数日前、福島市を訪ねた時、県立美術館では何をやっているのだろう…と思ってスマホで検索してみたら、なんと『THEドラえもん展』。なぜ美術館で子供だましのような展覧会を開催するの…と怪訝に思いました。しかしよく読むと、日本を代表する現代美術家に「あなたのドラえもんをつくってください」というオファーを出し、日本中に夢や希望を与えてきたドラえもんのオマージュを新しい発想や技法で表現するという趣旨であることが分かり、見に行ってみることにしました。参加している美術家のリストを見ると、村上隆、会田誠、梅佳代、山口晃、森村泰昌、奈良美智、福田美欄など。
私、ドラえもんは小学生の時に卒業しました。たしかに子供の時は楽しんだけれど、今はまったく興味がないし、ソフトバンクのCMにドラえもんの実写版パロディ、どこがおもしろいの?と冷ややかに見ていたのですが、この展覧会は現代美術家の視点がなかなかユニークでおもしろかったです。
ちなみにほとんどの作品は撮影がOKでした。むしろSNSで発信してもらって、集客性、話題性、現代美術の認知度向上を狙っているようです。でもこの展覧会は昨日で終了。
これは福田美欄の「レンブラント−パレットを持つ自画像」は、レンブラントの晩年の未完の自画像の複製画とドラえもんを合体させたもの。レンブラントが残した謎の円弧とドラえもんの手が重なっていて、整合しえないものが妙に調和していて笑えます。不思議なポッケにレンブラントの謎が入っているイメージですね。
これは奈良美智の「依然としてジャイアンにリボンをとられたままのドラミちゃん@真夜中」という作品。私、奈良美智が描くキャラクター的な作品は好きではありませんが、このドラミちゃんは奈良氏の作風と妙の整合していて、おもしろいと思いました。彼の作風がどんなものでも取り込んでしまう包括性がニクイ…w。
帰路、そういえば今年の私の年賀状、チコちゃんの個性的なキャラを引用して、コロナ封じのお守りのイメージでアマビエを描いたことを思い出しましたよ。上の展覧会の趣旨を同じようなことを自分がやっていて笑いました。
ログインしてコメントを確認・投稿する