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2020年09月18日22:09

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9/18(金)4連休を控え富士山につるし雲 ヘリウムについて 天文学で新発見が相次ぐ 白色矮星を公転する惑星、金星の雲からリン酸化合物のホスフィンを検出

9月18日(金)
首都東京は、天気予報では晴れだったものの、朝から薄い雲がかかっている。午後12時時点で気温は31度、湿度60%弱になる。

 明日7月23日(木)から26日(日)以来の4連休、天気予報では前半の19日と20日は、雨のち曇りと出ているが、21日と22日はいまだに予測がつかない。

 平日忙しく働いている会社員や公務員がほっと一息つく金曜日、富士山の上空には吊るし雲がかかっていた。ツィッターで掲載された写真が話題になっている。つるし雲は大雨の予兆とされている。太平洋側に高気圧が張り出した影響で、本州に台風が接近する兆しはない。コロナを警戒して、4連休は遠出を控える人が多い傾向にある。

  写真撮影者 富士山写真家オイ https://twitter.com/fujitomo_oi
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 私が2019年3月31日(日)に秦野市弘法山公園で撮影した富士山と秦野駅の町並み
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 私が2020年1月4日に撮影した日野市南平2丁目みはらし公園から撮影した富士山 手前の町並みは、八王子市北野周辺
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外部リンク https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=262&from=diary&id=6237343

 本日イグ・ノーベル賞に、14年連続となる日本人の受賞が決定した。10部門のうち音響賞に京都大学人類学研究所の西村剛准教授が選出された。共同受賞したアメリカの研究者と共に、2015年に爬虫類の声帯に関するユニークな発見が、選考委員の高評価に繋がった。西村剛教授らは、ヘリウムガスが充満した環境でワニ科のヨウスコワニの声帯を調べた。すると、実験に使ったメスのワニがほ乳類と同じく、高い声で鳴くことが明らかになった。コロナウィルスの感染拡大を警戒して、授賞式は創設以来初めてオンラインで開催された。

リンク
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=6236462

 コロナウィルスの影響で国を跨ぐ移動が制限される中、天文学では新発見が続いている。今回太陽系と太陽系外から生命の存在について考察する。

目次
 
 第1章 太陽系外 白色矮星の周りで惑星の存在を確認する

 (1)白色矮星の周りを周る惑星を検地する。白色矮星になる過程
 (2)白色矮星の周りを周る巨大惑星の発見までの経緯

 第2章 天文学の最新情報 宇宙生物学史上最大の発見?金星を覆う硫酸の雲から有機リン化合物のホスフィンを検出する
(1)はやぶさ2号機早くも次のミッションが決まる
(2)原始生命帯について
(3)金星の硫酸の雲
(4)強風「スーパーローテーション」の謎

              第1章 太陽系外 白色矮星の周りで巨大惑星の存在を確認する

 (1)白色矮星の周りを周る惑星を検地する 白色矮星になる過程

 17日、東京大学が参加する国際研究チームは、過去の観測データーから、りゅう座の方向に約80光年離れた白色矮星の周りから惑星を検出したと発表した。

 外部リンク PRESREADES https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/press/z0109_00416.html

 白色矮星は、太陽の最後の姿とされている。太陽は、4個の水素原子から1個のヘリウム原子を作る核融合反応を起こす。原子同士が衝突する際、わずかに質量を失い、エネルギーに変換される。地球に届く太陽エネルギーは、核融合反応によって生み出された。水素の核融合に必要な温度は1000万度、次第に水素が尽きると、恒星自身の重力によって中心核に圧力が加わる。水素が枯渇した恒星は、大きくなり、明るさを増す。膨らんだ星が赤くなることから「赤色巨星」という。

写真と参考文献 詳しく知りたい方は、以下のページをクリックすることをススメする。

 外部リンク 星の進化(Stellar Evolution) https://www.shokabo.co.jp/sp_Xray/glossary/g-evolve.htm
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NHK高校講座 https://www.nhk.or.jp/kokokoza/tv/chigakukiso/archive/resume002.html

 中心核の温度が1億度に達すると、原子番号2のヘリウム原子がくっつく。ヘリウム原子は、通常陽子と中性子の数を2個ずつ持つ。陽子2個と中性子2個のヘリウム4の原子をアルファ粒子とも呼ぶ。ヘリウム4は、同じヘリウム4と結びつき、原子番号4のベリリウム8を作る。ベリリウム8は、長く存在できず、わずか1×10−16乗から2.6×10−16乗秒以内に、二つのヘリウム4原子に戻る。原子核からヘリウム4の粒子が飛びだすことを「アルファ崩壊」という。赤色巨星の末期、ヘリウム原子が過剰になリ、ベリリウム8を生成すると、さらに3つ目のヘリウム4がくっつき、原子番号6の炭素12を生成する。炭素12は、再度ヘリウム4を引き寄せ、酸素16を作り出す。ベリリウム8→ヘリウム4→炭素12が作られる過程を「トリプルアルファ反応」という。

 赤色巨星は、水素の核融合反応を起こす「主系列星」時代と比べると、質量はほぼ変らないものの、半径は100倍ほど大きくなる。従って密度の低下に伴い、次第に外側の水素の層は放出されていく。ヘリウムの層をわずかに残し、中心に炭素原子と酸素原子からなる白い球体「白色矮星」が残る。質量が太陽程度の場合、炭素の核融合に必要な7億度まで達することなく、安定するのである。

 写真=可視光線ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた「きりん座U星」、中心でヘリウムの核融合反応が起こっている。

 掲載元ナショナルジオグラフィック 2012年7月5日 https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/6349/
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(2)白色矮星の周りを周る巨大惑星の発見までの経緯

 白色矮星の密度は、太陽の約100万倍, 1立方cmあたり1.4トンにものぼる。簡単にいうと、地球サイズの天体ながら太陽程度の質量を持つ。太陽の質量は、地球の33万倍である。

 白色矮星は表面温度が5万度、太陽の6000度と比べてもきわめて高い。ところが余熱で輝いているため、自ら光を発することがなく、可視光線の望遠鏡での観測は難しい。温度を感知する赤外線望遠鏡を駆使して、発見している。

 東京大学が参加する国際研究チームは、今回りゅう座の方向に80光年離れた白色矮星「WD1856」の観測データーを分析した際、驚くべき事実に気付いた。

 宇宙空間で全天180度観測を行う太陽系外惑星探査衛星「TESS」が残したデーターから、白色矮星WD1856が、可視光線と赤外線の波長帯で減光していたのである。減光とはつまり、白色矮星を隠す天体が存在することを意味する。大きな天体を、小さな天体が横切る際、暗くなる現象を「トランジット」という。減光するタイミングをしっかり計れば、主星から惑星の距離と共に惑星の公転周期まで判明する。その結果、惑星の公転周期は36時間と明らかになった。
 写真 掲載元 JlJl.com NASA提供 https://www.jiji.com/jc/article?k=2020091700754&g=soc
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 もう一つわかったことがある。白色矮星WD1856の減光幅から惑星の質量は、木星の最大13,5倍と結論に達した。
 
 白色矮星周りでも生命居住可能領域、いわゆる「ハビタブルゾーン」に惑星があれば、大きな成果だ。地球から観測した際、主星となる白色矮星の前を木星の最大13、5倍の質量を持つ惑星が通過する際、やや暗くなるトランジット現象を起こす。トランジットを起こした際、惑星の大気を透過してくる光を観測する。

 日本の国立天文台が開発し、2018年12月に運用を開始したMASCUT2は、可視光域から近赤外線まで跨る4つの波長で観測できる。詳しくは、以下の★国立天文台のページを見てもらいたい。

写真掲載元 2018年12月17日付け 第二の地球を発見するための新しい多色同時撮像カメラが完成

 ★ MusCutについての解説ページ https://www.jst.go.jp/pr/announce/20181217/index.html

国立天文台のページ https://www.nao.ac.jp/news/topics/2018/20181217-abc.html
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 関連日記 2019年10月9日付け 2019年度ノーベル物理学賞 発表! 第2の地球探しに貢献 太陽系外惑星 ペガスス座51番星b、ケプラー22b
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1973251701&owner_id=32437106

 最大木星の13,5倍の惑星が、主星となる白色矮星WD1856の前を通過した際、青色の光が他の光より暗くなれば、水素の量が多いことを示す。一方で、青色以外にも緑色 橙色、赤色と全ての波長で暗くなる度合いが変わらなければ、水蒸気や二酸化炭素、メタンが含まれている可能性がある。有機化合物のメタンは、地球では微生物由来で発生する。現に酸素が登場する30億年以上前、地球の生物はメタンを栄養源にしていた。つまり、トランジット現象から多波長を捕らえることができれば、有機化合物の存在を意味する。そこで初めて地球外生命の誕生地の候補に上がるのだ。

 2021年に打ち上げられる予定の NASAの赤外線ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)によって惑星の詳細が明らかになる。当初は2021年3月に打ち上げ開始予定だったものの、コロナウィルスの影響により、遅れる見通しだ。望遠鏡で5回トランジットを観測すれば,その惑星の大気中に水蒸気と二酸化炭素の分子を検出できという。25回トランジットを観測すれば,酸素,オゾンなどの生命の兆候と呼べるような分子をとらえる可能性がある。

 宇宙生物学は今急速に発展を遂げている。

  参考文献 http://www.optronics-media.com/news/20200917/68156/

リンク
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=6235615


 第2章 天文学の最新情報 宇宙生物学史上最大の発見?金星を覆う硫酸の雲から有機リン化合物のホスフィンを検出する

 (1)はやぶさ2号機早くも次のミッションが決まる
始めに、日本のJAXAが打ち上げた「はやぶさ2号機」に関して、新たな事実が報告された。はやぶさは1号機に続いて、現在2号機が航行中である。

 写真=JAXA相模原キャンパスの施設内で展示されたはやぶさ2号機の模型
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 1号機と2号機の開発から打ち上げまで行ったJAXAは、早くも小惑星サンプル・リターン計画を担うはやぶさ2号機の次の探査先を発表した。地球と火星の間を公転する直系わずか30mの小惑星「1998KY26」である。自転周期はわずか10分、2031年に到達する予定である。

リンク https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=6232791

 現在のはやぶさ2号機は、無事に小惑星リュウグウに降り立ち、サンプルを採取した。機体が故障せずに順調にいけば、2020年末に地球へ帰還する。

(2)原始生命帯について
15日(火)、天文学会で大きな成果が発表された。地球の隣に位置する太陽系第2惑星の金星で、有機リン化合物のホスフィンの兆候がとらえられた。原子番号15のリンと原子番号1の水素から成る無機化合物のホスフィンは、常温では無色腐魚臭の可燃性気体である。融点 -134 ℃、沸点 -87.8 ℃、密度 1.379 g/L (気体, 25 ℃)になる。

 地球上では、ペンギンを中心に動物の体内微生物や湿地帯に生息する微生物が生成する。ホスフィンを作る微生物は、基本酸素を必要としない。


外部リンク 2020年9月15日(火)朝日新聞記事 https://www.asahi.com/articles/ASN9H326WN9GUHBI02W.html?ref=mixi

 このたび金星で有機リン化合物のホスフィンの痕跡を発見したことには、大きな意味があった。表面温度は鉛の融点325度を越える接し460度になる。大気中は高濃度の二酸化炭素に覆われ、90気圧にのぼる。特異なのは、自転周期である。公転周期が225日に対して、自転周期は243日、つまり1年よりも1日の方が長い。もう一つの特徴は、地球を含め太陽系8つの惑星とは反対方向に公転することである。243日の周期で西側から太陽が昇り、東側へと沈む。

写真=地球と金星の大きさの比較 掲載元 らばQ http://labaq.com/archives/51895648.html
 
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 地球と比べて想像絶するほど、灼熱の惑星は、生命とは無縁だと考えられてきた。ところがNASAの宇宙生物学者は、かねてから金星にも生命が誕生する可能性を指摘していた。もちろん過酷な地表面は、生命には程遠い環境だ。注目するのは、大気中を覆う高濃度の硫酸の雲である。現に雲の中に小さなシミのような黒点が発見されたのである。微生物は、光を吸収する性質を持つ。地球では、上空40kmまで巻き上げられた微生物が確認された。

 後にこの黒斑は、微生物由来ではなく、秒速100mに達するスーパーローテーションと呼ばれる強風に関係していると発表された。地球では、火山地帯に硫化水素を栄養源にする微生物が発見されている。現に深海では、メタン湧き水を栄養源にするバクテリアと共生するシンカイヒバリガイやチューブワーム(別名ハリオムシ)など、酸素を必要としない生物が存在する。生物学では「嫌気性生物」という。逆に、酸素が必要な多くの生命は「好気性生物」とう。地球に酸素が誕生したのは、およそ30億から35億年前だった。有力な説によると、地球最初の生命は40億年前に誕生したといわれている。当時の生物は、メタンを栄養源にしていた。

 我々好気性生物の産みの親は、シアノバクテリアである。酸素発生を伴う光合成 (酸素発生型光合成) を行う細菌の一群だ。仲間同士で集り、バイオマットと呼ばれる膜を作り、細胞から分泌する粘液で、海水中に浮遊する微細なミネラルの粒子を捕らえる。炭酸カルシウムと結合させて、縞状の「ストロマトライト」という堆積岩を生成した。生命力が強く、水分がわずかにある砂漠や、太陽の光をさえぎる氷河の中さえ生存した。27億年前から6億年前の地層から化石化したシアノバクテリアが数多く出土している。現在唯一の生息地は、西オーストラリアの遠浅の海が広がる世界遺産に認定された「シャークベイ」である。なぜストロマトライトが生き延びたのか、今なお分かっていない。シャークベイの特徴は、塩分濃度が高いことである。魚やプランクトンはほとんど存在しない。酸素を必要とする生物の産みの親として、手厚く保護されるようになった。

 写真=シャークベイのストロマトライト 掲載元 http://econavi.eic.or.jp/ecorepo/go/519
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 日中は光合成を行い、副産物となる酸素を吐き出した。夜は粘液で絡めた石灰を積み上げる。長い年月の課程で、少しずつ堆積が増える。成長速度は、サンゴ礁の形成速度の約10分の1に過ぎない。1年間に平均0.4ミリメートルと推定されている。バクテリア1個体の長さは約1〜10マイクロメートル、直径は約5マイクロメートルにとどまる。シャークベイで作られた高さ30センチメートル、直径20センチメートルの石灰岩を形成するには、1000〜2000年かかる計算だ。肉食動物に対抗して群れを作る草食動物のように、シアノバクテリアは仲間と一つの集合体を形成する。実に理にかなった生き方である。

 シアノバクテリアについて エコナビ http://econavi.eic.or.jp/ecorepo/go/519

 写真=金星の大気で見つかった黒いシミ 掲載元ニコニコニュース 撮影NASAhttps://news.nicovideo.jp/watch/nw5865540
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(3)金星の硫酸の雲
 さて、金星の大気で見つかった黒斑と生命の関係は否定されたものの、NASAの宇宙生物学者は決して諦めたわけではなかった。生命の兆候を探そうと、アイディアを練り続けた。その結果、上空6万キロメートルを覆う硫酸の雲から地球の微生物由来で発生するホスフィンの発見に繋がったのである。

 ホスフィンが、金星の大気中から見つかったことを受けて、バクテリアの存在が示唆されるようになった。ことに地上50kmの気圧は、地球の地表面とほぼ変わらないのである。

 写真=金星探査機あかつきがとらえた写真 相模原博物館内で2018年の夏場に展示
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 一連の発見に貢献したカーディフ大学(Cardiff University)宇宙物理学部のジェーン・グリーブズ(Jane Greaves)氏が、AFPの取材に応じた。ホスフィンが地球以外の岩石惑星で検出されたのは初めてだと、成果を口にした。

 もちろん、ホスフィンの存在が金星上の生命の存在を直ちに証明するものではない。金星表面を渦巻く強酸性の雲は、ホスフィンを即座に破壊するはずである。なぜなら、金星の上空に存在する酸素原子によって、リンがくっついてしまうからだ。1個のリンと4個の酸素からなるリン酸塩が生成される。もう一つ疑問が残った。金星の大気中に漂う塩化物質によって、リン化水素は、リンと水素に分解されてしまうのである。

 物理学では99,9999%の確実性がないと、正式に認められない。研究チームのジェーン・グリーブズ氏は、始めにハワイにあるジェームズ・クラーク・マクスウェル望遠鏡(JCMT)を使って金星を波長約1mmの電波で観測したところ、リン化水素の兆候を見つけた。その後、チリの標高5000mを越えるアタカマ砂漠にあるアルマ望遠鏡を用いて再度、金星を観測する。すると、同じくリン化水素の存在を示すスペクトルが現れた。

 写真とリン化水素に関する参考記事 プレスリリースhttps://alma-telescope.jp/news/press/venus-202009
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 <注アルマ望遠鏡が観測した金星の画像に、リン化水素のスペクトルを重ねた画像。グレーの線がJCMT、白線がアルマ望遠鏡で観測したスペクトル。より高温の低層部から強い電波が発せられており、中層大気にある低温のリン化水素が特定の波長の電波だけを吸収するため、スペクトルがへこんだ「吸収線」となっている。
Credit: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO), Greaves et al. & JCMT (East Asian Observatory)>




 検出されたリン化水素は、大気分子10億個に対して、20個程度の割合で存在すると明らかにされた。研究チームは、リン化水素の成因を調べるため、コンピューターシミュレーションを行った。
 始めに、太陽光や雷の放電による金星大気の化学反応を調べた。その次に地表から風によって吹き上げられる微量元素、または火山ガスに含まれる二酸化炭素による供給などを検討した。金星の地表面から雲に含まれる物質から、観測された量のせいぜい1万分の1程度のリン化水素しか作ることができなかった。

研究チームは、地球上の微生物の例から、金星の生物像を探る。岩石や大気に微生物がいたとした場合のリン化水素供給量を見積もった。地球の微生物には、他の生物や岩石からリンをもらい、水素を付加して、リン化水素を排出する種が見つかっている。研究チームは、同じ仕組みを持つ微生物が金星大気にもいた場合、今回の観測での検出量と整合するという。金星の上空50kmから60kmは、気温0度から摂氏30度まで落ち着く。地球生物でも適応できる温度ではあるものの、高濃度の硫酸ガスが充満する環境では、生存不可である。

 写真=星の想像図と、金星の中に見つかったリン化水素のイラスト。 (クレジット:ESO/M. Kornmesser/L. Calçada & NASA/JPL/Caltech)
国立天文台のページより https://www.nao.ac.jp/news/science/2020/20200915-alma.html
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 カーディフ大学と共に研究に参加した京都産業大学の佐川英夫教授は、次のように述べた。「今回は大気内での化学反応などでは十分な量のリン化水素が作り出せないと結論付けましたが、もちろん私たちが見落としている、生命由来でない化学反応によってリン化水素が作られている可能性も大いに残されています。改めて金星を観測し今回の結果を検証することも含めて、結論に達するまでにはまだまだ課題が残されていると思います」

 金星の大気中で微量のリン化水素をとらえた事実は認められた。なぜリン化水素が発生するのか、新たな課題を突きつけられた。

(4)金星の強風「スーパーローテーション」の謎
 生命の過酷さを物語るのは、上層大気で発生する秒速100kmの風である。地球の8割の大きさの金星をわずか100時間足らずで1周する。自転周期が遅いにも関わらず、なぜ激しい風が吹くのか、いまだに分かっていない。

2017年8月29日、北海道大学とJAXAの共同研究チームが、金星内で吹き荒れる強風のメカニズムについて、仮説を立てた。JAXAが打ち上げた赤外線金星探査衛星あかつきのデーターを参考にする。

 以下sorae 2017年8月30日付けの記事を抜粋 https://sorae.info/030201/2017_08_30_venus.html

{引用文}
「このスーパーローテーションは過去の金星探査でわかっていたが、JAXAの金星探査機「あかつき」は新しい現象を観測した。それは、赤道付近の低層大気に、スーパーローテーションとは異なる流れがあることだった。
金星は大気が濃く雲も厚く、雲の表面の高さは高度70kmもある。地球ではほとんど真空になる高さだ。この高度ではスーパーローテーションの風が吹いているが、風速は秒速100m程度で時期や場所による違いはあまりなかった。
今回、「あかつき」は赤外線カメラを使い、高度40km以下の雲の下の風を調べた。すると、赤道付近では80m以上の強風が吹き、赤道から離れると風が弱まるという現象が発見された。このような現象はこれまで観測されたことがなかった。
過去にも2007年から2008年に欧州宇宙機関 (ESA) の金星探査機「ビーナス・エクスプレス」が同様の観測をしていたが、このような強い風は見当たらなかった。また「あかつき」で観測されたのも2016年7月〜8月で、それ以前には観測されていない。スーパーローテーションと違い、吹いているときと吹いていないときがあるようだ。
{引用終わり}

写真=JAXA相模原キャンパスで展示されたあかつきの模型 2017年8月25日(金)に特別公開の展示会場にて撮影
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 今回硫酸の雲にホスフィンの痕跡をとらえたことを受けて、新たに謎が深まった。金星には、未知の化学現象により、ホスフィンが生み出されている可能性がある。コロナの影響により、望遠鏡での観測機会が限られる中、天文学者は過去のデーターを細かくチェックしている。パソコンに取り込んだ観測データーを見直した結果、新事実が判明した。地球の生命体は、太陽系で孤独な存在なのか、科学の進展により、その答えが明らかになろうとしている。

 JAXAあかつき 特設サイト https://www.jaxa.jp/countdown/f17/overview/venus_j.html

 金星の雲の微生物について、2018年4月4日午前8時付け https://www.excite.co.jp/news/article/Tocana_201804_post_16488/


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