mixiユーザー(id:462499)

2021年09月17日08:03

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ブラインドサイト(上下)

を読んだ。昨日。ピーター・ワッツ著。嶋田洋一訳。
 発達障害の治療のために脳の半分を摘出したシリ・キートンは「統合者」と呼ばれる客観的な観察による情報を他者に伝えることができる能力者となった。
ある日地球を65536個の異星人による探査機が覆い尽くした。
その発進元と思われる彗星に向かったのは、復活した吸血鬼をリーダーに、四重人格者の言語学者、感覚器官を機械化した生物学者、平和主義の軍人、そして統合者シリというメンバーを乗せた宇宙船テーセウス。
彼らは異星人と思われる存在と遭遇し、ただちに会話までもが成立するが、その存在はなにか様子がおかしかった・・・。
 たまには新しめのSFを読んでみようと本書を手に取った。
原書の出版が2006年で、本文庫が2013年発行。
最近明治か昭和初期に書かれた本を読むことが多い化夢宇留仁的感覚で言えば超最新作(笑)
で、感想だが・・・とりあえずテクニカルタームを駆使して、感情移入不可能なキャラクター達が、そもそもまともにコミュニケーションが成立するのか疑問のある地球外の存在とファーストコンタクトする話・・・の割には読みやすく、面白いと感じないことはない。
しかし先述のキャッチーすぎるあらすじから想像する冒険譚とはあまりにも乖離が激しいのと、少々翻訳にも問題がある(雰囲気って・・・)ようで、状況がつかみにくいところも多く、少々もったいない感じ。
そもそも本書のテーマは意識に対する考察なので、宇宙人とかどうでもいいみたいな(笑)
世界で7つの受賞歴がある作品ということだが、アイデアや科学的考察が評価されたのか、作品の完成度としては化夢宇留仁はあまり評価できない結果になった。
 それはそうと、この文庫の表紙は素晴らしいと思う。
だいたい上下巻で画をつなげたデザインのものはどっちつかずの中途半端な感じになってしまうことが多いのだが、本書はつなげて見て素晴らしいのは勿論、片方だけ見てもかっこいい。
<ネタバレ>
 それまでなんとか普通に読めてきたのに、最後の展開は状況も理由もとてもわかりにくくなってしまっており、結末としては非常に残念に感じた。
吸血鬼は必要だったのか?
なんでいきなり5人目?
なんでいきなり致命的状況?
地球で吸血鬼が大暴れ?
 この本は続刊が出ていて、それも含めて1つの作品として成立するのでなければ、この終わり方は納得できない。
そしてそうならそうと、全4巻の1〜2巻という形にしてほしいが、やはりそういうわけでもないらしい。

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