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2022年05月23日10:54

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昨年の令和3年公開映画が、続々CS放映。今後も楽しみ。

 5月15日(日)に昨年の令和3年6月公開「ヒノマルソウル 舞台裏の英雄たち」を観る。

「ヒノマルソウル 舞台裏の英雄たち」(飯塚 健)
スキージャンプ団体において、リレハンメルで惜敗し長野で雪辱を果たすオリンピック実話に基づく一作だが、ここでは裏方のテストジャンパーに焦点を当てる。フィクションもかなり交えているだろうが、みんなで獲得した金メダルという方向で、それなりに感動的に盛り上げている。期待の若手男女優オールスターの趣きで、全員の好演もあって爽やかな一篇だ。ただオリンピックフリークでない私にとって、この金メダル至上主義は何とも鼻もちならない。かつて金の期待が高かった若い女子水泳選手が銀に終わった時、「金メダル気狂い」なる言葉を発し物議を醸したことがあったが、(表現にやや問題があったにせよ)私は共感したものだ。オリンピック!オリンピック!と大騒ぎするが、要は単なる大動会に過ぎないだろう。断っておくが私はアスリートはリスペクトしている。検討違いに熱狂するとりまきやファン・サポーターが不快なだけだ。それに、大組織で生きてきた私にとって、一人の功績は多数の裏方に支えられているのは当然に過ぎて、私の偏見だが、今さらのように裏方の価値を謳いあげてもねェ、そんなの世間じゃ当たり前でどこにもあるよって感じだ。(あまりよくなかった)

 5月16日(月)に昨年の令和3年7月公開でキネ旬文化映画第5位の「サンマデモクラシー」を観る。

「サンマデモクラシー」(山里 孫存)
米軍政制下の沖縄で、課税の無いサンマに課税されていることに対し、多額の還付訴訟を起こし、高等弁務官と闘った魚卸業の女将のドキュメント。とはいえ米軍政下時代の映像がそれ程に残っているわけもなく、沖縄出身落語家の志ぃさーが落語調の語りで持たせ繋いでいく。さらにラッパの愛称を持つ異色弁護士のエピソードを加えて、彼の半生をサイレント映画調の活弁で展開する。そして、沖縄返還運動の闘士の瀬長亀次郎も加えて、サンマ裁判が闘争の象徴となっていく。ずいぶん強引な展開だが、軍政下から現代の辺野古米軍基地強行建設にまで至る沖縄県民の怒りは、ビンビン伝わってきた。(よかった)

 5月18日(木)に昨年の令和3年11月公開「母の手仕事−日々の暮らしの記録」を観る。同時期にポレポレ東中野で公開された「スズさん−昭和の家事と家族の物語」の関連作品で、こちらの方は、当時の貴重な記録映像と、スズさんを実の娘の生活史研究家がインタビューするドキュメンタリー映画だそうだが、記録映像をもっと詳しく見たいという要望に応えて家事のみを再編集した家事詳細版とのことである。元はNHKの連作ドキュメンタリーみたいでその再編集版だそうだ。ポレポレ東中野で6日間各1回の6回上映なので、一週間未満だからキネ旬封切映画一覧表には記載されていない。

「母の手仕事−日々の暮らしの記録」(時枝 俊江)
戦前からの衣食住を担ってきた「母の手仕事」を、世紀末に当時の母スズさんに再現していただいた文字どおりの、「手仕事」の貴重な記録である。それ以上でも以下でもないが、これぞ映画的魅惑の原点の一つと言える。「衣」では着物を解いての洗い張りとか、手造りの布団・浴衣・半纏が紹介され、「食」ではおはぎ・漬物・お節料理など、今の眼では練達の職人技に近い。私は末っ子だったので、母は同世代友人・知人の母よりもやや年上で明治最後の45年生まれであっても、戦後の暮らしということもあり「衣」の部分では映画に出てきた洗濯板と盥による洗濯以外は眼にしたことが無かったが、「食」の部分は糠漬けをせっせとかき回していたり、お節料理で今年のゴマメは良い味になったとか、くわいの茎が取れてしまって上手く煮られなかったかとか、呟いていたのを懐かしく思い出したのである。(よかった)

5月22日(日)に昨年の令和3年9月公開「息をするように」を観る。

「息をするように」(枝 優花)
男子高校生が、親の離婚で祖母宅に身を寄せ、東京から地方都市に転校する。元々、内気で内省的な独白を繰り返している子だったが、何故かクラスの人気者で勉学・スポーツに秀でたクラスメートが親し気に近づいてくる。この戸惑いと心の揺れの描写だけの22分の短編だ。ユニークなのは乃木坂46卒業生(と言われても私には馴染みがないが)の伊藤万理華が少年役を演じていること。牲がまだ未分化の思春期の世界だけに、妙な艶めかしさがある。短編なので細かい説明は無いが。東京でBLめいた関係が彼にあったらしい事、クラスメートの腕に痣かありどこか意味あり気な事、その友達の「知らない物は美味しい」との意味深なことば等、行間を読ませ想像力を膨らませる。球玉の掌篇と言えよう。監督は、「女流」写真家(最近は名前だけでは性別不明なケースがあるので、あえて記します。セクハラ的意味は全くありません)28歳の枝優花。これまでも短編で数々の授賞歴があるそうだが、不明ながら私は全く知らなかった。今後に大きな期待を寄せたい映画作家である。(よかった)

 前回日記から22日(日)までに観た自宅観賞映画は次の20本。

「ヒノマルソウル 舞台裏の英雄たち」
「ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ」
「ちむぐりさ 菜の花の沖縄日記」「サンマデモクラシー」
「米軍が最も恐れた男 カメジロー不屈の生涯」「密告」
「ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ」「シンプル・フェイバー」
「ドライブ・アングリー」「ハッピーボイス・キラー」
「母の手仕事−日々の暮らしの記録」「アドリフト 41日間の漂流」
「ファイナル・スコア」「ブリット=マリーの幸せなひとりだち」「ヘカテ」
「アップグレード」「怪傑ナガネギマンとドレミ姫」
「それいけ!アンパンマン ルビーの願い」
「アニバーサリー 記念日が行方不明」「息をするように」

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