現実を動かす力

現実を動かす力が
判断力ではないことは確かだ。

なぜならば
正しい判断でも
現実は動かないからだ。

判断よりも
意地が強ければ
意地が勝つし

意地よりも
暴力が強ければ
暴力が勝つし

暴力よりも
権力が強ければ
権力が勝つ。

権力や
軍事力や
国家よりも
強いものは
あるだろうか。

ほんとうは
それが
神仏の力であり
人格（人徳）の力であり
愛の力だ。

けれども
人格や愛でも
暴力の意前に
惨殺された例がある。

人格や愛もまた
暴力の前では
無力なのだ。

神仏はしかし
暴力では滅せないし
国家の力でも壊せない。

けれども
「神も仏もあるものか」
と思えることは
数限りなく存在する。

シェリングなら
「現実で起きることは
　所詮
　偶然性だから
　問題にすることはない。

　最も大切なのは
　永遠の真実であり
　それは
　可能性（ポテンツ）の世界だ」
と言うだろう。

可能性の世界に生きる限り
理想は実現しているし
幸せもまた実現している。

地位や
名誉や
財産など
現実的諸力を

総（すべ）て
「偶然だ（空だ）」
として
関心から外すことができたなら

その瞬間から
人は
幸せだし
自由だ。