2023/01/01〜2022/01/07までの木曜日〜土曜日の週後半の日記です。
■2023/01/05/木
今年は水木金の仕事のあとでまた３連休だからみんなの休みボケもなかなかぬけんな。リモートはさんでいる勤務形態だとなおさら。
『うる星やつら』 第13話 「テンちゃんがきた／ふたりだけのデート」
https://uy-allstars.com/
「テンちゃんがきた」 旧版のタイトルは「宇宙ゆうびんテンちゃん到着！」。前年で第第１クールが終り第２クール。その初回にテンが登場。男に厳しく女に甘いと性格には変化なし。あらすじを見る限り旧版とはすいぶん内容がことなる。旧版はテンちゃんの吹き出す炎であたるの実家が炎上するらしいけれど、そういうハチャメチャ内容ってテレビアニメでも現在はもうできないよな。
「ふたりだけのデート」 旧版のタイトルは「テンちゃんの恋」。Ａパートに続きＢパートもテンが主役。前回でサクラに一目惚れ。テンはあたるにラブレターの代筆をしてもらいひどいデートプランを実行する。同伴喫茶に劇場型ピンク映画って自分らの世代でも過去の物事。若年ユーザーはもはや検索しないとわからない。ただギリギリな内容に旧版も相当内容の変更があったらしい。
『REVENGER』 第１話 「Once Upon a Time in Nagasaki」
https://anime.shochiku.co.jp/revenger/
亜細亜堂 × 松竹 × ニトロプラスのオリジナルアニメ企画。力持たぬ人々の復讐を代行する殺し屋たち「REVENGER」の活躍を描く。初回は阿片密売を行う黒幕へとかつがれて、許嫁の父で恩師を斬り殺した繰馬雷蔵の復讐の行方。その復讐に加担する格好で「よろず利便事」を営む碓水幽烟を中心にメインキャラクターを紹介する。架空の江戸時代・長崎を舞台に展開する時代劇アニメ。
タイトルと内容を見た時、予感したけれども、本作はテレビアニメの「必殺シリーズ」と断言してよい。シリーズを展開する松竹が参加。説明こそないけど明白。制作は亜細亜堂。監督は同社で「イゼッタ」を担当した藤森雅也。松竹は「イゼッタ」制作の一席。この関係と流れ。初回は虚淵玄の構成でハードな仕上りになっている。とはいえアニメだけの「必殺シリーズ」らしい展開はほしい。とってはおきます。
『スパイ教室』 第１話 「MISSION《花園》�機�
https://spyroom-anime.com/
原作は富士見ファンタジア文庫が刊行している竹町のライトノベル。歴史上最大級の世界大戦が終結したあと、スパイたちの情報収集や要人の暗殺といった“牽制”で平和を維持するようになった各国。そのスパイ候補生の８人の少女が学園へ集う。初回はヒロイン８人のマスターで教師たるクラウスの紹介。同時にヒロインの少女らを紹介しながら、リーダー・リリィとクラウスの騙し合いをみせる。
「僕を倒せ」と語るクラウス vs 生徒の関係で、当分の作品のフォーマットは提供した。いわゆる男子むけ美少女スパイ学園。初回の印象は普通。制作はfeel。監督は川口敬一郎。feelの常連監督。くわえて１期に複数作品に関係するのが監督の特徴だが、今期は「英雄教室」とのかけもち。作画や美術はPVの印象とくらべ凡百な感覚。あんまり動かないしキャラクター作画も所々で安定せず。とってはおきます。
『お兄ちゃんはおしまい！』
https://onimai.jp/
原作は月刊ComicREXで連載しているねことうふの漫画作品。作者の同人作品がもとの商業作品。主人公でニートの緒山まひろは、飛び級で大学に入学した天才的妹・緒山みはりに一服もられてＪＣになってしまった。突然の性別転換。まひろは女子としての生活をしいられる。初回はまひろの性別チェンジへとまつわるドタバタ。作者が公言しているように、いわゆる「ＴＳもの」にあたる。
制作はスタジオバインド。監督は藤井慎吾。「無職転生」スタッフ。「無職」とはことなり「ＴＳ日常もの」だが、作画、構図、美術とも１枚ぬけてる。とにかくキャラクターの表情や仕草がこまかい。にぎにぎしいEDの出来がとてもよくて感心した。ただ物語自体は「ＴＳもの」のステロタイプ。初回は予想可能な展開しかなかった。その鉄板展開をどうやって描写で差別化／区別化かできるのかがキモかも。
『冰剣の魔術師が世界を統べる』
https://www.tbs.co.jp/anime/hyouken/
原作は講談社ラノベ文庫が刊行している御子柴奈々のライトノベル。今期の「なろう系作品」。高名な７大魔術師をめざし日々生徒が学ぶアーノルド魔術学院。貴族ではなく庶民出身で学園に入学した新入生で主人公のレイ＝ホワイトには隠れた素性が存在した。初回はレイが学園へ入学。ヒロイン候補や友人を紹介しながら庶民出身の彼をやっかんだ貴族と対決。７大魔術師“冰剣”のレイの素性があかされる。
まさしく「なろう系作品」のテンプレですすむ展開。やられやくと闘技場／訓練場で戦う取り決めが「なろう系作品」にはあるんか？ 制作はクラウドハーツ。ですけど実質は横浜アニメーションラボ。監督はたかたまさひろ。ゼロジー作品と関りが深いが、たかたまさひろは特定のスタジオに所属せず安定しない感じだな。初回の出来は普通。ただ見せ場が最後の貴族の対決しかなく印象は弱い。
■2023/01/06/金
居間のすみっこに６面体ダイスを発見する。これ正月のやつで自分のじゃないやつだ。だからダイス持って来んでいいっていったんだよ。
『シュガーアップル・フェアリーテイル』
https://sugarapple-anime.com/
原作は角川ビーンズ文庫が刊行している三川みりのライトノベル。原作は17巻で完結ずみだが21年から漫画連載が開始。人間が妖精を使役する世界。アンは妖精の寿命をのばす砂糖菓子の作り手。その職人――亡き母の生業「銀砂糖師」をめざし旅に出る。そうしてアンは人々らがおそれる戦士妖精シャル・フェン・シャルと出会う。初回はアンとシャル・フェン・シャルの出会い。くわえて世界説明。
ジャンルとしては「旅物」。同時に人間と妖精の異種婚譚。絵本的タッチの美術と端正な作画で女子むけライトノベルに必要な第一要素はクリアしてる。制作はJ.C.所属でスタジオ監督といえる鈴木洋平。実際ハデに動く場面はないし、上手にさぼっている場面も多い。それでもメリハリがついてみえるのは、構図やライティング、たとえばシャル・フェン・シャルの眼の大コマ的なアップなど監督の演出力。
『Buddy Daddies』 第１話 「PIECE OF CAKE」
https://buddy-animeproject.com/
制作・P.A.WORKS × 原案・下倉バイオで送るオリジナルアニメ。 下倉バイオ原案は前年の『東京24区』に続き２本目／２作目。殺し屋の相棒たる来栖一騎と諏訪 零はひょんなことから４歳の少女・海坂ミリを拾って育てる。こうして２人の殺し屋稼業と育児生活が幕を開ける。初回の２人が聖夜に“仕事”をこなすなかでミリと出会い、彼女をなし崩し的に引き取るドタバタ。
流行りの作品の影響も感覚する「疑似家族もの」。裏道稼業の人間の子育てはジャンルで定番。ただ育児が主題なのにバンバン人を殺す作風はどうか？ 監督は浅井義之。麻枝作品を担当する監督が再度エロゲー出身ライターと組む形。パーティのアクションシーンは「呪術」や「チェンソー」で実力をみせた野田友美やP.A.１軍原画・佐古宗一郎が参加で見応えのあるものになっている。とってはおきます。
『アルスの巨獣』 第１話 「はじまりの約束」
https://ars-giant.com/
DMM.com × 旭プロダクションのオリジナルアニメ企画。 人々に災厄をもたらすと同時に様々な素材を内包し人類へ恵みも与える存在「巨獣」。この巨獣を狩り日銭を稼ぐ「死に損ないのジイロ」は謎の少女「二十と二番目のクウミ」と出会い世界の謎へ迫る。初回はジイロとクウミの素性を紹介しながら、作品世界を強力に絵で魅せる。「巨獣」を倒すカンナギやナギモリといった存在の説明は次回以降。
実際、予算はあるんだろうが、作画も美術もよくこんな“めんどくさい作品”やってるな。感心する。細部の描き込み、架空世界の社会風俗や文物のプロップデザインと非常に手間をかけている。設定段階から設計してるんだろうが簡単ではない。制作は旭プロダクション。監督はオグロアキラ。まだ物語全体はぜんぜんわからないけれど、とにかく制作は注力していて色々と賭けてそう。とってはおきます。
『異世界のんびり農家』
https://nonbiri-nouka.com/
原作はKADOKAWA（エンターブレイン）が刊行している内藤騎之介のライトノベル。今期の「なろう系作品」。ブラック企業の激務がたたり死亡した街尾火楽（ひらく）。火楽は死後「農業」をやりたいと神に願い異世界的転生をはたす。こうして「万能農具」を手に入れた火楽こと主人公ヒラクはチート農業人となる。初回はヒラクが異世界へ転生を果す経緯と森を単身開拓する様子。
農業発展の状況がものすごくダイジェストな感覚。原作どおりなのか？ そとれもメインキャラクターを早く登場させるための物語の巻き？ 制作はゼロジー。監督は同社で「つぐもも」を監督した倉谷涼一。16年以降ほぼ監督はゼロジー所属ですから当然。前期の同じジャンル「農民関連〜」より出来はリッチですが、双方ともパッとしない。どちらも最低限ラインの作画と美術で成立している。
『ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん』
https://tsunlise-pr.com/
原作はカドカワBOOKS（KADOKAWA）が刊行している恵ノ島すずのライトノベル。今期の「なろう系作品」。放送部の男子部員・遠藤は同じ放送部の女子部員・小林のすすめで彼女がファンである乙女ゲー「まじこい」の実況プレイを開始する。小林は作中の悪女令嬢リーゼロッテの超推し。だが発声練習もかねた実況プレイである２人の声は、不思議なパワーで作中のキャラクターに聞こえ始める。
いわゆる「悪役令嬢もの」。ただこれはおもしろいな。転生ではなくこちら側の声があちら側に届きキャラクターの運命を修正する。「まじこい」の側が配信者達。遠藤と小林がリスナー。配信者側へいうところの「ラジコン」のごとき指示を送る。制作は手塚プロダクション。監督は演出出身の吉村文宏。初回の出来は普通だが物語のユニークさで引きは強い。すべての要素を１話で出し切った感覚もあるが。
■2023/01/07/土
まじでアニメ見てたら終ったわ。一日。
『解雇された暗黒兵士（30代）のスローなセカンドライフ』
https://magazine.yanmaga.jp/c/ankokuheishi/
原作はＫラノベブックス（講談社）が刊行している岡沢六十四のライトノベル。今期の「なろう系作品」。魔王軍の四天王のひとり――参謀の地位にあった暗黒兵士ダリエル。だがダリエルは現魔王の父親――先代の四天王の引退が原因で魔王軍から「魔力なき魔族」と放逐されてしまう。流浪の身の上のダリエルはヒロイン・マリーカを救った事により人間の元へ身を寄せる。
いわゆる「追放もの」。同時に「スローライフもの」。シリアスよりコメディより。気楽な感じ。初回はダリエル放逐の経緯とマリーカの登場。ダリエルが人間の使う武術「オーラ」による非凡な才能をしめすまで。出来は普通だが作画や美術にくずれもない。制作はエンカレッジフィルムズ。監督は同社の代表・追崎史敏。コメディ部分はもうすこしオーバーな演出でもいいと思いますけれど安定している。
『お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件』
https://otonarino-tenshisama.jp/
原作はＧＡ文庫（ソフトバンク）が刊行している佐伯さんのライトノベル。今期の「なろう系作品」。高校１年の藤宮周（あまね）は公園で雨に濡れたまま動かない椎名真昼に傘を差し伸べ帰宅した。だが雨風と日頃の不養生／不健康がたたり風邪をひいてしまう。その藤宮の自宅に「借りを返す」と「天使様」こと椎名がたずねてくる。初回は藤宮と椎名の出会い。そうしてかいがしくも世話を焼く天使の様子。
「ひげ」とか「継母」とかそうですけど、受動的条件付けの男子と女子の同居――もしくは同居に近い状況で暮す恋愛作品ほんと増えたな。「都合の良い関係」や「女子から男子の方に近寄る」設定自体はメイドブームとかからかわらん。永遠のオタク系男子の夢だ。求めるではなく求められる。制作はproject No.9。監督は王麗花。このジャンルでは鉄板の同社の手並で全体の出来は安定。
『TRIGUN STAMPEDE』
https://trigun-anime.com/
原作はヤングキングアワーズ（少年画報社）で連載していた内藤泰弘の漫画作品。98年に放送した一度目に続く二度目のテレビアニメ。６00億＄＄の賞金首。かつ過去のロストテクノロジーの結晶。最強のガンマンで「人間台風」ヴァッシュ・ザ・スタンピードの活躍を描く。リメイクではなくリブート。新版はアニメオリジナルの設定と物語。原作を刷新して展開。いわばスターシステム。
初回は旧版と同様に作品世界の案内役をになうメリルとメリルの先輩のロベルトが登場。ヴァッシュと出会う。そうして賞金かせぎのチャックとヴァッシュが対決する。新版のメリルは保険員ではなく記者。また彼女の相棒のロベルトは旧版／原作にいない。制作はオレンジ。監督は武藤健司で初監督作。旧版よりシリアスな成分が多め。作品自体もナイーブで静的なイメージ。フルCG作品だが品質は高い。
『最強陰陽師の異世界転生記』
https://saikyo-onmyouji.asmik-ace.co.jp/
原作はМノベルス（双葉社）が刊行しているオカザキトシノリのライトノベル。今期の「なろう系作品」。朝廷へと仕えた最強の陰陽師である玖峨晴嘉（くがのはるよし）は彼の力を憂う朝廷の裏切りで非業の死を遂げた。晴嘉は自身の力で別の世界へ転生。貴族の三男セイカ・ランプローグになって魔力ではなく呪力で運命を切り開く。初回は転生したセイカ／晴嘉が非凡な力を発揮する鉄板。
魔法行使の法則が魔力の世界に呪力を持ち込む話の作り方はユニーク。だが作品の出来でユニークさを表現しきれてない。制作はスタジオブラン。総監・長山延好／監督・渋谷亮介。監督は同社の制作協力作品で関りが深い。17年に元請した「しょびっち〜」以来の付き合い。初回の出来は作画も美術もパッとしない。「制作だけで手一杯」の作品の典型。“以上”の品質を追求する余地はなさそうだ。
『NieR:Automata』
https://nierautomata-anime.com/
原作は17年にスクウェア・エニックスが発売したビデオゲーム。西暦11945年。地球に襲来したエイリアンが作り出す機械生命体と人類の生み出すアンドロイド兵士の対立はおよそ数千年間継続していた。人類は最新鋭のアンドロイド兵士「ヨルハ機体」を戦線に投入。そのヨルハ部隊の隊員「2B」と「9S」は世界の秘密を知る。初回は2Bと9Sが荒廃した地球に降下。戦いの末に自爆する。
展開は同作の体験版の範囲と一緒。制作はA-1 Pictures。監督は益山亮司。A1作品だけあり作画も美術もリッチである。ただ設計段階で100%CGを使用しているカット割りの作りや、機械生命へのCGの多用、ソリッドなキャラクターの線描で手描き部分が区別しにくい。アナログの“よさ”もうもれ気味である。単一クールのみで複数あるゲームルートは消化できない。アニメオリジナルにしないと分割かも。
『イジらないで、長瀞さん 2nd Attack』 第１話 「センパイと私の仲なんスから〜」
https://www.nagatorosan.jp/
原作はマガジンポケット（講談社）で連載しているナナシの漫画作品。21年４月に放送した１期に続く２期。気の弱い美術部の八王子直人――センパイはドＳだが中身は純情な長瀞早瀬と長瀞フレンズにふりまわされていく。初回はまったくもって１期の続き。長瀞ちゃんに翻弄されてしまう直人の構図。基本２人のこの関係性がわかったなら作品の説明はできている。そういう意味で得な作品。
制作はオーエルエム TEAM INOUE。監督はウシロシンジ。オーエルエムの井上たかしチームで「妖怪ウオッチ」スタッフ。１期の制作はテレコムだったがスタッフはほぼ総入替え。ですから１期と微妙な作風というか作画の違いは感じる。とはいえテレコムが協力にはいっているし大丈夫だろう。１期からやっていることは一緒でマンネリになっているのは事実。でも１期の感想やってるからな。とってはおきます。
『老後に備えて異世界で8万枚の金貨を貯めます』
https://roukin8-anime.com/
原作はＫラノベブックス（講談社）が刊行しているFUNAのライトノベル。今期の「なろう系作品」。家族を事故で失い、天涯孤独となった山野光波は崖から落ちた影響で別の世界と現代を行き来する能力を得る。不幸な生い立ちの影響と慎重の性格の光波は、いつどちらの世界と行き来できなくなってもいいように日本円で20憶円――異世界の金貨で８万枚を貯蓄しようとする。
内容はおもしろいし、実際、知恵を使いヒロインが立ち回る様子も良い。だが本作も「最強陰陽師」などなどと一緒だな。テレビアニメの出来が原作をおとしめる。とにかく構図が定点で固定され、ほとんどかわらずに全体が間延びして見える。制作はFelixFilm。監督は玉田博。22年４月放送の「阿波連さん」のときはよかったのに「阿波連さん」のスタッフはほぼ消えたな。どうしたのよ？
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