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2023年01月10日13:09

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「2023年映画の旅」、本格的スタート

 1月4日(水)に2021年6月公開「カムバック・トゥ・ハリウッド!!」を観る。

「カムバック・トゥ・ハリウッド!!」(ジョージ・ギャロ)
 背景は1970年代のハリウッド。スキャンダル狙いの際物プロデューサーが、それなりの話題作も残した実績はあるが、全米の尼僧を敵にまわす映画を製作し、抗議活動の渦で、決定的な経済破綻に追い込まれ、ギャングまがいの金融業者から命を狙われる。そこで、自殺願望のある往年の西部劇スターを担ぎ出し、撮影中に事故死させ多額の保険金をせしめる作戦に出る。金融業者には、それで借金を清算すると命乞いしてとりあえず収める。ところが、そんな作戦がうまく行く訳もなく、ついにはギャング自らが、スターとプロデューサーの殺しに乗り出してくるのである。

 何とも気分の悪い展開であるが、これがプロデューサーにロバート・デ・ニーロ、ギャングにモーガン・フリーマン、往年のスターにトミー・リー・ジョーンズとの、オスカー3大名優を配すると、極めて愉快作になってくるのだ。事故死失敗が連続するドタバタも大いに楽しい見物だし、それが映画の完成度に悉く貢献してしまう逆転劇はさらに楽しい。

 さて、こんなチグハグになってしまう殺人劇の収束であるが、これを全て3人の映画愛で収斂させるのが、映画ファンとして心地よい纏め方だ。

 映画中映画の裏にあるのは、ジョン・ウェィン遺作「ラスト・シューティスト」へのオマージュで、映画ファンの心をくすぐる。事故死を画策して中断を目論んでいる映画なので、監督はどうでもよくアッサリ女性に決まってしまい、映画が成功した後は、この女性監督がパートナーとしてレズ相手を紹介するあたりは、21世紀的味付けだ。

 21世紀的味付けはまだあり、トミー・リー・ジョーンズはネイティブアメリカンの血も引いている設定で、「インディアン(差別用語ですが、こう表現しないとピンとこないのでお許しを)の味方する奴は許せねえ」とのたまわる悪玉に、「俺は誰の味方でもない!正義の味方だ!!」と言い放つす映画中映画のジョンーズは超カッコイイ。

 ジョーンズの自殺願望は、スターとして落ちぶれた果てと思っていたら、大きく違うことが終盤に明かされる。愛する人が黒人で、「スターを採るか、家庭を取るか」と撮影所に迫られスターの道を歩んでしまった人生への後悔からだったのだ。確かに西部劇スーパースターの妻が黒人では、具合が悪い時代ではあった。これも、ラストは素晴らしい大団円で締める。(ネタバレ気味でゴメンナサイ。でも、これ言わないとこの映画の良さを表せないと思ったので…)

 これで大団円だと思っていたら、エンドクレジットに冒頭でスキャンダルとなった「尼さんは殺し屋」なる映画ダイジェストが挿入される。これがアナーキーで超楽しい一編で、一粒にさらにおまけ付の楽しさに溢れていた。今ならこの程度の表現は洒落として、大きな問題にならないだろうな。

 70年代の映画愛に溢れつつ、さらに21世紀の感覚も反映させ、3大スターの饗宴で魅せた傑作である。(よかった。ベストテン級)

 1月6日(金)に昨年の令和4年の正月映画「コンフィデンスマンJP 英雄編」が、早々と地上波放映されたので録画して観る。いよいよ私の昨年公開映画への旅が本格的にスタートした。

「コンフィデンスマンJP 英雄編」(田中亮)
お馴染み、ダー子(長澤まさみ)・ボクちゃん(東出昌大)・リチャード(小日向文世)の詐欺師トリオが、今回は英雄詐欺師「ツチノコ」の称号を賭けて敵対し騙し合うコンゲーム映画。舞台の殆どがヨーロッパでロケに多彩なゲストと華やかで、何がホントで何が嘘か、判然としないドンデン返しの連続が、ひときわ見事に展開される。ボクちゃんだけが詐欺師のタイプが一味ちがう調味料も効いている。全ては見てのお楽しみなので、内容には触れない。真の「英雄」とは?なんてテーマには、さして深味は無いが、アレヨアレヨの騙し合いを楽しめば良い。オリジナルでこれだけの脚本をモノした古沢良太は大したものだ。ベストテン末席に置きたい快作である。前に観た「カムバック・トゥ・ハリウッド!!」に続き、新年早々に優れたエンタテインメントに次々と出遭え楽しき限りだ。(よかった。ベストテン級)

 1月8日(日)に2021年7月公開の外国映画「ウィリーズ・ワンダーランド」を観る。

「ウィリーズ・ワンダーランド」(ケヴィン・ルイス)
閉館になったテーマパークは、可愛いキャラの仕掛け人形が林立していても、全て停止しており薄気味悪いものである。それ等が人を喰らおうと襲ってきたらさらに恐ろしい。本作はスプラッタ風味も交えたホラーとして、それを効果的に魅せている。そのよって来たる原因を、アメリカの錆びれた地方の町の閉塞社会の、象徴としたところにも深味がある。でも、この人形達に無敵に立ち向かうニコラス・ケイジの行きずりの旅行者が、何の象徴なのか判然とせず、私としては腑に落ちなかったのが、画竜点晴を欠いた。ニコラス・ケイジは、相変わらずこんなガラクタおもちゃ箱に、殆どノーセリフの難役に大真面目に付き合っているのは大したものだ。(まあまあ)

 1月9日(月)に2021年3月公開の外国映画「シティーコップ 余命30日?!のヒーロー」を観る。

「シティーコップ 余命30日?!のヒーロー」(タレク・プダリ)
殉職した父の遺志を次ぎ、全く向いていないのに警官になって、ドジばかり踏んでいた男が、ネズミに噛まれ感染症の珍病で、余命30日を宣告される。自棄になってのハチャメチャ捜査で、着々と実績を上げてしまい、誤診と判明(映画中でもこれは早々に明かされるが、行き違いで本人になかなか伝わらないのもギャグの一つになっているので、ネタバレでは無いと考えあえて記します)、その後も愛する祖母を護るために大奮闘して、大手柄を挙げ父の仇の麻薬王も仕留めて、心密かに想っていたバディの婦人警官とも結ばれる。まあ、言ってみればオバカ映画で、こういうのを私は基本的にキライじゃないが、ノレるかノレないかがポイントになり、私好みのルチャブリブレ・ネタもあるが、誤認の性転換手術とか、赤ん坊の巻き込まれ誘拐とか、麻薬取引がメキシコ大使館内だとか、あまり良い趣味に感じられなかった(まあまあ)

 1月8日(日)の午前中にWOWOWプラスで、スティーヴン・セガールの“沈黙”シリーズ(多分こう銘打っているのは日本だけだろうが)が、3本連続放映された。3本とも未見であり、こういうお手軽アクションは好みなのでイッキ録画した。昔なら3番館あたりでありそうな“沈黙”シリーズ3本立の趣きである。ただ、連続観賞よりはと思い、別の録画映画を挟んでアクセントをつけての観賞と相成った。こんな見方を楽しめるのは自宅観賞ならではである。

 前回日記から観た観賞作品は次の9本。

「カムバック・トゥ・ハリウッド!!」「キック・オーバー」
「コンフィデンスマンJP 英雄編」「裏切りの街」「沈黙の傭兵」
「ウィリーズ・ワンダーランド」「沈黙の逆襲」
「シティーコップ 余命30日?!のヒーロー」「沈黙の制裁」

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