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2026年10月16日23:18

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「勝手にしやがれ」「気狂いピエロ」「ヌーヴェルヴァーグ」

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「勝手にしやがれ」À bout de souffle。1960・仏レフィルムジョルジュドポールガール/インペリア。白黒35�弌�2K)仏/英/伊語。監脚:ジャン=リュック・ゴダール。原:フランソワ・トリュフォー。撮:ラウール・クタール。編:セシル・デクジ。音:マルシャル・ソラル。
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出:ジャン=ポール・ベルモンド、ジーン・セバーグ、ダニエル・ブーランジェ、ジャン=ピエール・メルヴィル、ジャン=リュック・ゴダール、アンリ=ジャック・ユエ。他映画監督や記者等業界関係者カメオ出演多数。
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映画に留まらず社会全般に影響を及ぼした文化の金字塔として超有名作であり蘊蓄面で私が今さら語る事も無いと思います。改めて観ると結構しっかり纏まった構成であり起承転結がはっきりとした出来栄えで編集時点での脚本の修正努力が推察されます。これまでの滅茶苦茶な印象は後の作品の記憶と混ざったからですね。
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特筆すべきは邦題で、日本配給本社の秦早穂子氏が直訳『息切れ』を作品コンセプトを加味して「勝手にしやがれ」と命名し買い付けたセンスには脱帽します。現代の日本人の酷い日本語力で同様な事が出来るとは到底思えません(それどころかセンス抜群の意訳を『誤訳』と騒ぎ立て優越感に浸る社会)。
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さて、「ヌーヴェルヴァーグ」との比較ですが、驚く程に凄い再現度だと思います。一方で冷静に考察してみると、再現出来る部分だけに集中して再現したとも思えます。つまり例えば「勝手にしやがれ」ロケ地で現在は失われてしまってる場所は「ヌーヴェルヴァーグ」では登場しないとかの演出的工夫ですね。
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オタク的に気に成るのは「勝手にしやがれ」の旅行会社カウンターに飾れれてる旅客機の模型は主翼がダランとヘタっており、木製のソリッドモデルではなくセルロイド製だと推察されます。「ヌーヴェルヴァーグ」ではキチンとした『スーパーコニー』や『ボーイング707』の模型なので博物館かコレクターから租借し使用した木製かベークライト製の展示模型だと
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思われます。「ヌーヴェルヴァーグ」用に製作された小道具ならダレた部分も再現する筈です。車も同様、借用ビンテージカーは汚れや錆に見えるステッカーエイジング以外の処理が出来ず綺麗な訳です。「ヌーヴェルヴァーグ」を観ると余計に「勝手にしやがれ」がヤッツケ完成度では無い事が逆説的に強調されますね。
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「気狂いピエロ」Pierrot Le Fou。1965・仏パリフイルム・35�丱轡優好魁�2K)仏英伊語。監脚:ジャン=リュック・ゴダール。原:ライオネル・ホワイト『Obsession』。撮:ラウール・クタール。編:フランソワーズ・コラン。美:ピエール・ギュフロワ。音:アントワーヌ・デュアメル。
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出:ジャン=ポール・ベルモンド、アンナ・カリーナ、グラツィエラ・ガルヴァーニ、ダーク・サンダース、ジミー・カルービ、ロジャー・デュトワ、レイモン・ドボス、ハンス・メイヤー、ジャン=ピエール・レオ、ラズロ・サボ。本人役:アイシャ・アバディ(レバノン女王)、サミュエル・フラー(映画監督)。
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『Pierrot Le Fou』とは二次大戦直後トラクション強盗団を率い、戦時中はナチ協力組織の重鎮だったピエール・ルートレルのあだ名です。作品全体は様々な記号の羅列だけで構成されており、丁度現代の典型的作品と方法論が同じですが、前者がアートなのに対し後者は金銭的消費を促す装置という意味で正反対です。
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またモザイクのような編集のセンスや文学引用についてはよく言われる事ですが原色系色彩の美しさへの拘りも凄いです。ブランドや商品名、企業名が連続して台詞で登場すると共に、画面には広告看板がプロダクトプレイスメント的に映るもののスポンサーではなくポップアートカルチャーとしての表現と思われます。
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自動車仏各社の大衆車が大挙登場する一方、米フォード(監督の私物含む)や伊アルファロメオの各車は重要な位置付けで使用されておりこの2社はタイアップかも知れません。ギャングの車は英『ベントレー・タイプR』。でも一番気に成るのは子供用足漕ぎ玩具車のF1『アルファロメオ158』。
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無節操な展開の一方、仏植民地からの独立運動とそれに続く内戦という政治的な視点には拘り、既に米国の手に委ねられてるベトナムは勿論、地中海対岸アルジェリアの秘密軍事組織『OAS』に関するモチーフが度々登場し、アルジェリア戦争で用いられる仏米独製の各種銃火器が多々用意されてて誰得映像と化してます。
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ベルモンド+独『ワルサーP38』拳銃が「ルパン3世」のモデルなのは有名ですが、本作のP38をよく見ると銀メッキにクリアイエローをかけたナンチャッテ金メッキ(画面ではシルバーに見える)のチープな代物。日本製モデルガンが金色に成るのは1971年の銃刀法改正以後なので該当せず。因みに安全装置がかかったまま。
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台詞で度々登場するレオノフとホワイトとは、ソ連の宇宙飛行士アレクセイ・レオノフと米飛行士エドワード・ホワイトの事で、共に東西最初に宇宙遊泳を行った飛行士です。また撮影時点では月に最初に降り立つ人類はレオノフだとソ連だけでなく西側でも認識されていた事が本作の台詞から分かります。
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オタク的には軍港ツーロンでのロケ風景が美味しい。しかもデジタルリマスターで当時の仏海軍の容貌が観察出来ます。その意味で一番の見所はリシュリュー級高速戦艦『ジャン・バール』の威容。しかし撮影時には既に除籍引退してますが、そこは戦後に完成した最新鋭戦艦ですから堂々としたものです。
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