津軽三味線を弾く女子高生兼メイドカフェ店員を主人公にした映画「いとみち」が公開されました
http://itomichi.com/
TVアニメの「ましろのおと」といい、津軽三味線がブームなのでしょうか?
以下、映画の内容そのもののネタバレはありません
都内劇場では公開二日目に出演者&監督による舞台挨拶が行われたので、渋谷で観てきました
左から助演のジョナゴールドさん、主役の駒井蓮さん、横浜聡子監督。
監督はバイプレイヤーズ第1シリーズの人ってのが私の認識です。
舞台挨拶付きチケットは池袋のオンライン販売は直後数分で売切れ(池袋は主役と監督の他、トヨエツや古坂大魔王等の有名タレント勢揃い)。渋谷、新宿も完売満員です。
しかし、その他の上映回はオンラインチケットの売れ行きが逆に4、5席しか予約がないとか、回によっては全く売れてないとかあって、超極端な差がありました。
舞台挨拶だけが見たくて、映画には興味は無いって人達が少なからず居たって事でしょうか。
渋谷の舞台挨拶回では客層は8割が男性、年齢は二十歳前後から推定七十代までバラバラですが総じて高め。
青森県出身者が三分の一くらいも居ました。
映画が結構進行してから劇場内に入って来る客がかなり居て驚きましたが、舞台挨拶の時に既に初日に一度観ている人達と判明しました。
監督と出演者は途中から標準語がしんどく成って津軽弁に切り替え
監督は多くの女の子同様に最初はアイドル志望だったとか。
ジョナゴールドさんはご当地アイドル「りんご娘」の一員で演技は初体験では無いものの、本物の女優さんを目の前にして自分との違いに畏敬の念を抱いたそうです。
駒井蓮さんは台本を書き込みメモで真黒にするタイプ
監督は土壇場で悩み決められないタイプなので、自ら役に成り切って自分の方から演技の提案を持ちかけるスタイルを採ったようです。
この作品は青森県民による青森県民の為の映画ですね。ただし正確には津軽であって南部を含みません(青森県は本州北端にあって八甲田山を境に西の津軽と東の南部が政治的理由で合体していますが、双方文化も気候も全く違っていて仲も凄く悪いです)
最近の映画マーケティング対策必須条件は「設定の箇条書」であり、それら多数の刺激・記号を便宜上連結する為だけの方便としての脚本、つまりはTwitterやラインの映像版が成功する映画、ってルールからこの映画は大きく外れて古風な起承転結のある内容で私には好感が持てました
ネット上ではキャラクターが薄っぺらな駄作との評価がありますが、それはその人が監督の演出を理解出来ず、言ってる本人の観察思考力が薄っぺらなのではないかと思います。ウェス・アンダーソン監督が自作で邦画の特徴を皮肉ったように、解説字幕が次々に現れる映画が深みがあると思ってるんでしょうね
この地方で多い名字、葛西さん、工藤さんが何気に台詞で複数別人として登場するのも可笑しいです。
帰宅してから早速”津軽三味線の神様”「初代・白川軍八郎」の復刻版作品集をエンドレスで聴きました
私的に出演者の最大注目は主人公の祖母「相馬ハツヱ」役の西川洋子さん
初代「高橋竹山」の最初の弟子で、同時に最初の津軽三味線女性演者でもある「高橋竹苑」その人です。
青森市内の競輪場外券売り場の隣で「正調民謡の店 甚太古」を母の代から68年に渡ってやっていましたが、3年前に手の不調でお店も三味線も廃業されました。
今回この映画で久しぶりに津軽三味線を演奏する事になり、見所の一つと成ってます。
また、主人公を演じる駒井蓮さんの津軽三味線演奏の特訓を指導したのは二代目・小山貢です
さて、こんな事もあろうかと(声:青野武)、予め「いとみち」のロケ地を散策していたのでした
主人公が通学で使う五能線から見た岩木山。
手前は勿論リンゴ農園です
板柳の駅。
駅からの帰り道に画面左手の厩舎と高架配水塔の根本が映りますが、主人公の家と駅との位置関係は合っていません。
勿論、見栄えを考えての演出です。
周辺は皆リンゴ農園です。
岩木山からこの辺りにかけてリンゴ畑が広大なベルト状に広がっており、その両側および板柳町より北東は水田と成ってます。
地質的には酸性軽石凝灰岩の上に河川・海生堆積物が載ってる平野となります。
板柳町の月夜見神社。
画面向こうの軽自動車が居る辺りのT字路を右折して少しの所に主人公の家としてロケが行われた民家があります
夜のシーンのロケ場所で、向こうからこちら方向を映してます
画面右手外は町役場です。
幡龍橋から岩木山を眺めたところ。
岩木山を見上げる構図のシーンは橋の北側、画面右手の土手から撮影されました。
リンゴ畑といえばスピードスプレイヤー
勿論映画にもゴロゴロと走ってるシーンがあります。
リンゴの木に殺虫液を噴霧する農具で、日本ではご覧のような自走式が主流です
最近では防毒マスクや覆面無しで作業を行える空調完備密閉キャビンタイプが流行ってるようです。
再び板柳の駅。
無人駅で、五能線は非電化です。
こちらは川部駅。
五能線から弘前へ、或いは弘前と逆方向の青森に出るにはこの駅で電車に乗り換えです
主人公が勤めるメイド喫茶は青森駅の近く、この辺りに存在するという設定です。
以前はこの近くに本当にメイド喫茶がありました
ビラ配りシーンのパサージュ広場や青森駅正面の写真は撮ったのが古くてどこに入れたか発見出来ず。
一方、メイド喫茶のセットが実際に組まれたのは弘前のこの近くの雑居ビルです。
劇中に登場する弘前れんが倉庫美術館。
www.hirosaki-moca.jp
写真を撮影した時は倉庫としてはもう使われてない廃屋で、下手をすると解体されていたと思います。
この頃タイミング良く富岡製糸場が世界遺産に認定されてレンガ建築は観光資源だという事に成り、とりあえず何に使うかは後で考える事として保存はしようと決まり、結局美術館に成りました。
学校から弘前駅にかけての通学路で見えるレンガ塀は「弘前銘醸」のようですが、写真が見つからず
ビーチのシーンは浅虫温泉から見た湯の島
鳥居は弁財天宮。
秋の五能線から岩木山。
観光列車「リゾートしらかみ」は窓が綺麗ですが、主人公が使う普通列車は窓が汚れていて、スマートフォンよりレンズが大きいデジカメで撮ると窓の汚れがご覧の通り。
以上でロケ地巡りは終わりです。
田んぼアート発祥の地である田舎館村
今年のテーマは勿論「いとみち」ですが、現在展望台が閉鎖されてるので肉眼で良いアングルで観る事が出来ないのが惜しいですね。
なのでライブカメラでどうぞ
http://www.inakadate-tanboart.net/news/2021/06/post-7.html
私が今まで聴いた事がある津軽三味線で最高だと思ったのは、10年ほど前の青森駅前の再開発中の空き地で演奏していた十代後半〜20代と思われる男性の演奏でした。
イベントとかではなく、練習なのか空き地で折り畳み椅子に座って目を瞑りひたすら弾いてました
とにかく凄くて、通りかかっただけなんですが、足が止まって釘付けに成ってしまいました。
楽器演奏に限らず芸術活動のプロはお客がお金を出す為の演出をやらねば成りませんが、自分が好きでやってる人間は失う物が無いので、絵画でも音楽でもビックリする至高な事をやってのける人が居ますよね。
以下、おまけ情報。
鯵ヶ沢の五能線と岩木山。
”平成の牛若丸””技のデパート”舞の海修平さんの出身地。
木造駅二階から見た岩木山。
土偶駅舎として有名な駅です。
津軽鉄道。
五所川原駅の津軽鉄道本社ビルの名物料理「津鉄汁」
左はこの地方の郷土料理「若生昆布おにぎり」。
それより何より箸袋に目が行ってしまいます。
津軽鉄道の金木駅の近く、太宰治の実家の正面には「津軽三味線会館」があり、各家元が交代で生演奏を披露する様を楽しめます
演奏が終わりに近くなると、紙吹雪が降ってくる演出が特徴。
http://www.kanagi-gc.net/syami/
青森駅近くの商業施設「アスパム」でも定期的に無料演奏会が開かれてます。
こちらは青森駅近くの施設アウガ地下市場の郷土料理居酒屋「りんご箱」。
惜しくも昨年亡くなられた青函連絡「檜山丸」西沢船長達と一緒に宴会した時のもの。
http://auga-ringobako.com/
アウガは商業施設としては上手くいっておらず、前市長の鹿内氏はその責任を取らされて辞任。でもこの施設の失敗は鹿内氏じゃなくて前々市長とかの無策のせいでしょう。青森では相変わらず土建の発言力が強く無意味な土木工事が繰り返し繰り返し為されており、改革派の鹿内氏は言い掛かりを付けられたとしか思えません
そのアウガ地下市場、何軒かある食い処のうち一番なのが「丸青食堂」。
味、ボリューム共に他を凌駕しますが、現在は写真より海鮮具材は減らされ、卵焼きで間を持たせてる上に、価格も驚くほど高騰。
同、ラーメンと総菜のお店。
青森名物「焼き干しラーメン」が食べられますが、このお店は麺にまで焼き干しの粉末を練り込んであるのが特徴。それでいて魚貝系出汁ラーメンの生臭さはなく爽やかな味わいで穴場です。
なお、現在は経営母体が変わって店名が「㐂伝」に成りましたが内容は同じです
http://www.auga.aomori.jp/shinsen/tenpo05.html
青森市から下北にかけての郷土料理「貝焼き味噌」
郷土料理なのでお店やご家庭によってバリエーション多数。
青森市内各市場では貝焼き味噌の器用としてホタテ貝の貝殻が大量に売られてます。
青森市の町興し料理「味噌カレー牛乳ラーメン」
元祖のお店は廃業してますが、ここは二店ある暖簾分けの一つ。
看板は現在は”味噌カレー牛乳らぁめん”と替えられてます。
撮影した頃は普通の街ラーメン屋でしたが、現在は片手にスマホ持ったタベロガー達が長蛇の列を作る行列店に成ってしまい暫く食べてません。
青森駅周辺のラーメンといえば今や煮干しラーメンを有名にした全国区の「長尾中華そば」、映画のロケも行われたパサージュ広場にあり屋台発祥の隠れた名店「麺処石岡喜一郎商店」があります。
が、何と言っても地元のソウルフードといえば「まるかいラーメン」。観光客は寄り付かず地元民でいつも混雑しています。最も営業停止処分を食らった事があるレベルの品質と酸味の強い味は、私の味覚には正直全く合いません。
おそらく青森県で最初の萌えキャラ。名称不明。勿論今は萌えキャラなど履いて捨てるほど居ます。
画面左端の建物の角は、お婆ちゃん役の西川洋子さんの「正調民謡の店 甚太古」。
結局一度もお店に入らず廃業に成ってしまい、悔やんでます
青森県の三大名酒。左から青森「田酒」、弘前「豊盃」、八戸「八仙」。
どれも全く傾向が違って甲乙付けられない旨さです
八仙の文字が裏返しなのに注目。通称裏八仙、限定稀少酒です。
お店は私が行き付けの「三ッ石」
https://www.mitsuishi-aomori.jp/
ラストオーダーが近くなって来ると、マスター(オーナー)が現れて「飲め」と言って希少酒を勝手に注いで来るんですよ
これは田酒の中でも最高峰。しかも生酒バージョンは流通してません。まさに私の為に開栓するところ。
三ッ石マスターが体を壊される前は、お店が閉店するとよくカウンターに居る観光客を引き連れ「鐵の響 サフロ」へと梯子しました。
津軽に津軽三味線あり、青森にスコップ三味線あり
スコップ三味線チャンピオン、師範サフロ吉崎さんの生演奏が聴けます
シャベルを三味線に見立て、栓抜きをバチとして叩いて音を出します。
栓抜きを当てる強さや角度、或いはシャベルの銘柄の差で実に多彩で良い音色が出て驚きます。
客席にもシャベルが配られ、お客も体験する事が出来ます
希望者はステージへ。
左端は三ッ石のマスター。
体験者には賞状や、リピーターには有段者ステッカーなどもらえます。
狂喜しているお嬢さんはうちの超近所にお住まいと判明。
またメイド喫茶の設定区域の風景。
八百屋(禁止用語)の右隣りはこの直後解体消滅。
「玩具・花火・菓子卸問屋 小笠原玩具店」、店主がいい味出してます
売ってるものは意外に新しいんで、固定客に流通させているんでしょうね。
終始ガン見して来る猫が怖い
裏路地にはどう見ても崩れかかった廃屋ながら老人が住んでる物件多数です。
このお店は色々とマズくないですか
電話ボックスは雪に埋もれてしまわないよう、基礎は嵩上げされてます
ゆるキャラ達。
地デジ化前のTV局キャラは今はお腹の数字はどう成ったんでしょう。
いくべえ。
出動。
渋谷にミスねぶたと共に出張。
新青森駅。
そして東北新幹線がまだ八戸止まりだった頃の青森駅。
十年ほど前の青森駅前再開発で撤去されんとする展示気動車(中も入れました)
画面左手には地中から出現した青函連絡船八甲田丸のシャフトとプロペラが。
青森駅のホームに残る連絡船連絡口の案内。
今はもう消えてます。
青森鉄道娘。
が、現在は廃線に伴い五人が三人に減少。
青函連絡船「八甲田丸」
以前は閑古鳥が鳴いてましたが、産業遺産ブームと前市長の努力によって観光客の絶えない施設へと変貌。
手前の可動橋共々、機械遺産に認定されてます
が、土建系議員やその支持有権者としてはこんな役立たずのポンコツはとっとと解体して付近を埋め立て、アウトレットモールでも作れば日本はおろか世界中から客が隊列為して続々と押し寄せて来ると妄想していて、八甲田丸関係者や連絡船文化を次世代に継承しようとする団体に対しての圧力や嫌がらせに余念が無いのが現状です。
きっと今世紀末には漁業も自然景観観光も駆逐され、陸奥湾は全て陸地に変貌してるんでしょうね。
左から八甲田丸、巡視船「おいらせ」、高速旅客船「ポーラースター」の青森港三羽烏
https://www.sii-line.co.jp/
今は無き「北方漁船博物館」と「YS-11」。
博物館閉館で、日本一を誇る和船コレクションとYS−11は重機で轢き潰され処分されました
特急より速いカーフェリーとして鳴り物入りで登場した「ナッチャン」姉妹は、「Rela」は台湾に売却、「World」は防衛省配下の運用会社「高速マリン・トランスポート」へと移管され津軽海峡の定期運航はコケました
https://natchan-world.com/about/
なんか話が「青森から消滅したもの」に成ってますね
青森市内の劇団「渡辺源四郎商店」
https://www.nabegen.com/
座長の畑澤聖悟氏は今や脚本家として全国区ですね
連絡船文化伝承にも熱心です。
https://nabegenhp.wixsite.com/skrenrakusen
東京でよく聴く津軽三味線の演者は「輝&輝」
左の武田佳泉さんは津軽三味線全国大会の金木大会で中学生の頃から二度優勝しており、津軽三味線会館には額入り写真が飾られてます。
https://www.shamisenkiki.com/
板柳日記↓
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1976655509&owner_id=1602714
弘前日記↓
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1947956208&owner_id=1602714
2022年1月17日追記。
12月22日池袋「新文芸坐」舞台挨拶。
1月7日、DVD発売日早朝の弘前駅。
青森市内、真ん中のお店がおばあちゃん役、西川洋子(高橋竹苑)さんの「正調民謡の店 甚太古」(廃業)
元祖田んぼアートの田舎館村は昨年「いとみち」だったものの、コロナ禍で展望台封鎖でライブカメラで観れたのみ。
板柳の実家ロケ地。空き家なので雪に埋もれてます。
本来は向こうに岩木山が見えるのですが・・・
2022年9月19日追記。
8月15日、いとが早苗の家に行くELMのバス停を偶然訪問。
おしまい。
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