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2021年01月30日01:05

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紛らわしいタイトル対決!「リトル・モンスターズ」「ウィーアーリトルゾンビーズ」

内容はまったく違う内容なのですが、タイトルが紛らわしくてうろ覚えだと間違える可能性のある2本を、連続で観てみました。
どうして紛らわしいかと言うと、「リトル・モンスターズ」はゾンビが登場するホラー・コメディなのです。
「ウィーアーリトルゾンビーズ」にはゾンビは出ませんが、代わりにクリトリック・リスがちょっとだけ出る邦画です。
そして、どちらも子供が中心となるお話。
タイトルを取り換えても成立する内容なわけです。

「リトル・モンスターズ」は、ダメ男が姉の子供の遠足に同行すると、たまたま目的地の動物園のとなりの軍事施設からゾンビが逃げ出して大変、というウルトラ適当な設定です。
ゾンビが登場する前までは、ダメ男のクズぶりを下ネタ満載で軽快に描くコメディーでなかなか面白いのですが、ゾンビが登場するとお笑い要素は目減りし、そうかと言って怖いわけでもなく、ゾンビ同様ダラダラした展開となります。

一応グロシーンも登場してホラーファンへの目配せもあるのですが・・・。
しかも、どういうわけかウクレレで歌う場面が何度も何度も登場するので、何を観ているのか分からなくなります。
終盤はゾンビがウクレレの合唱に合いの手を入れたりするシーンまであり、何がやりたかったのか謎です。

気になったのは、ダメ男が一目惚れする幼稚園の先生。
バリバリの黒人女性なのです。
別にそれは構わないのですが、ダメ男は白人男性で、しかも長年付き合っていた白人女性と別れたばかり。
それが黒人女性に一目惚れ?
正直、強い違和感がありました。
まるで、元々普通に白人女性だった役を急遽黒人女性に変更した、みたいなのです。

最初は興味無かったけど、その人柄から次第に好きになっていく、というのならまったく問題ありません。
むしろ、その方が映画的にもポリコレ的にも良いのでは?
アジア人家族も出てきて、後で合流するのかと思ったら何も無かったりもしました。
チェックシートでもあって、黒人やアジア人を出さないとレッドカードでも出されるのでしょうか。

こういうのは、特に最近のアメリカのコメディー映画でよく感じます。
明らかに「ちゃんと意識していますので!黒も黄色もきっちり全部揃えましたので!」感が丸見えなのです。
こういうのをあからさまにやり過ぎると、かえって差別主義者じゃない人からも反感を買うだけだと思います。
ゴーストバスターズが全員女性になるとか、そういうのは全然良いと思いますけどね。

「ウィーアーリトルゾンビーズ」は困った映画でした。
4人の子供がリトルゾンビーズというバンドを結成するというあらすじ自体は知っていたので、子供が出てくるゆるい音楽コメディーなのかと思っていましたが、全然違いました。
なんか、メンヘラアニメ的と言うか・・・。

それぞれ異なる理由で両親を亡くした4人の子供が火葬場で出会い、そこで一緒に行動を共にするようになる、という出だしは、強引ではあってもなかなかユニークだと思いました。
全員元々問題があって、親が死んでも悲しくないのです。
それぞれのバックボーンが描かれるだけで1時間くらいかかります。

ようやくバンドを組む展開になるのですが、ここが非常に適当。
思いついてからすぐに曲が出来、ネットに流せばすぐにデビューが決まり、デビューしたらすぐに大人気になります。
曲を作るまでは自分達でやったようなのですが、後は所属した事務所がプロモーションをするのに従うだけ。
バンド活動がこの映画の売りの部分だと思ったのに、非常に空虚な展開でした。
この空虚さは意図的なものなのかもしれませんが。

彼らが音楽活動で何かを見つけるわけでは全然無く、むしろ復讐という側面が強かったりして、本当に映画内の子供達も、この映画の製作者も、音楽に対して何の敬意も無い事だけは伝わりました。
音楽なんてただ有名になるための手段であり、アーティストなんて事務所のあやつり人形であり、そういう空虚なものなのだと信じて疑わないのでしょう。

「ハーツ・ビート・ラウド」のように、音楽を作る喜びを描いた映画は本当に少ないと思いました。
ただ有名になるための手段として描かれるものばかりの気がします。
自分の思いのまま作り、それをそのまま披露して、自分自身でそれを広める事が可能な世の中になったのです。
なんだか今すぐ音楽を作りたくなった!と思わせるような映画が、もっとあって良いと思います。

それに、ヒットしないと失敗で意味の無い事、みたいな考えも間違いです。
音楽を作る事、演奏する事、そして誰かに披露する事自体がすでに大きな喜びであって、例え認知されなかったりビジネスにならなかったりしても、人生を捧げるだけの価値のある事だと思うのです。

紛らわしいタイトル対決ですが、まあどっちもイマイチでしたね・・・。
「リトル・モンスターズ」は無難なエンターテイメント、「ウィーアーリトルゾンビーズ」は好き嫌いがはっきり分かれるけど嫌いな人が多そうなアート風映画という感じです。
個人的に「ウィーアーリトルゾンビーズ」からは監督の怨念と空虚さしか伝わらなかったです。
そういう映画があっても良いのはもちろんですが・・・。


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