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2021年11月12日16:39

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「染付 花籠文 大皿」

 今回は、「染付 花籠文 大皿」の紹介です。


写真1: 表面
     釉薬の色の調子が、ちょっと「古伊万里」ではないような気がします。

写真2: 側面
     かなりの歪みがみられます。

写真3: 底面
     高台は、断面が三角山のような形に削られています。



 これは、平成22年に(今から11年前に)、骨董市で買ったものです。

 骨董市では「古染付」として売られていたものですが、私としては、「古染付なのかな〜、古伊万里なのかな〜? どちらなのかな〜」と迷いました。

 ちょと迷ったわけですが、「まっ、後でよく調べることにして、とりあえず買っとくか」ということで買ったものです。

 その後、少しは調べましたが、よくは分かりませんでした(~_~;)

 それでも、コレクション・ノートの記録を見ますと、買った時点では「古染付」に分類していましたが、買ってから3年後の平成25年には「古伊万里」に分類変えしていることがわかります。

 そして、更にその4年後の平成29年には、かつての拙ホームページの「古伊万里への誘い」の中では、「古伊万里」として紹介しています。

 ところが、更にその4年後の令和3年の現在、このブログで紹介するにあたり、この「染付 花籠文 大皿」をよく見てみましたら、今度は、「古伊万里」ではないような気がしてきました(><)

 釉薬の色の調子、高台の作りが、ちょっと、「古伊万里」とは違うのではないかと思うようになってきたからです(><) 高台の断面など三角山のようになっていますものね。

 それで、今回は、この「染付 花籠文 大皿」につきましたは、


生 産 地: 中国・景徳鎮
製作年代: 清朝の始め頃
サ イ ズ : 口径24.4~24.8cm(歪みがあるため均一ではない) 底径12.9cm


として紹介したいと思います(~_~;)

 陶磁器の鑑定には、なかなか難しいものがありますね(><)

 なお、参考までに、かつての拙ホームページの「古伊万里への誘い」の中でこの「染付 花籠文 大皿」を「古伊万里」として紹介いたしました紹介文を、次に再度掲載いたしますので、ご笑覧いただければ幸いです。





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              <古伊万里への誘い>

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*古伊万里ギャラリー231 伊万里染付花籠文大皿      (平成29年8月1日登載)


 この皿は、或る骨董市で買ったものである。

 売り主は、「古染付」として売っていた。

 私としては、「古染付」ではないんじゃないかな〜、「古伊万里」じゃないのかな〜とは思ったが、古さは感じられたので、「古染付」でも「古伊万里」でも、どちらでもいいや、後でよく調べようと思い、とりあえず、購入することにしたものである。

 でも、やはり、売り主が「古染付」として売っていただけのことはあり、これを「古伊万里」と認定するまでには時間がかかった(-_-;)

 売り主も、この皿は古いので、一時は、「初期伊万里」ではないのかと思ったことと思う。
 しかし、「初期伊万里」なら1/3高台という特徴があるのに、これにはないので、その推測は否定したのだと思う。
 それで、口縁に釉剥げのような、いわゆる「虫食い」の様なものが見られるので、「古染付」ということにしたのだと思う。

 しかし、良く見てみると、この皿の口縁の釉剥げのように見える所は、それは虫食いではないことがわかる。
 口縁の処理が雑なので、所どころに、ザラザラしたり、欠けたように見える所があるが、それらの部分にも、ちゃんと釉薬が張り付いていることが分かるのである。
 虫食いは、素地と釉薬の収縮率の違いから、焼き上がった時に釉薬が素地に張り付かない部分が生じてしまい、ちょうど、その部分が、虫が食べたように見えることから言われることであって、この皿のように、ちゃんと、口縁全面に素地と釉薬が張り付いている場合は虫食いとは言わないからである。

 とにかく、この皿は、古いことは古いが、造形的に見ても、厚ぼったい作りで、手にすると、ズシリと感じるほどであって、厳しさが足りないし、口縁の処理も雑なために虫食いのような状態が生じてしまい、また、側面の写真からも分かる通り、かなりの歪みが出てしまうほどにラフな作りである。

 要するに、全体的に雑な作りで、下手(ゲテ)の部類に属するものであろう。

 「初期伊万里」とまでは言えないが、時代としては、「初期伊万里」の時代から、それほど離れた時代に作られたものではなさそうである。

 

江戸時代前期   口径24.4〜24.8cm(歪みがあるため均一ではない)  高台径12.9cm 



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*古伊万里バカ日誌159 古伊万里との対話(花籠文の大皿)(平成29年8月1日登載)(平成29年7月筆) 

登場人物
  主 人 (田舎の平凡なご隠居さん)
  花 籠 (伊万里染付花籠文大皿) 


・・・・・プロローグ・・・・・

 主人は、「さて、今日は、どの古伊万里と対話をしようか」と、書棚から「押入れ帳」を取り出し、例によって、「押入れ帳」の記載内容順に眺めていって、適当な古伊万里を選び出した。
 もっとも、「押入れ帳」には、主人が買い込んできた駄物のたぐいまでが記載されているが、主人には、一応、プライドもあるようで、アップには耐えられないような駄物は飛ばして選んでいるようである。

 

        ----------------------------------------------

 

花籠: お久しぶりです。およそ7年ぶりでしょうか。

主人: うん。そうだね。久しぶりだね。でも、7年ぶりではないようだね。

花籠: ・・・・・・・・・・?

主人: 今、「押入れ帳」を見ていて、「あれっ?」と思ったんだ。
 「押入れ帳」の記載内容に依ると、お前のことは平成22年に「古染付」として買っているんだね。それが、3年後の平成25年には「古伊万里」に分類変えをしているんだ。ということは、平成22年から平成25年までの3年間に、私は、お前のことを何度か見ているということになるね。まっ、平成25年からは見ていないようなので、その時からでも4年が経過しているから、久しぶりといえば久しぶりだよね。

花籠: ご主人は、私のことを、当初は「古染付」として買って、その3年後には「古伊万里」に分類変えしているんですか。購入する際の鑑定眼が疑われますね。

主人: そう言われると面目ない(><)  先方の売り主が「古染付」と言っていたので、ついついそれを鵜呑みにしてしまったんだ(><)
 言い訳がましくなるが、私は、ここのところ、ほとんど「古伊万里」しか買わないけれど、「古染付」は「古伊万里」の先輩でもあるので、たまには、気に入った「古染付」に出会うと、それを買う場合があるんだよ。そんなこともあって、お前を見て、「先方は「古染付」と言っているが、本当かな〜。「古伊万里」じゃないのかな〜」とも思ったが、その場では、「どちらでもいいや。後でじっくり判断しよう」と決断し、お前を連れ帰ったわけだ。 

花籠: そんなことは、よくあることなんですか。

主人: いや、私の場合は、めったにないことだね。先方が、「これは中国物だよ」とか「これは朝鮮物だよ」と言っていても、「いや、これは古伊万里にちがいない」と思えば、それを「古伊万里」として買うし、逆に、「これは古伊万里だよ」と言っていても、「これは中国物じゃないのかな〜」とか「これは朝鮮物じゃないのかな〜」と思えば買わないものね。まっ、先方の言うことを信用せず、自分で判断して買っているということだね。
 だいたいにおいて、骨董なんてものは、売る方は、なるべく高く売りたいので、高く売れそうに分類して売ってくるし、また、よく分からなくとも高く売れる分類にして売ってくるからね。油断も隙もないから、自分で判断して決めて買うしかないんだよ。

花籠: わかりました。で、どうして、私の場合は間違ってしまったんですか。

主人: うん。その物に、初期伊万里様式とか古九谷等式、或いは柿右衛門様式というような典型的な様式を備えている場合は簡単なんだよね。そのような物は、値段も高いが安心して買えるね。でも、それでは、コレクターにとっては面白味に欠けるんだよね。 ありきたりの物に感じるというか、コレクターにとっては新鮮味に欠けるんだよね。
 ところが、お前のように、典型的な様式の特徴を備えていない物に出会うと、コレクターは迷い、買うべきか見過ごすべきかと逡巡するんだ。物は古いし、あまり見かけない物で新鮮なんだが、いったい、何処で何時頃作られたものなのだろうかと迷ってね。
 だが、私は、そのような、自分の目に留まり、自分の心の琴線に触れたものは、一応、買うことにしているんだ。当座は、何時、何処で作られたものか分からなくとも、後で調べれば分かるだろうと思ってね。いわば授業料というか教材料と思ってね。

花籠: では、私は、授業料といいますか教材料ということで買われたんですか。

主人: まっ、そんなところかな。勿論、私の手に負えないような値段なら買わなかった、というか買えなかったけれどね。
 だから、お前を買った時点では、正確に言うと、「古伊万里」を「古染付」と間違って買ったんではなく、「古伊万里」なのか「古染付」なのかの判断がつきかねて、一応、どちらでもいいからということで買ったというところかな。 

花籠: 結局、私は、「古染付」ではなく「古伊万里」に属すると判断されたようですが、何時頃作られたものでしょうか。

主人: 正直言って、よくわからないんだ(><)
 初期伊万里の特徴を備えたり、藍九谷の特徴を備えているのなら、それなりにはっきり分かるんだけどね。
 造形的にみても、初期伊万里なら1/3高台とか、藍九谷ならもっと薄作りで厳しい作りであるとかの特徴を備えているんだけれど、お前にはそれがないものね。ただ古いという感じは受けとれるんだけれども、様式的な特徴がないから、よく分からないんだ。

花籠: 様式的な特徴を備えていない「古伊万里」というものも存在するんですか?

主人: それは存在するんじゃないかな。むしろ、そのほうが多いんじゃないかと思う。
 本や図録には、典型的な様式を備えているものを、その様式毎に並べて登載していることが多いので、それらの様式を備えていないものは存在しないかのように思いがちだが、そんなことはないと思う。

花籠: はい、わかりました。
 でも、 何の様式的な特徴も備えておらず、本や図録にもその類似品が載ってもいないものを、ご主人の独善的な判断で「古伊万里」に分類し、製作年代も決めていっては、あまりにも主観的なことではないですか。そのようにして集められた物が多くなると、ご主人のコレクションも主観的になり、客観性の担保されない、ひとりよがりなコレクションになってしまうのではないですか。

主人:: それは痛いところを突いてくるね。確かに、それは言えるかも、、、、、。 まっ、そうならないように気をつけることにしようと思う。でも、コレクターというものは、へんなもので、だんだんと、ありきたりな物には満足しなくなり、本や図録には載ってないような物に興味を示すようになるんだよね・・・・・(><)  そうはいっても、お前の意見はもっともなので、他山の石として心に留めておくよ。



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