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2022年05月18日11:32

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変態の描く空想と浪漫!「シン・ウルトラマン」

ウルトラ・フェティッシュ!
観終わった後の感想がそれでした。
色々な理由による賛否があるのを上映前から知っていましたが、観終わってみればそういうものが何一つ参考にならないと思いました。
観て、感覚的に面白いと思うか、思わないか。
この映画に関しては、結局それだけだと思います。

僕は非常に楽しめました。
しかし、何が良かったのか説明するのが難しいというか、面倒くさいという気持ちです。
別にいいじゃない。
あなたがこれを観て、面白ければそうだし、ダメならそれもそうだろう。
これは理屈ではなく、完全に好き嫌いの問題じゃないかと思うからです。

最初は批判する人の意見に興味があって読んだり聞いたりしましたが、どれも退屈になって途中で止めてしまいました。
結局、自分が感覚的に楽しめなかった理由を必死で探しているだけに過ぎず、好きな人は「そこが良いじゃない」となってしまうだけの部分だからです。
楽しめなかった人がいるのは当然で、それはただそれだけの事です。

この映画の製作における経緯は知りませんが、僕が観た限り「庵野秀明のウルトラマン限定DJパーティー」みたいなものに感じました。
俺がウルトラマンで好きなものは全部やる、そうでないものは触れもしないというパーティーですから、「嘘だろ、あの曲かけないの?ありえない!」という感想は当然、むしろそういう「どうかしている」所を楽しんで!という類の企画なのでしょう。

樋口真嗣が監督、庵野秀明はあくまで監修なのだから、この映画は樋口真嗣の作品だ!と主張する人もいましたが、どうかと思います。
シン・エヴァのメイキング・ドキュメンタリーを見れば、監督とされた人の扱いがどんなだったか分かるはずです。
今回も好きにやれと言われてやったら全部不採用にされ、困っていたら「時間が無いから俺がやる」の連続だったのでは・・・。
こうなると「庵野が気に入りそうな風に作るしかねえだろ」と忖度したものを最初から作ったはずです(だが却下される)。
ただ、監督(という立場に耐えられる人)がいなければ絶対に完成しなかったのは間違いないので、彼の功績は大きいと思います。
シンジ君は本当に頑張った。

ウルトラマンと言えば、僕が子供の頃大いに大好きだったコンテンツです。
ただし、好きだったのは怪獣と主題歌で、お話の内容にはまるで興味が無かったし、それこそ「実相寺アングル」なんて気にもしません。
その後、ウルトラマンに影響を受けた庵野秀明が自身の作品で執拗にその影響を使い倒す事で「庵野らしい」演出とされ、彼の作品でそういった演出を意識したのです。
今回はその原点の映画化ですから、様々な演出がまるで「濃縮還元」の様になっており、それがしつこく感じる人をウンザリさせてしまうのは仕方ないのかもしれません。
僕はそういった演出をすべて「エヴァっぽい」と思いつつも、とても楽しめました。

オリジナルのウルトラマンに深いリスペクトを捧げた作品なのは間違いありません。
その結果、どこまでが「あえて」そうした演出なのかが分からなくなっています。
登場人物のわざとらしい演技、特撮やCGの安っぽさ等は批判の対象になりがちですが、かなりの部分はわざとそうしている様に感じました。
特に、でっかくなっちゃった長澤まさみのシーンの合成丸出し感!
紳士服のCMかと思いました。
アリさんマークの引越社のCMにおける赤井英和の方が、よっぽどリアルに感じます。

それにしても、長澤まさみは素晴らしかったと思います。
この映画で一番魅力的なのは彼女だったと言っても過言はありません。
数々の変態描写により「セクハラ映画」と呼ばれ、一部ではかなり批判されている様ですが、大いに結構!
直接的に露出の激しいシーンや性的なシーンは微塵も無いのに、変態的ないかがわしさを感じさせるというのは素晴らしい演出の成果です。
変態にしかできない所業です。

映画に品行方正なものを求めるという事自体、理解しがたいものです。
僕が映画に求めるものは常に、「どうかしている」「異常な」「見た事のない」「圧倒される」ものなのです。
普通で当たり前でコンプライアンスを順守したものなんかを観に、わざわざ劇場にまで行って金を払いません。
この映画では長澤まさみが一番分かりやすいでしょうが、それ以外のすべてのもの、つまりウルトラマンや怪獣も含めたすべての演出にも、フェティッシュなこだわりが充満しているのです。
だからこそ理屈抜きに「カッコイイな!」「変で面白いな!」と笑みがこぼれる映画になっているのだと思いました。

もう一人の素晴らしい役者の話もさせてください。
誰もが絶賛していますが、メフィラス星人を演じた山本耕史です。
彼が唐突に登場した瞬間、「アッ、犯罪者だ!」と思いました。
見覚えはあるけど、誰だか思い出せない。
確か芸能人だけど、罪を犯して出られなくなっていた人だったのでは?
そんな印象が瞬間的に浮かんだのです。

ずっと笑顔で、論理的な言葉しか言わないのに、確実に恐ろしい存在である事が伝わります。
彼には特殊メイクも何もいらない。
素顔がそのまま「悪質宇宙人」だからです。
あまりのキャスティングの妙に、戦慄するほどでした。

後で分かったのですが、彼は堀北真希と結婚した人でした。
やっぱり、とんでもない犯罪者だったのです。
しかし、メフィラス星人なら、これは仕方がありません。
そんな納得もしました。

「シン・仮面ライダー」の予告編も流れましたが、この「シン・シリーズ」はいずれ、アベンジャーズの様に融合していくのでしょうか?
ゴジラVSウルトラマンVS仮面ライダーVSエヴァンゲリオン!
別に観たくないか・・・。
でも、ヒロイン対決なら絶対観たい!
石原さとみVS長澤まさみVS浜辺美波VS宮村優子、南海の大決闘!
これは、今の日本で唯一の希望かもしれませんね。

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