（勇者）の姿を見る。その魔王がなかなか帰ってこない現状に、彼女の副官ゼニアが来訪。知的ではない眼鏡、武闘派ゼニア泥酔。マックスと全裸で深夜の街をかけまわる。もしもしポリスメン。

文法としては今回のゼニアはじめ、しばらく勇者と魔王の周囲のキャラクターを紹介していく展開。深夜の全裸競争をはじめ、とにかくはっちゃけてる。下品といわれればそれまでだがイキオイは今期一番。マックスは性根の部分では、いまだに勇者の自覚はもっているところがいい。暴力を封印し、魔族側のゼニアもかばう。その勇者に感謝している人々もいるわけか。まあ３話まで。

『SYN DUALITY Noir』
https://synduality-noir.com/
原作はバンダイナムコグループのメディアミックス作品。ビデオゲーム、プラモデルが代表のホビートイ、コミック、テレビアニメと全方位的に展開する。新月の涙と呼ぶ災害で地下へと潜った人類。人々は復興を目指し、地上各地に集落と復興請負人「ドリフター」を結成。災害以来、地上にはびこる敵性存在「エンダーズ」を「クレイドル」と呼ぶロボットでしりぞけながら活動していた。

制作はエイトビット。監督は山本裕介。これは予算あるな。映像は大変リッチで面倒なＳＦ要素に強い説得力をしめす。初回は主人公であるカナタが地上の遺構で記憶をうしなった少女ノワールを発見。パイロットと一緒に「クレイドル」を操作する存在――メイガスとしての非凡な才能を彼女がしめす。王道。24話連続放送。おそらくゲームがアニメの前日譚。アニメがゲームの後日譚の模様。

■2023/07/11/火
寝る前に朝４時まで冷房をいれていて、結局、朝10時には在宅勤務のためにふたたびいれるけれど、実際、冷房をいれないと作業がもはやできん。

『好きな子がめがねを忘れた』 第２話　「好きな子に呼び出された」
https://anime.shochiku.co.jp/sukimega/
モブの作画が全員ことなるのすげえな。あと２人とも中１で13歳。本当に入学したての４月から展開していくのか。Ａ）　三重さんが眼鏡を忘れ → Ｂ）　小村くんがサポートする。この物語の基本フォーマットは１話で消化しつくしてしまった。これ以上の伸び代は今後――Ａ）とＢ）のパターンでどれだけ引き出しを用意できるか？　今回は「給食」と２人で「おでかけ」。展開が早い。

現実でかんがえたら、三重さんの超近視は生活に支障が出るレベル。配膳のシチューをあんなにボタボタこぼされたらたまらない。でも、あくまでラブコメファンタジー。クラスメイトに悪意のある人物はおらず、彼女の状態を受け入れる。同時に本作の主要な要素は、作中でも指摘されるように小村くんの少々キモい「独白」。この「独白」が本当にキモくてユニークだな。まあ３話まで。

『Helck』
http://www.helck-anime.com/
原作は裏サンデー（小学館）ほか同社の系列媒体で配信していた七尾ナナキの漫画作品。勇者によって魔王が討伐され、歓喜する人間たち。魔界では、次期魔王を選抜するトーナメントが開催されることになる。その責任者で審判役のヴァミリオは、人間ながらも大会に参加する勇者ヘルクに注目。戦闘レベル99のヘルクでは勝負にならないと、トランプタワー対決で第１回戦の勝敗を決定する。

制作はサテライト。監督は佐藤竜雄。サテライトと関りが深い監督なら順当な選抜。初回の出来は及第。線数の多い作品ではなく見栄えはしないが、原作の絵柄はよく汲み取っている。コメディとシリアスのバランスも良く、トランプタワー建設なるしょぼい勝負の一方、ヘルクという謎めいた勇者の背景を上手く入れ込みミステリアス。おそらく原作完結までやるはずだが安心できそう。

■2023/07/12/水
新人の子が「これ本すか？」と質問するほど、768ページもある三津田信三の「水魑の如き沈むもの」が手提げかばんの中で邪魔でしょうがない（実際に束が3cm）。でも、もう読み始めちゃったからな。下の子の言う通り電子書籍の時代。

『わたしの幸せな結婚』 第２話　「旦那さまという御方」
https://watakon-anime.com/
みそ汁の味を旦那さまにほめてもらう。あと、陸軍が清霞の勤め先で隊長なんでしょうけれど、「対異特殊部隊」と堂々と看板かかげてるのか。ですから異形の存在は民衆が認識してるんだな。斎森一族の厄介ばらいで冷酷無比・強力な異能の持ち主・久堂清霞と婚約。彼の家へ嫁ぐ美世。美世は新居で清霞の役に立つ、と、朝餉（あさげ）を作る。だが清霞は「毒でも盛ったか」と美世の食事を拒否する。

その食事を美世が作り直し、今度は清霞が彼女をほめる。とにかく、いじめて、いじめて、いじめぬいて美世の不幸を醸成。受け手の心を寄せる。そうしてエリートの清霞が彼女を持ち上げ、美世の自己肯定――同時に感情移入している受け手の自己肯定も引き出す。これはまさに「女子なろう系作品」の文法。こういうのは男女ともに変わらん。どんどん２人で幸福（しあわせ）になっていけ。まあ３話まで。

『アンデッドガール・マーダーファルス』 第２話　「吸血鬼」
https://undeadgirl.jp/
やっぱり作者が青崎有吾だけあり“推理作品”なんだな。欧州に渡り、怪物専門の探偵となった津軽、鴉夜、静句の３人。３人は伴侶を殺害された吸血鬼ゴダールから依頼をうけて現地に向う。鴉夜は現場を検証し、事件へと覚える違和感と不信感を７つ上げる。鴉夜が７つのうち５つまでを指摘する要素から見ても、この殺人は、内部の住人の犯行だというのは想像へとたやすい。

とはいえ怪物が実在する時点で「特殊設定の推理作品」だからな。外部の犯行が可能な抜け穴が用意できるかもしれない。いずれにしろ、本作は推理要素が存在する作品で、探偵の鴉夜と、助手の津軽／静句が謎を解く作品だというフォーマットは今回で理解ができた。ただ、ゆえ重要な部分は「説明と台詞にかたよりがちな推理」を、それ以外の要素でどうやってメリハリをつけるかだ。まあ３話まで。

『白聖女と黒牧師』
https://shiroseijyo-anime.com/
原作は少年マガジンＲ（講談社）と同社の系列媒体で連載している和武はざのの漫画作品。とある異世界の田舎の教会で暮す聖女セシリアと、彼女の世話役牧師のローレンス。生活能力皆無。牧師のまえでは“ダラける”聖女。２人のラブコメディ。初回はローレンスに恋心を抱くセシリアと、セシリアの恋心に鈍いローレンス――２人の関係の土台をしめす。とにかく２人がかわいく描けている。

制作は動画工房。監督は野呂純恵。順当に同社で経験を積み監督に抜擢。初監督作。初回の出来は良好。日常ものをベースに「ゆったりゆるゆる」な作風をやわらかい線描で表現。２人の鈍感ラブコメを促進・醸成する。１話の時点で「作品のすべてを消化しつくしてしまって」「完成している」感覚はあるが、終始このフォーマットですすむのなら＋αの要素はいらないかもな。