幼い我が子に「地球は平ら」と教える 地球平面説を信じる親にSNSで非難殺到
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フェイクニュースや陰謀論が蔓延する理由
「情報の作り手の主観、作意が入るから」
カメラ映像にしてもカメラをどこに向けるかという主観や作為が入り込む時点で「完全な客観」はありえない。定点カメラにしてもそのカメラをどこに向けて仕掛けるか？という作為が発生する。
「人間の能力限界として事実の圧倒的情報量をとりこめない」
では360度全方位のカメラですべての音声を無修正、編集なしで拾ったとて。今度は観測者である我々人類が、その情報を消化しきれない。人間のインプット能力の限界がある。
「理解しやすく加工されたフェイクや陰謀論は取り込みやすい」
このあたりは「事実や情報」と「受け手である人間」の関係性によるものだ。上記の通り、「完全なる事実」を取り込もうとしても様々な不完全性があり、そこには「隙間」が生じる。そこをつじつまが合うようにわかりやすくまとめてそれっぽい結論を与える「カルトの教え」「陰謀論」が付け入るスキとなるわけだ。
受け手である人間主体の理由として「点と点をつなげるつじつまを合わせようとする能力」がある。この能力は有効に活用すれば非常に有益なものだ。「推理力」「未来予知力」「仮説構築能力」とも呼ばれるものだ。
一方で悪い方向に働くと「陰謀論」「霊感商法」を妄信してしまうわけだ。上記の「完全なる情報の隙間」を埋めるように「予断」として用いてしまうわけだ。
中立的で良い事例なので「星座」を用いるとしよう。星が7つあるのを見て、人はそれを柄杓型につないで北斗七星を作る。実際に宇宙に出てみても、「柄杓」は存在しない。
にも拘らず人は北斗七星を柄杓に見立てるわけだ。
いくつかの「点」が証拠として提示されたとて、全体像は見えにくい。能力の高い人ほどその欠落部分を補って全体像を想像して描く能力が高い。
ただし、つじつまが合うように点をつないだものが「隠された真相」であることもあれば
「単なる陰謀論」であることもあるわけだ。
またＡ論のエビデンスに対して反Ａ論のエビデンスを提示したとて、それは「反論の成立」を意味しない。単に「反する内容のエビデンスが2つある」だけだ。自分に都合の悪いエビデンスは信じず、都合よいエビデンスだけを信じる人同士ではそもそも議論が成立しないものだ。互いに「相手のエビデンスはフェイクだ」とののしりあう獣が2体現れるだけである。
なお、あるエビデンスを完全に検証しようと思ったら、そのエビデンスを作成した人物や組織に権限をもらい内部監査をする必要がある。だが、それですら万全ではないし、なによりもコストがかかりすぎて現実的ではない。（かつてＣＩＡとして内部監査の経験は８年ほどあるが、本当に大変なんスよ、内部監査って）
「断言できないことは断言しない」「自論の正しさを常に疑う」「決断すべき時が来たら、迷いながらも幾分信じられそうなほうを信じる」これが論理的な態度というものだ。
実は論理で明確に正解を決められることは極めて限定的であって、行きつくところは「何を信じるか」という信仰の問題になってしまうのがなんとも皮肉なものだ。
大学生の頃、エホバの証人の方に2年くらい訪問してもらったことがある。相手は私に教えを説き、私は彼を論破しようと試みた。まあ「信仰の前には論理は無力」ということで当然のように徒労に終わったわけだが、相応に有意義な試みではあった、かな？（笑）
なお日本人がリーダーに求める「決断力」は「私はこの決断に責任を持つ」というある種の「決めつけ力」だ。「絶対に正解という結論が出るまで何も決めない」としたらすべてが手遅れになる。ある程度のところで自分の信仰のもと「とりゃっ」とばかりに聞けつけて突き進む力、たとえ誤りだったとしても、その責任を取る覚悟で決断するしかないわけだ。
岸田首相は現在の日本のリーダーの立ち位置にいる。決めて進むという方向はたとえ私が望まない方向にだとしてもリーダーらしさであることは認める。それがリーダーというものだ。むろん私は私が望まない決断には異を唱えるし次回の選挙で投票しないが（それが民主主義だ）、それでも突き進むべきなのがリーダーというものだ。日本のトップが「聞く力」とか言ってる場合じゃないのだ。
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