mixiユーザー(id:32437106)
2021年05月26日23:24
217 view
5/26(水）スーパームーンと皆既月食が重なる 天体招介 さそり座ＡＲ星 星団Westerlund2 5月26日付コロナ情報
 |
 |
 |
5月26日（水）首都東京の上空は、微妙に薄い雲がかかっているとはいえ、天気が崩れるきざしはありません。日中の最高気温は26度、湿度は40％台を記録しました。この1週間、最高気温が25度を上回る夏日が続くと予想されます。
目次
・第1章 5月26日付けコロナ関連情報
・第2章 5月26日（水）は皆既月食の日 最新天文ニュース！さそり座ＡＲ星について
・2020年6月5日に作成した日記 天の川銀河の星雲や星団
・第3章 星団Westerlund2について
・第4章 星が生れる瞬間を観測できる天体「S106 IRS4」について
第1章 5月26日付けコロナ関連情報
2日前の5月24日（月）20時30分付けで日本全国の新規感染者数は2712人、感染による死亡者は84人と明らかにされました。厚生労働省によると、重症患者数は前日より4人減り、1300人と公表されました。
ＮＨＫサイト https:/
月曜日の数値を振り返ると、5月17日の新規陽性者数は3680人、死亡者108人、さらに5月10日まで遡ると、新規感染者数は4935人、死亡者68人です。
昨5月25日（火）午後8時、本日の日本全国の感染者数は3901人、死亡者は105人確認されました。厚生労働省によると、重症患者は前日より6人減り、1294人になりました。
NHKサイト https:/
5月26日（水）日本全国の新規陽性者は4536人、感染による死亡者は116人、重症患者は1413人になります。また24日付けの日本全国でのＰＣＲ検査件数は4万7538件と明らかになりました。
緊急事態宣言の効果により、全国的に感染者数は減少傾向にあります。25日（火）に過去最多の101人の感染者数を記録した石川県は、一つの高校でクラスターが発生しました。感染者の半数以上となる53人は、同一の高校の生徒や教諭、事務員です。既に県は5月9日に、31日を期限に独自の緊急事態宣言を発しています。兼六園を含む公共施設を閉鎖し、飲食店には午後8時までの時短営業を要請しました。
なお石川県は、5月16日（日）から6月13日（日）までの29日間に渡り、国の方から蔓延防止重点措置の区域に指定されています。
写真＝石川県独自の緊急事態宣言の概要 掲載元北国新聞 5月10日付け記事より
https:/
厚生労働省は２６日、インドで流行する新型コロナウイルスの変異株が、２４日までに７都府県で計２９人見つかったと発表しました。２１日に公表した国内事例１１人から１８人増加する勢いです。
変異株の流行により、先行きが見通せない中でも、東京オリンピック・パラリンピックの組織員会は、開催する姿勢を崩していません。朝日新聞の社説にて菅首相宛てに「五輪中止」を訴えました。組織委員会の武藤敏郎事務総長は、記者会見の席にて「意見が出て当然。開催するためにコロナを抑え込む」と力強く述べました。
日本政府は、東京五輪を見据えているのか、感染者数を抑えるべく、5月31日に期限を迎える緊急事態宣言を延長する方向で調整に入りました。なお今月23日に追加された沖縄県に関しては、当初から期限は6月20日迄となっていました。対象区域に指定されている9都道府県の延長幅は、揃って沖縄県の期限となる6月20日までになるとみられています。
第2章 5月26日（水）は皆既月食の日 最新天文ニュース！さそり座ＡＲ星について
5月26日（水）は、日本列島全域で2018年7月28日以来、約3年ぶりとなる皆既月食を観測できます。首都東京は雲の影響により月は見えません。北海道の根室市では観測できたようです。
太陽ー地球ー月の順に一直線に並ぶことで起こる皆既月食は、古くから日本では不吉な出来事が起こる予兆とされていました。科学的にみると、実に不思議な現象なのです。地球の裏側に月がきても、なぜ太陽の光が届くのでしょうか。それには深い理由があります。地球には、窒素と酸素を中心とした厚い大気を持っています。太陽の光は、地球の表面を覆う大気を周り込む性質があるのです。通常時よりも太陽から放たれる光が、月に届くまで、地球の大気中で長く透ることにより、波長がより短い青い光は散乱します。逆に波長が長い赤い光は地球を越えて、裏側の月にまで入ってくるのです。皆既月食が起こる5月26日の午後8時頃、月の色は、夕日と比べると、やや薄黒く、赤銅色に染まります。
写真 皆既月食の説明図 掲載元 JAPOS トップページ http://
今回は、一年で最も月が大きく見える「スーパームーン」と重なります。スーパームーンと皆既月食が重なるのは1997年9月17日以来24年ぶりです。次スーパームーンに皆既月食が起こるのは、2033年10月8日まで12年も待たなければなりません。天体ファンに問わず、多くの人々が夜空を見上げるでしょう。
参考リンクと写真掲載元 国立天文台 月食とは https:/
さて、続いて最近の宇宙情報です。2021年5月16日付けのsoraeの記事から引用します。https:/
招介する天体は「さそり座AR星」です。さそり座の方向に約380光年離れた連星系になります。これまで周期的に明るさを変える一つの「変光星」とされていました。新たに赤外線望遠鏡通称VLT(Very Large Telescope」の観測から、2つの星からなる連星と判明したのです。ペアとなる2つの星は、明るさが異なります。
明るい方の星は太陽質量3分の１の赤色矮星、対してペアとなる伴星は、寿命を迎えた星となる白色矮星です。推定質量は太陽程度ながら、明るさは1万分の1程度になります。
伴星の白色矮星がずいぶん暗かったために、可視光の望遠鏡から発見できず、明るさを変える「赤色矮星」と認識されていたのです。
写真 掲載元 soraeより 【▲ 右奥の白色矮星が回転しながら、光に近い速度で高エネルギーを放出し、赤色矮星に衝突している（Credit: ESO）】https:/
リンク 赤外線望遠鏡群VLTや白色矮星について説明した日記 2020年9月18日 9/18(金）4連休を控え富士山につるし雲 ヘリウムについて 天文学で新発見が相次ぐ 白色矮星を公転する惑星、金星の雲からリン酸化合物のホスフィンを検出
https:/
ところが、不思議なことが一つあります。変光星とは、寿命を迎えつつある星が、不安定化することで、明るさが変わります。いわゆる「脈動変光星」です。太陽質量の25倍に達するオリオン座の方向に600光年離れた「ベテルギウス」が該当します。
外部リンク 脈動変光星について 天文学辞典 https:/
もう一つは、ペアを組む恒星系のうち、互いを覆い隠す「食変光星」です。いわゆる見かけの変光星で、天体自体の明るさは変わらないのです。
3重連星からなるアルゴルが「食変光星」に当てはまります。主星となる太陽質量3倍のＡ星を、寿命を終えかけて膨らみつつある伴星Ｂが、2,86日周期で回っています。なおもう一つのＣ星は、Ａ星とＢ星と共通の重心を周りながら、離れた位置にあります。
地球から見て、Ａ星がＢ星の前を通過する際、食の現象が起こります。より明るいＡ星が隠れる分、減光します。またはＢ星がＡ星の前を横切る際にも、わずかに暗くなるのです。2つの星が平行に並ぶときが、最も明るく見えるのです。アルゴルの視等級は2,12から3,39で推移します。1等級ごとに明るさは2,5倍変わります。
写真＝食変光星についての解説図 掲載元 愛知大学 西本ゼミより https:/
さてここで疑問が起こります。星自体の明るさが変化する「脈動変光星」の場合、寿命の末期になります。
実のところ、星は質量によって寿命が決まっています。太陽は推定100億年、太陽質量の2分の1の質量の星は800億年、逆に2倍重い星は13億年で終るといわれているのです。
今回とりあげる単星とされた「さそり座ＡＲ星」は、太陽質量の3分の１、寿命は優に1000億年を超えます。つまり宇宙年齢138億年よりも長く生きられるのです。
天文学者は、さそり座ＡＲ星が、見えない星とペアを組む連星系であるとの想像が働いたはずです。
地球から見てペアを組む星によって主星が隠されるために、暗く見えてしまいます。
温度を感知する赤外線ＶＬＴを使った結果、ペアとなる星が新たに発見できたのです。ペアとなる白色矮星は、暗い天体であるものの、表面温度は太陽の6000度を上回り、5万度にも及ぶのです。
写真＝5つの赤外線望遠鏡群VLT 掲載元 英語サイト https:/
今回新たに分かったことがあります。可視光の望遠鏡で観測できる主星の赤色矮星が、通常の連星系の主星とは全く異なる動きをしていたのです。既に赤色矮星の奇妙な動きは2015年に、ドイツ、ベルギー、英国のアマチュア天文家のグループによって観測されていました。新たに優れた観測機器を持つ大学や国の機関で働く天文学者が、最新の望遠鏡を駆使して、真実を明らかにしたのです。明るさが変わる変光周期は1,97分、天文学の常識を覆す早さです。天文学者は、ペアの白色矮星が、相棒の赤色矮星に引っ張られることにより、高速で自転しながら、電子をぶつけた結果だと、発表しました。地球からの観測では、その1,97分周期に、波長が短い紫外線から波長が長い電波までとらえられました。
今回のさそり座ＡＲ星については、いまだに謎が多く残っています。ＡＲ星が寿命を迎えるのは1000億年も先になります。ペアの白色矮星は冷え切って、赤外線でも観測が難しくなる「黒色矮星」になるといわれているのです。白色矮星が黒色矮星になるには少なくとも宇宙年齢より長くかかります。従って、まだ仮設上の天体です。天文学者は、望遠鏡を使っての観測と共に、理論から少しずつ謎を解き明かしています。
以下は、未公開となったまま1年を経過した過去の日記です。天体写真と共にご覧になってください。
2020年6月5日に作成した日記 天の川銀河の星雲や星団
世界中がコロナの影響により、人々の行動が制限されれています。2020年3月に感染爆発が起こったヨーロッパ諸国では、ロックダウンの効果により、峠を越え、少しずつ経済活動を再開しています。国際協力が欠かせない天文学においても、影響を受けていました。天文学者は、観測データーを自宅に持ち込み、チェック作業をしているようです。
第3章 星団 Westerlund 2について
今回初めに紹介するのは、星が新たに生成される領域「散開星団」です。英語ではopen clusterといいます。直訳すると、広がる集団という意味になります。対照的に古い星の固まりとなる球状星団のことをgloubal clusterというのです。
散開星団は、その名の通り、いずれ解体して、星々が固有運動により、互いに離れていく傾向にあります。我々の住む地球を宿す太陽も、誕生当時は散開星団の中で産まれたとされています。
今年6月1日には、りゅうこつ座の方向におよそ1万5000光年の距離にある星形成領域「Gum 29」にある星団「Westerlund 2」の写真が公開されました。星団の幅はわずか6光年から13光年、推定年齢は200万歳です。
写真＝Westerlund2星団 掲載元 sorae （Credit: NASA, ESA, the Hubble Heritage Team (STScI/AURA), A. Nota (ESA/STScI), and the Westerlund 2 Science Team）】
太陽のような恒星は、質量によって寿命が決まります。太陽の寿命は推定100億年、一方で太陽より2倍重い星はわずか13億年、逆に太陽質量の半分の恒星は、推定寿命800億歳になるのです。
星団を構成する恒星は、ほぼ同時期に生まれます。つまり形成年代が間もない星団ほど、大質量星が残っているのです。
推定年齢200万歳の「Westerlund2星団」には、太陽質量100倍の星が含まれています。
公開された写真は、可視光線最大のハッブル宇宙望遠鏡と赤外線望遠鏡で撮影した映像を合成させています。
赤外線で見ると、可視光を阻む塵の奥まで見通すことができるのです。
若い星団を観測することにより、産まれたばかりの頃の太陽の様子を推測することができます。
2016年から2019年まで４年にかけて、Westerlund 2に属する太陽質量の0,1倍から5倍の質量を持つ5000個近くの恒星が継続的に観測されました。約3分の１となる1500個程の恒星からわずかに明るさが変化したといいます。星間塵が集積する微惑星や原始惑星を取り巻く円盤の影響により、光が遮られたからだと考えられます。明るさの変化があった1500個の恒星は、いずれも星団の外周付近に分布しています。星団の中心から4光年以内にある恒星では変化はありません。星団は、中心にいくほど大質量星の数が多くなります。
Westerlund 2では、推定37個の大質量星が確認されています。大質量星の定義は、太陽質量25倍以上になります。寿命は数百万年、最後はブラックホールになります。水素の核融合反応により、ヘリウムを形作る「主系列星」は、誕生間もない頃、活発的です。強力な恒星風や紫外線を放出することにより、周囲と取り巻く水素のガス雲がイオン化します。日本語の電離を訳すると、ionnezationといいます。イオン化とは、英語の略なのです。
写真＝イオン化傾向を示した図 掲載元 高校化学と生物の要点と勉強法 https:/
なお星間物質の9割は水素、残りはほとんどへリムで出来ています。イオン化すると、再度電子を引き寄せます。電子がイオン化したガスにくっつくさい、輝線を放つのです。水素の輝線は赤くなります。
今回の研究から分かったことがあります。大質量星が集る散開星団の中心部では、惑星の形成もととなる原始円盤が存在せず、地球のような惑星は生まれる可能性は一段と低くなりました。大質量星が放つ恒星風（太陽でいうとフレア）や紫外線により、円盤が吹き飛ばされてしまうのです。
星団の中心に太陽系を丸ごと置いたとしても、強力なフレアにより、地球の大気は吹き飛ばされてしまいます。有害な紫外線を直接浴びることにより、我々生命はとても暮らしていけません。またニュートン力学によると、星々が密集した状態では、重力の相互作用により、惑星の軌道も不安定になります。
太陽系も45億7000万年前の形成初期、いくつかの微惑星が集積していました。重い鉄やニッケルは沈み込み、惑星のコア（核）となります。国立天文台のシミュレーションによると、太陽系の岩石惑星である第1惑星の水星は1個か2個、金星は8個前後の惑星の合体で産まれたといいます。太陽系第4惑星の火星は、太陽系形成頭初から1000万年間姿を変えていないとされています。我々の住む第3惑星の地球は、10個の微惑星の衝突を経験したことが明らかになりました。
地球は、誕生から3000万年後、大きな危機が訪れました。火星サイズのテイヤと名づけられた原始惑星との衝突に巻き込まれました。衝突によって飛散した物質が、地球の周囲を公転した結果、衛星「月」が誕生した説が有力視されています。巨大衝突、いわばジャイアント・インパクト説とよばれています。
太陽系形成頭初のことは知る由がありません。天文学者は、若い星が集る星開星団open clusterを観測することにより、太陽系誕生時の様子を推測しているのです。
2010年からも散開星団オープンクラスターから、惑星の形成過程が検証されていました。2010年1月13日のAstro Artsの記事に詳しく書かれています。https:/
米・ハーバードスミソニアン物理研究所の研究チームが、2020年1月末に運用を終了したNASAの赤外線天文衛星スピッツァーと地上からの赤外線観測でカシオペヤ座の方向約7500光年にあるW5と呼ばれる星形成領域を観測しました。対象となった天体は500個、太陽質量の2倍から15倍まで大きく幅があります。
写真＝星生成領域W5 掲載元 astropicks https:/
質量が異なる天体を継続的に観測した結果、10個に1個の割合となる約50個の星で、チリの円盤に由来する赤外線が放出されていました。50個の天体の中で、さらに15個まで絞り込むと、円盤の内側に塵が見当たらなかったのです。太陽系形成モデルに当てはめると、木星サイズの惑星によってチリが吸い寄せられたと考えられます。
シミュレーションによると、地球の340倍の質量を持つ木星サイズの惑星は、円盤の内側約10〜20天文単位（1天文単位は地球と太陽との平均距離で約1億5000万km）の範囲にあるチリを吸い寄せていました。
10年前の2010年頃から大質量星の周りは、星間塵からなる円盤が形成されても、長く維持できないと考えられていました。大質量星は、形成から数百万年で寿命を終えて、超新星爆発を起こして、後にはブラックホールになります。星間塵からなる円盤は、超新星大爆発と共に吹き飛ばされることは容易に想像がつきます。太陽より25倍から30倍重い恒星が、ブラックホールになると、推定太陽質量の数倍になるのです。元の星よりも重さが4分の1まで軽くなると、周囲の星を引き止めることができなくなります。大きな星から死に絶えていくことにより、軽い星が重力束縛から解放され、離れていくのです。大きな星の消滅こそが、散開星団(オープンクラスター）の解体を意味します。
第4章 星が生れる瞬間を観測できる天体「S106 IRS4」について
3番目に星のゆりかご「S106 IRS4」について紹介します。地球からの距離ははくちょう座の方向に2000光年、推定20万歳ときわめて若い天体の集まりです。太陽より20倍重い星が確認されています。
天体名Ｓ106は、1950年代に活躍した天文学者Steward Sharpless氏によって作られたカタログ表のことを指します。IRS4は、カタログ表を記録した天文学者自信が気付かず、後に赤外線観測によって発見されました。Steward Sharplessが106番目に記録した星雲内にＩＲＳ４という星団が属しているという意味です。
ホームページ すばる望遠鏡をご覧になってください。可視光のすばる望遠鏡が、S106 IRS4を赤外線で撮影した画像のようです。
https:/
以下の写真＝国立天文台のホームページにて公開 2013年10月4日撮影
https:/
以下 引用文になります。
明るい中心付近には若い大質量星があり、上下にひろがる砂時計状の構造は、この星から噴出した物質の流れが作り出した星雲と考えられています。また中心部分のくびれは、ガスや塵からなる巨大な円盤が大質量星を取り囲むように存在しているためと推測されています。さらにこの画像から、恒星よりも質量の軽い天体が多数存在していることがわかりました。宇宙には質量の軽い天体が普通の恒星と同様に多数生まれていること、さらにその天体の数は領域により違いがあることが明らかになったのです。
＜引用終わり＞
画像を見てください。青い部分は、IRS4 の放射する紫外線により周りの水素ガスが電離して光っているところ (HII 領域) です。周辺の赤く見えている部分は、生まれたての若い星が放つアウトフローにより押しやられた塵が IRS4 の放つ光を反射している部分です。アウトフローにより星間ガスは1万度まで加熱されています。幅は広いところでもわずか2光年です。直系1,6光年の太陽系よりもわずかに広い程度です。
Ｓ106ＩＲＳ4は、オリオン大星雲と同じく、「反射星雲」に分類されています。 星雲S106 の深部までとらえている赤外線画像からは、 星団IRS4 とその周囲Ｓ１０６の領域に、暗い天体を数百個発見しました。推定質量は太陽の 0.08 倍未満、恒星のように中心核は、水素の核融合によりヘリウムを作る摂氏1500万度まで上がりません。宇宙空間でわずかに存在する重水素での核融合反応は可能とされています。通常の軽水素原子は、陽子一個からなるきわめて単純な構造をしています。重水素は、陽子一個に中性子一個がくっついているのです。重水素で核融合する天体を「褐色矮星 (Brown dwarf)」といいます。
自然界で軽水素と中性子一個の重水素、中性子二個の三重水素が確認されているのです。それぞれの割合では、陽子一個のみの軽水素が、99,9885%にのぼります。
写真 掲載元 トリチウムについて� �http://
従ってきわめて少ない重水素はすぐに使い果たしてしまいます。理論値では木星質量の12倍から75倍の天体では、重水素で核融合するものの、1億年立てば止まってしまいます。光を放たず、小さくて暗い天体になるのです。観測対象となった「S106 IRS4」の領域で、褐色矮星は約 100 個見つかりました。
年齢が1億歳未満であれば、褐色矮星は核融合反応を起こしているのでしょうか。レポート文を読むと、明らかになりませんでした。
すばる望遠鏡の観測から、宇宙には発見数が少ない暗い褐色矮星が、太陽のような恒星と同様に沢山生まれていることが分かりました。指数関数的に、重い星程少なく、軽い星程多いのか、詳しく明らかになっていません。S106の中では、大質量星が生まれる領域と、褐色矮星が形成される領域とで、別れていました。今後詳しく検証する必要があります。
最後に紹介する天体は、若い星が集る散開星団オープンクラスターに対して、古い恒星の集合体となる球状星団Globular clusterです。
soraeでは、6月5日付けの天体写真として、天の川銀河内でとりわけ明るいとされるグローバルクラスターの一つ「NGC6441」の写真が掲載されていました。こちらです。https:/
地球からの距離は1万3000光年、質量は太陽の160万倍になります。星団を意味するスター・クラスターの中に、太陽質量の8倍から25倍の星の超新星爆発によって残される中性子星パルサーが発見されています。観測天体ＮＧＣ6441の中には、4つのパルサーが、電波望遠鏡などでハンティングされています。中には、数ミリ秒で1回自転するパルサーも見つかりました。
他には、「JaFu2」という惑星状星雲も含まれています。惑星状星雲とは、中心部の炭素と酸素からなる球体である白色矮星（White dwalf）が放つ紫外線によって電離したガスの領域です。惑星と名がついているものの、地球や木星とは全く関係がありません。
写真 掲載元 天体観望のすすめ 2005年8月4日付 https:/
コロナによって、天文学の国際プロジェクトの活動は停滞しています。天文学者は、過去の観測データーを分析し、新事実を解き明かしています。
目次
・第1章 5月26日付けコロナ関連情報
・第2章 5月26日（水）は皆既月食の日 最新天文ニュース！さそり座ＡＲ星について
・2020年6月5日に作成した日記 天の川銀河の星雲や星団
・第3章 星団Westerlund2について
・第4章 星が生れる瞬間を観測できる天体「S106 IRS4」について
第1章 5月26日付けコロナ関連情報
2日前の5月24日（月）20時30分付けで日本全国の新規感染者数は2712人、感染による死亡者は84人と明らかにされました。厚生労働省によると、重症患者数は前日より4人減り、1300人と公表されました。
ＮＨＫサイト https:/
月曜日の数値を振り返ると、5月17日の新規陽性者数は3680人、死亡者108人、さらに5月10日まで遡ると、新規感染者数は4935人、死亡者68人です。
昨5月25日（火）午後8時、本日の日本全国の感染者数は3901人、死亡者は105人確認されました。厚生労働省によると、重症患者は前日より6人減り、1294人になりました。
NHKサイト https:/
5月26日（水）日本全国の新規陽性者は4536人、感染による死亡者は116人、重症患者は1413人になります。また24日付けの日本全国でのＰＣＲ検査件数は4万7538件と明らかになりました。
緊急事態宣言の効果により、全国的に感染者数は減少傾向にあります。25日（火）に過去最多の101人の感染者数を記録した石川県は、一つの高校でクラスターが発生しました。感染者の半数以上となる53人は、同一の高校の生徒や教諭、事務員です。既に県は5月9日に、31日を期限に独自の緊急事態宣言を発しています。兼六園を含む公共施設を閉鎖し、飲食店には午後8時までの時短営業を要請しました。
なお石川県は、5月16日（日）から6月13日（日）までの29日間に渡り、国の方から蔓延防止重点措置の区域に指定されています。
写真＝石川県独自の緊急事態宣言の概要 掲載元北国新聞 5月10日付け記事より
https:/
厚生労働省は２６日、インドで流行する新型コロナウイルスの変異株が、２４日までに７都府県で計２９人見つかったと発表しました。２１日に公表した国内事例１１人から１８人増加する勢いです。
変異株の流行により、先行きが見通せない中でも、東京オリンピック・パラリンピックの組織員会は、開催する姿勢を崩していません。朝日新聞の社説にて菅首相宛てに「五輪中止」を訴えました。組織委員会の武藤敏郎事務総長は、記者会見の席にて「意見が出て当然。開催するためにコロナを抑え込む」と力強く述べました。
日本政府は、東京五輪を見据えているのか、感染者数を抑えるべく、5月31日に期限を迎える緊急事態宣言を延長する方向で調整に入りました。なお今月23日に追加された沖縄県に関しては、当初から期限は6月20日迄となっていました。対象区域に指定されている9都道府県の延長幅は、揃って沖縄県の期限となる6月20日までになるとみられています。
第2章 5月26日（水）は皆既月食の日 最新天文ニュース！さそり座ＡＲ星について
5月26日（水）は、日本列島全域で2018年7月28日以来、約3年ぶりとなる皆既月食を観測できます。首都東京は雲の影響により月は見えません。北海道の根室市では観測できたようです。
太陽ー地球ー月の順に一直線に並ぶことで起こる皆既月食は、古くから日本では不吉な出来事が起こる予兆とされていました。科学的にみると、実に不思議な現象なのです。地球の裏側に月がきても、なぜ太陽の光が届くのでしょうか。それには深い理由があります。地球には、窒素と酸素を中心とした厚い大気を持っています。太陽の光は、地球の表面を覆う大気を周り込む性質があるのです。通常時よりも太陽から放たれる光が、月に届くまで、地球の大気中で長く透ることにより、波長がより短い青い光は散乱します。逆に波長が長い赤い光は地球を越えて、裏側の月にまで入ってくるのです。皆既月食が起こる5月26日の午後8時頃、月の色は、夕日と比べると、やや薄黒く、赤銅色に染まります。
写真 皆既月食の説明図 掲載元 JAPOS トップページ http://
今回は、一年で最も月が大きく見える「スーパームーン」と重なります。スーパームーンと皆既月食が重なるのは1997年9月17日以来24年ぶりです。次スーパームーンに皆既月食が起こるのは、2033年10月8日まで12年も待たなければなりません。天体ファンに問わず、多くの人々が夜空を見上げるでしょう。
参考リンクと写真掲載元 国立天文台 月食とは https:/
さて、続いて最近の宇宙情報です。2021年5月16日付けのsoraeの記事から引用します。https:/
招介する天体は「さそり座AR星」です。さそり座の方向に約380光年離れた連星系になります。これまで周期的に明るさを変える一つの「変光星」とされていました。新たに赤外線望遠鏡通称VLT(Very Large Telescope」の観測から、2つの星からなる連星と判明したのです。ペアとなる2つの星は、明るさが異なります。
明るい方の星は太陽質量3分の１の赤色矮星、対してペアとなる伴星は、寿命を迎えた星となる白色矮星です。推定質量は太陽程度ながら、明るさは1万分の1程度になります。
伴星の白色矮星がずいぶん暗かったために、可視光の望遠鏡から発見できず、明るさを変える「赤色矮星」と認識されていたのです。
写真 掲載元 soraeより 【▲ 右奥の白色矮星が回転しながら、光に近い速度で高エネルギーを放出し、赤色矮星に衝突している（Credit: ESO）】https:/
リンク 赤外線望遠鏡群VLTや白色矮星について説明した日記 2020年9月18日 9/18(金）4連休を控え富士山につるし雲 ヘリウムについて 天文学で新発見が相次ぐ 白色矮星を公転する惑星、金星の雲からリン酸化合物のホスフィンを検出
https:/
ところが、不思議なことが一つあります。変光星とは、寿命を迎えつつある星が、不安定化することで、明るさが変わります。いわゆる「脈動変光星」です。太陽質量の25倍に達するオリオン座の方向に600光年離れた「ベテルギウス」が該当します。
外部リンク 脈動変光星について 天文学辞典 https:/
もう一つは、ペアを組む恒星系のうち、互いを覆い隠す「食変光星」です。いわゆる見かけの変光星で、天体自体の明るさは変わらないのです。
3重連星からなるアルゴルが「食変光星」に当てはまります。主星となる太陽質量3倍のＡ星を、寿命を終えかけて膨らみつつある伴星Ｂが、2,86日周期で回っています。なおもう一つのＣ星は、Ａ星とＢ星と共通の重心を周りながら、離れた位置にあります。
地球から見て、Ａ星がＢ星の前を通過する際、食の現象が起こります。より明るいＡ星が隠れる分、減光します。またはＢ星がＡ星の前を横切る際にも、わずかに暗くなるのです。2つの星が平行に並ぶときが、最も明るく見えるのです。アルゴルの視等級は2,12から3,39で推移します。1等級ごとに明るさは2,5倍変わります。
写真＝食変光星についての解説図 掲載元 愛知大学 西本ゼミより https:/
さてここで疑問が起こります。星自体の明るさが変化する「脈動変光星」の場合、寿命の末期になります。
実のところ、星は質量によって寿命が決まっています。太陽は推定100億年、太陽質量の2分の1の質量の星は800億年、逆に2倍重い星は13億年で終るといわれているのです。
今回とりあげる単星とされた「さそり座ＡＲ星」は、太陽質量の3分の１、寿命は優に1000億年を超えます。つまり宇宙年齢138億年よりも長く生きられるのです。
天文学者は、さそり座ＡＲ星が、見えない星とペアを組む連星系であるとの想像が働いたはずです。
地球から見てペアを組む星によって主星が隠されるために、暗く見えてしまいます。
温度を感知する赤外線ＶＬＴを使った結果、ペアとなる星が新たに発見できたのです。ペアとなる白色矮星は、暗い天体であるものの、表面温度は太陽の6000度を上回り、5万度にも及ぶのです。
写真＝5つの赤外線望遠鏡群VLT 掲載元 英語サイト https:/
今回新たに分かったことがあります。可視光の望遠鏡で観測できる主星の赤色矮星が、通常の連星系の主星とは全く異なる動きをしていたのです。既に赤色矮星の奇妙な動きは2015年に、ドイツ、ベルギー、英国のアマチュア天文家のグループによって観測されていました。新たに優れた観測機器を持つ大学や国の機関で働く天文学者が、最新の望遠鏡を駆使して、真実を明らかにしたのです。明るさが変わる変光周期は1,97分、天文学の常識を覆す早さです。天文学者は、ペアの白色矮星が、相棒の赤色矮星に引っ張られることにより、高速で自転しながら、電子をぶつけた結果だと、発表しました。地球からの観測では、その1,97分周期に、波長が短い紫外線から波長が長い電波までとらえられました。
今回のさそり座ＡＲ星については、いまだに謎が多く残っています。ＡＲ星が寿命を迎えるのは1000億年も先になります。ペアの白色矮星は冷え切って、赤外線でも観測が難しくなる「黒色矮星」になるといわれているのです。白色矮星が黒色矮星になるには少なくとも宇宙年齢より長くかかります。従って、まだ仮設上の天体です。天文学者は、望遠鏡を使っての観測と共に、理論から少しずつ謎を解き明かしています。
以下は、未公開となったまま1年を経過した過去の日記です。天体写真と共にご覧になってください。
2020年6月5日に作成した日記 天の川銀河の星雲や星団
世界中がコロナの影響により、人々の行動が制限されれています。2020年3月に感染爆発が起こったヨーロッパ諸国では、ロックダウンの効果により、峠を越え、少しずつ経済活動を再開しています。国際協力が欠かせない天文学においても、影響を受けていました。天文学者は、観測データーを自宅に持ち込み、チェック作業をしているようです。
第3章 星団 Westerlund 2について
今回初めに紹介するのは、星が新たに生成される領域「散開星団」です。英語ではopen clusterといいます。直訳すると、広がる集団という意味になります。対照的に古い星の固まりとなる球状星団のことをgloubal clusterというのです。
散開星団は、その名の通り、いずれ解体して、星々が固有運動により、互いに離れていく傾向にあります。我々の住む地球を宿す太陽も、誕生当時は散開星団の中で産まれたとされています。
今年6月1日には、りゅうこつ座の方向におよそ1万5000光年の距離にある星形成領域「Gum 29」にある星団「Westerlund 2」の写真が公開されました。星団の幅はわずか6光年から13光年、推定年齢は200万歳です。
写真＝Westerlund2星団 掲載元 sorae （Credit: NASA, ESA, the Hubble Heritage Team (STScI/AURA), A. Nota (ESA/STScI), and the Westerlund 2 Science Team）】
太陽のような恒星は、質量によって寿命が決まります。太陽の寿命は推定100億年、一方で太陽より2倍重い星はわずか13億年、逆に太陽質量の半分の恒星は、推定寿命800億歳になるのです。
星団を構成する恒星は、ほぼ同時期に生まれます。つまり形成年代が間もない星団ほど、大質量星が残っているのです。
推定年齢200万歳の「Westerlund2星団」には、太陽質量100倍の星が含まれています。
公開された写真は、可視光線最大のハッブル宇宙望遠鏡と赤外線望遠鏡で撮影した映像を合成させています。
赤外線で見ると、可視光を阻む塵の奥まで見通すことができるのです。
若い星団を観測することにより、産まれたばかりの頃の太陽の様子を推測することができます。
2016年から2019年まで４年にかけて、Westerlund 2に属する太陽質量の0,1倍から5倍の質量を持つ5000個近くの恒星が継続的に観測されました。約3分の１となる1500個程の恒星からわずかに明るさが変化したといいます。星間塵が集積する微惑星や原始惑星を取り巻く円盤の影響により、光が遮られたからだと考えられます。明るさの変化があった1500個の恒星は、いずれも星団の外周付近に分布しています。星団の中心から4光年以内にある恒星では変化はありません。星団は、中心にいくほど大質量星の数が多くなります。
Westerlund 2では、推定37個の大質量星が確認されています。大質量星の定義は、太陽質量25倍以上になります。寿命は数百万年、最後はブラックホールになります。水素の核融合反応により、ヘリウムを形作る「主系列星」は、誕生間もない頃、活発的です。強力な恒星風や紫外線を放出することにより、周囲と取り巻く水素のガス雲がイオン化します。日本語の電離を訳すると、ionnezationといいます。イオン化とは、英語の略なのです。
写真＝イオン化傾向を示した図 掲載元 高校化学と生物の要点と勉強法 https:/
なお星間物質の9割は水素、残りはほとんどへリムで出来ています。イオン化すると、再度電子を引き寄せます。電子がイオン化したガスにくっつくさい、輝線を放つのです。水素の輝線は赤くなります。
今回の研究から分かったことがあります。大質量星が集る散開星団の中心部では、惑星の形成もととなる原始円盤が存在せず、地球のような惑星は生まれる可能性は一段と低くなりました。大質量星が放つ恒星風（太陽でいうとフレア）や紫外線により、円盤が吹き飛ばされてしまうのです。
星団の中心に太陽系を丸ごと置いたとしても、強力なフレアにより、地球の大気は吹き飛ばされてしまいます。有害な紫外線を直接浴びることにより、我々生命はとても暮らしていけません。またニュートン力学によると、星々が密集した状態では、重力の相互作用により、惑星の軌道も不安定になります。
太陽系も45億7000万年前の形成初期、いくつかの微惑星が集積していました。重い鉄やニッケルは沈み込み、惑星のコア（核）となります。国立天文台のシミュレーションによると、太陽系の岩石惑星である第1惑星の水星は1個か2個、金星は8個前後の惑星の合体で産まれたといいます。太陽系第4惑星の火星は、太陽系形成頭初から1000万年間姿を変えていないとされています。我々の住む第3惑星の地球は、10個の微惑星の衝突を経験したことが明らかになりました。
地球は、誕生から3000万年後、大きな危機が訪れました。火星サイズのテイヤと名づけられた原始惑星との衝突に巻き込まれました。衝突によって飛散した物質が、地球の周囲を公転した結果、衛星「月」が誕生した説が有力視されています。巨大衝突、いわばジャイアント・インパクト説とよばれています。
太陽系形成頭初のことは知る由がありません。天文学者は、若い星が集る星開星団open clusterを観測することにより、太陽系誕生時の様子を推測しているのです。
2010年からも散開星団オープンクラスターから、惑星の形成過程が検証されていました。2010年1月13日のAstro Artsの記事に詳しく書かれています。https:/
米・ハーバードスミソニアン物理研究所の研究チームが、2020年1月末に運用を終了したNASAの赤外線天文衛星スピッツァーと地上からの赤外線観測でカシオペヤ座の方向約7500光年にあるW5と呼ばれる星形成領域を観測しました。対象となった天体は500個、太陽質量の2倍から15倍まで大きく幅があります。
写真＝星生成領域W5 掲載元 astropicks https:/
質量が異なる天体を継続的に観測した結果、10個に1個の割合となる約50個の星で、チリの円盤に由来する赤外線が放出されていました。50個の天体の中で、さらに15個まで絞り込むと、円盤の内側に塵が見当たらなかったのです。太陽系形成モデルに当てはめると、木星サイズの惑星によってチリが吸い寄せられたと考えられます。
シミュレーションによると、地球の340倍の質量を持つ木星サイズの惑星は、円盤の内側約10〜20天文単位（1天文単位は地球と太陽との平均距離で約1億5000万km）の範囲にあるチリを吸い寄せていました。
10年前の2010年頃から大質量星の周りは、星間塵からなる円盤が形成されても、長く維持できないと考えられていました。大質量星は、形成から数百万年で寿命を終えて、超新星爆発を起こして、後にはブラックホールになります。星間塵からなる円盤は、超新星大爆発と共に吹き飛ばされることは容易に想像がつきます。太陽より25倍から30倍重い恒星が、ブラックホールになると、推定太陽質量の数倍になるのです。元の星よりも重さが4分の1まで軽くなると、周囲の星を引き止めることができなくなります。大きな星から死に絶えていくことにより、軽い星が重力束縛から解放され、離れていくのです。大きな星の消滅こそが、散開星団(オープンクラスター）の解体を意味します。
第4章 星が生れる瞬間を観測できる天体「S106 IRS4」について
3番目に星のゆりかご「S106 IRS4」について紹介します。地球からの距離ははくちょう座の方向に2000光年、推定20万歳ときわめて若い天体の集まりです。太陽より20倍重い星が確認されています。
天体名Ｓ106は、1950年代に活躍した天文学者Steward Sharpless氏によって作られたカタログ表のことを指します。IRS4は、カタログ表を記録した天文学者自信が気付かず、後に赤外線観測によって発見されました。Steward Sharplessが106番目に記録した星雲内にＩＲＳ４という星団が属しているという意味です。
ホームページ すばる望遠鏡をご覧になってください。可視光のすばる望遠鏡が、S106 IRS4を赤外線で撮影した画像のようです。
https:/
以下の写真＝国立天文台のホームページにて公開 2013年10月4日撮影
https:/
以下 引用文になります。
明るい中心付近には若い大質量星があり、上下にひろがる砂時計状の構造は、この星から噴出した物質の流れが作り出した星雲と考えられています。また中心部分のくびれは、ガスや塵からなる巨大な円盤が大質量星を取り囲むように存在しているためと推測されています。さらにこの画像から、恒星よりも質量の軽い天体が多数存在していることがわかりました。宇宙には質量の軽い天体が普通の恒星と同様に多数生まれていること、さらにその天体の数は領域により違いがあることが明らかになったのです。
＜引用終わり＞
画像を見てください。青い部分は、IRS4 の放射する紫外線により周りの水素ガスが電離して光っているところ (HII 領域) です。周辺の赤く見えている部分は、生まれたての若い星が放つアウトフローにより押しやられた塵が IRS4 の放つ光を反射している部分です。アウトフローにより星間ガスは1万度まで加熱されています。幅は広いところでもわずか2光年です。直系1,6光年の太陽系よりもわずかに広い程度です。
Ｓ106ＩＲＳ4は、オリオン大星雲と同じく、「反射星雲」に分類されています。 星雲S106 の深部までとらえている赤外線画像からは、 星団IRS4 とその周囲Ｓ１０６の領域に、暗い天体を数百個発見しました。推定質量は太陽の 0.08 倍未満、恒星のように中心核は、水素の核融合によりヘリウムを作る摂氏1500万度まで上がりません。宇宙空間でわずかに存在する重水素での核融合反応は可能とされています。通常の軽水素原子は、陽子一個からなるきわめて単純な構造をしています。重水素は、陽子一個に中性子一個がくっついているのです。重水素で核融合する天体を「褐色矮星 (Brown dwarf)」といいます。
自然界で軽水素と中性子一個の重水素、中性子二個の三重水素が確認されているのです。それぞれの割合では、陽子一個のみの軽水素が、99,9885%にのぼります。
写真 掲載元 トリチウムについて� �http://
従ってきわめて少ない重水素はすぐに使い果たしてしまいます。理論値では木星質量の12倍から75倍の天体では、重水素で核融合するものの、1億年立てば止まってしまいます。光を放たず、小さくて暗い天体になるのです。観測対象となった「S106 IRS4」の領域で、褐色矮星は約 100 個見つかりました。
年齢が1億歳未満であれば、褐色矮星は核融合反応を起こしているのでしょうか。レポート文を読むと、明らかになりませんでした。
すばる望遠鏡の観測から、宇宙には発見数が少ない暗い褐色矮星が、太陽のような恒星と同様に沢山生まれていることが分かりました。指数関数的に、重い星程少なく、軽い星程多いのか、詳しく明らかになっていません。S106の中では、大質量星が生まれる領域と、褐色矮星が形成される領域とで、別れていました。今後詳しく検証する必要があります。
最後に紹介する天体は、若い星が集る散開星団オープンクラスターに対して、古い恒星の集合体となる球状星団Globular clusterです。
soraeでは、6月5日付けの天体写真として、天の川銀河内でとりわけ明るいとされるグローバルクラスターの一つ「NGC6441」の写真が掲載されていました。こちらです。https:/
地球からの距離は1万3000光年、質量は太陽の160万倍になります。星団を意味するスター・クラスターの中に、太陽質量の8倍から25倍の星の超新星爆発によって残される中性子星パルサーが発見されています。観測天体ＮＧＣ6441の中には、4つのパルサーが、電波望遠鏡などでハンティングされています。中には、数ミリ秒で1回自転するパルサーも見つかりました。
他には、「JaFu2」という惑星状星雲も含まれています。惑星状星雲とは、中心部の炭素と酸素からなる球体である白色矮星（White dwalf）が放つ紫外線によって電離したガスの領域です。惑星と名がついているものの、地球や木星とは全く関係がありません。
写真 掲載元 天体観望のすすめ 2005年8月4日付 https:/
コロナによって、天文学の国際プロジェクトの活動は停滞しています。天文学者は、過去の観測データーを分析し、新事実を解き明かしています。
4
0
最近の日記
- 緊迫する中東情勢 イランのライーシ大統領…
2024年05月22日19:58
- ZARDの坂井泉水が育った丹沢山麓秦野市を中…
2024年05月19日23:46
- 緊迫する中東情勢 4月20日から5月15日 停…
2024年05月16日13:59
- 中央アジアのウズベギスタンの歩み（ミルジ…
2024年05月05日21:15
- カタールの歴史 イスラム教受容から現在の…
2024年04月26日02:21
ログインしてコメントを確認・投稿する