mixiユーザー(id:371669)

2022年11月16日14:00

198 view

知恵で魅せる昨年公開の外国映画2本「グリーンランド 地球最後の2日間」「RUN/ラン」。

 11月6日(日)に昨年2021年6月公開の外国映画「グリーンランド 地球最後の2日間」を観る。

「グリーンランド 地球最後の2日間」(リック・ウォーマン・ロー)
昔、第三次大戦の核戦争を題材にしたモノクロ小品「性本能と原爆戦」なる映画があったが、戦争そのものは全く描かず、逃げ惑う人々の道路の渋滞だけで緊迫感を醸し出した知恵で魅せる見本のような映画であった。本作もその映画に近い頭の良い創りである。二日後に巨大彗星激突が予想され、前兆として小隕石群が世界に降り注ぐ。国家は人類生き残りを賭けて一部の人間のシェルター避難を試みるが、当然ながらそこに理不尽な恣意の人選基準が発生する。その資格のリストバンドを巡ってのエゴに塗れた争奪戦、自棄になった者の商店掠奪頻発、子供のいない夫婦の幼児誘拐etcの人間の醜い側面が露わになる。もちろん、自分はシェルターに入れなくとも黙々と任務に励む軍人や、人々の美しい助け合いetcもある。そんな混乱の中で散り散りになってしまった夫婦と一人息子が再会を果たし、夫の浮気で壊れかけていた愛が回復される一点に焦点が絞られる。タフガイが定番のジェラルド・バトラーが普通の父親を好演し、出番は少ないが義父役のスコット・グレンが良い味を出した。21世紀の映画だからVFXを駆使したディザスター・パニックはゼロではないが、そこに頼り過ぎずブロックバスター映画を巧妙に避けた上手い創りである。邦題に付与した副題はリメーク版「日本沈没」同様に羊頭狗肉のような気もするが、そこまでケチをつけるのはよそう。(よかった)

 11月10日(木)にピンク映画「誘惑遊女の貝遊び」を観る。

「誘惑遊女の貝遊び」(竹洞哲也)
しなびた町の海辺にある「ちょんの間」の「風俗店」が舞台だが、ネットの作品解説による現代風のこんな表現はどうもピンと来ず、「女郎屋」と呼ぶのがピッタリ来る風情だ。親から店長を継いだのがダーリン石川だが、町の浄化作戦で廃止に至るまでの顛末を、石川と長年の馴染みホステスのかすみ果穂、姉貴分ホステスのRIKAを御贔屓にしているが浄化作戦の先鋒にされ板挟みになる役人の津田篤、熟女ホストで酔うと狼女に変身する倖田李梨とひょんなことからここで下働きさせられることになった服部竜三郎の、三組男女の色模様で、竹洞哲也・小松公典の監督=脚本コンビによりユーモアも交え、久々にシットリと綴る。なかなかの出来栄えであったが、でも「女郎屋」ムードとはしっくりこないのは、時代背景が平成で致し方ないところだ。(まあまあ)

 11月12日(土)にピンク映画「お天気キャスター 晴れのち濡れて」を観る。

「お天気キャスター 晴れのち濡れて」(吉行由実)
極度のあがり症のお天気キャスター椿かなりは、カウンセラー吉行由実の治療法により、本番前にこっそりトイレでオナニーで絶頂を究めることでそれを克服する。前任キャスターの倖田李梨は、そのスキャンダルをスッパ抜いて復権を試みんと画策する。何ともピンク映画ならではの筋立てで、リアリティに乏しいことこの上ないが、うるさい事を言わなければ、いかにもピンクらしい展開で微笑ましいとも言える。後半は軽いミステリー仕立てで、ワキのカメオ出演と思えた吉行が重要ポイント占め、さりげなく出ていたヒロインの親友さとう杏子が、濡れ場も担当する驚愕の(というのは大袈裟だが)真相に至るあたり、脚本も兼ねた吉行由実の手慣れた職人技であった。国沢実=さらだたまこの、ヒロインの恋人のアパート大家夫婦の、出歯亀とおせっかいぶりが楽しかった。(よかった)

 11月14日(月)に昨年2021年6月公開の外国映画「RUN/ラン」を観る。

「RUN/ラン」(アニーシュ・チャガンティ)
先天性下半身麻痺の車椅子生活で、喘息持ちに心臓の持病を抱えた娘を、献身的に支えている母親。しかし、大学入学を目前にした頃、薬の誤用疑惑に端を発し、次第に愛情の注ぎ方が常軌を逸してくる。娘は体が不自由だから、ジワジワとその怖さのサスペンスが効いてくる。ほとんど母娘二人だけの進展で、グイグイ引っ張る知恵で魅せる映画の見本の様だ。監督は「seach/サーチ」のアニーシュ・チャガンティ、前作はPC画面だけで映画を構成を試みたアイディア倒れに終わったが、今回は狙いがピタリと決まった。一言で言ってしまえば母性愛が異常に強いサイコパスの話で、こう書くと「オイ!ネタバレするなよな」と𠮟られそうだが、そのサイコパスぶりが呆れかえるくらい屈折しており、この程度はネタバレなどと言わず楽しめることは保証します。エンディングでこういうサイコパス体験は、遺伝・増殖するかも?と思わせる余韻も悪く無い。(よかった)

 前回日記から15日(火)までに観た自宅観賞映画は次の20本

「グリーンランド 地球最後の2日間」
「それいけ!アンパンマン アンパンマンとハッピーおたんじょう日」
「メモリーズ 追憶の剣」「ステルス」「卒業白書」
「zk/頭脳警察50 未来への鼓動」「アナーキー」「冷たい月を抱く女」
「すてきな片想い」「想影」「誘惑遊女の貝遊び」「メイフィールドの怪人たち」
「お天気キャスター 晴れのち濡れて」「ぼんとリンちゃん」
「それいけ!アンパンマン ばいきんまんと3ばいパンチ」「がめつい奴」
「RUN/ラン」「チンチン55号ぶっ飛ばせ!出発進行」「真紅な動輪」
「東京五人男」

2 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2022年11月>
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930