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2021年11月24日20:15

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監督に紫綬褒章を今すぐ!「スカイ・シャーク」

公開前から非常に期待していたのがこの「スカイ・シャーク」です。
ナチスが空飛ぶサメに乗って旅客機を襲う!
そんな夢(主に社会不適応者の)のようなシーンを実際に映画にしてしまっただけで、この監督には世に生まれてきた意味があると思いました。
まずは監督のご両親に感謝したいと思います。

映画におけるキラーコンテンツである「ナチス」と「サメ」を同時に出すなんて掟破りですが、それはこれまでやらなかった監督達が悪いのであって、監督はずるくありません。
しかも、ゾンビも出る、オッパイも出る、なにより血飛沫が大量に出る!
よく大学の近くにある定食屋で激盛のランチを出す店がありますが、監督はそこの主人と同じような豪快な気質なのでしょう。
全部入っていたらいいんだろ!

ナチスが現代に蘇って襲ってくる映画と言えば「アイアン・スカイ」という、これまた眩いばかりの大傑作があります。
もしかしたらマーク・フェーセ監督は、「アイアン・スカイ」を観て勇気をもらい、この映画を製作したのかもしれません。
こんなふざけたナチス映画を作っても大丈夫なのだと。

まあ、こういう映画はうまくいかないのが大半ですが、僕は決してネタ的にこの映画を支持したのではありません。
予告を観て、そのビジュアルに痺れたのです。
空飛ぶサメに乗ったナチスのカッコ良さ!
彼らが旅客機の中で行う、残虐な大殺戮!
おそらくここが映画のピークなのでしょうが、こんな見せ場があるならそれだけで価値のある作品だし、それを観に行かないという選択肢は無い!と強く思ったのです。

残念ながら、静岡では公開されませんでした。
こんな(おそらく)偉大な映画が公開されない静岡はまだ全然ダメだと思ったし、全国展開出来ないこの国の文化レベルの低さにも絶望をしたものです。
絶望をしつつ、そんな映画の事をすっかり忘れてしまった頃、なんとwowowで放送されたではありませんか!
惰性で契約を続けていて良かった!

事前に、この映画の難点についても聞いていました。
素晴らしいシーンはあるものの、無駄で退屈な部分も多く、総合すると褒められた映画ではないと。
その点も考慮した上で観ましたが、まあ確かにその欠点はありますが、それでも僕はこの映画を応援したいと思ったし、僕に自民党の様な権力があれば今すぐ紫綬褒章を授与させたと思います。

この映画には、監督のやりたかった事だけが詰め込まれています。
心の底からこういうシーンが撮りたかったのだ。
その気持ちは、この映画を批判する人にもはっきり分かると思います。
必要かどうかは問題ではないのです。
だから、逆に必要な説明が無く、こんな単純な映画なのに意味が分からない部分が多いのです。

この映画は、それぞれのパーツ自体は異様によく出来ていたりします。
大作映画のようなゴージャスな映像も少なくありません。
しかし、ギョッとするようなチープな映像も多数登場します。
オシャレで美しいシーンも頻発しますが、同時に非常にお下劣でポルノまがいのシーンもたっぷりあります。
全体のバランスが、明らかに異常なのです。

監督、製作、脚本はすべてマーク・フェーセ。
もう一人の製作者カーステン・フェーセは、多分家族でしょう。
一人の思い立った男が、人生を賭けて挑んだ挑戦がこの「スカイ・シャーク」なのです。
映画の歪さは、彼の初期衝動の純粋さに誰も手を加えなかった証です。
トム・サビーニが特殊効果のスーパーバイザーとして参加しているのも、オタクの夢の実現です(実際には何もしなかったかもしれないが)。

否定的な事は何も書きたくないと思いました。
応援だけに徹したい。
そう思わせてくれたのです。
意味が分からないなら、もう一度観れば良い。
10回も観たら、何が分からなかったのかも分からなくなるでしょう。

そして、監督の私財が尽き、家族や友人からも見放され、もうダメだ、と思ったその時。
空からサメに乗ったナチス姿のファンが集まってきて、皆で彼に手を差し伸べる。
その中の一人になりたい、と強く思いました。
マーク・フェーセに励ましのお便りを送りたいので、誰か郵便番号から教えてください!

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