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2020年12月27日15:43

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主役は100点!映画は・・・「ワンダーウーマン 1984」

前作は本当に期待していました。
「バットマン対スーパーマン」で登場した彼女は本当に魅力的で、邪魔な他の連中のいない彼女だけの映画を本当に観たいと心から思っていたからです。
だから、本当にガッカリしました。

主役のガル・ガドットは、当然最高です。
ワンダーウーマンという漫画はよく知りませんが、このキャラクターはまさにガル・ガドットのために存在していたとしか思えません。
どう見ても珍奇な、お色気通販番組のコスチュームみたいな格好。
これを着ても笑いものにならずに、息を飲む美しさを感じさせるのは彼女以外にはいないと思います。

しかし、映画本編は面白くありませんでした。
主役は100点、内容は20点、総合で60点という感じです。
序盤のアマゾネス島でのアクションは良かったのに、あの格好でリアルな戦場へ行って兵士と戦う姿なんか違和感しかなく、こんなものが観たかったわけじゃないと思ったのです。
戦争ならではのアクション場面も乏しく、せっかくドイツ軍が敵なのにブロッケンマンも武器人間も登場しない。
何より、展開が遅くてとにかく後半は眠くなるのです。
彼女の登場しないシーンがすべて、ボラギノールのCMみたいに簡潔だったら良かったのに・・・。
今回、前作を観直してもこの感想はまったく変わりませんでした。

そして、同じ監督が手掛けた続編。
上映時間は2時間半。
もう、この時点でかなり悪い予感はしていました。
でも、観ないという選択肢は無いのです。
ガル・ガドットのワンダーウーマンだからです。

はっきり言って、ワンダーウーマンというキャラなんかどうでも良いのです。
僕にとっては、ワンダーウーマンとはガル・ガドットその人。
彼女がコスプレして鞭を振り回したりせずとも、エアロビをしたり、会議で的確な意見を述べたり、子供を自転車にのせてスーパーの特売に行ったり、歯磨きの最中にオエッとえずいたりする姿も、すべてがワンダーなのです。

ところが、この映画では彼女はあまりあの格好をしないのです。
そうなると、なんだかそれはそれで寂しい、というか物足りません。
モデルみたいにオシャレな模様替えは何度もしますが、あんな恥ずかしい格好をさせられるところがやっぱりこの映画の見所だったんだ、と改めて気付かされました。

それでも、最初は本当に期待しましたよ!
序盤の、子供時代のダイアナ(ワンダーウーマンの名前)のトライアスロンアクションは異様に気合が入っているし、その後成長後のショッピングモールでのアクションも「こういうのが観たかった!」と思える痛快なシーン。
そんな見せ場の後に始まるダイアナ、バーバラ(さえない同僚)、マックス(トランプ大統領みたいな悪党)のそれぞれの物語も面白くなりそうで、やばい、今回は相当良いぞ!とテンションも上がったのです。

(以下、ネタバレにご注意ください)
願いをなんでも叶える石。
これが今回のキーアイテムとなります。
ダイアナは「死んだ彼氏が生き返って欲しい」と、バーバラは「ダイアナみたいなイケてる強い女になりたい」、そしてマックスは「願いの石そのものに、俺はなる!」と願うのです。

当然、思い通りになんていかないのが基本です。
ダイアナの彼氏は生ける死体となって家のドアを叩き、バーバラは2人目のダイアナ登場により出番が無くなり、マックスは物言わぬ石になって「背が高くなりますように」「浜辺美波と交際できますように」「日本がますます美しい国になりますように」といったろくでもない願いを延々と聞くだけの存在になるのが、関の山でしょう。

ところが、みんな普通にイメージ通りの希望が叶うのです。
もちろん代償はあります。
ありますが、なんと親切にも、クーリングオフが可能なのです!
つまり、「やっぱ取り消すわ」と言えば元通りになるわけです。
なんだ、この激甘な設定は!
こういう願いの代償というのは、後でどれだけ後悔しても撤回できず、願いに頼った人はみんな不幸になるというのが一番のキモなのに。

前半の盛り上がりは消え、後半は完全にダレます。
アクションシーンはいつまで待ってもなかなか出てこず、出てきてもノルマをこなすだけの様な魅力の無いシーンばかり。
完全に序盤がピークで、これは前作同様でした。
それぞれの物語もダイアナ以外はさして盛り上がらず、バーバラはただ人間豹になっただけ、マックスはあれだけの事をやったのに、「じゃ、やめま〜す」で円満解決。
これだけ長い時間があるのだから、もっとじっくりそれぞれの話を描けば良いのに、なんか有耶無耶になってしまった感があるのです。

一番呆れたのが終盤の展開で、まるでサマーウォーズみたいなご都合展開でした。
ワンダーウーマンがみんなを説得した、みたいな感じだと思いますが、全然説得力無かったと思います。
真実はいつもひとつ!と名探偵コナンみたいな事言ったって、妄想や都合の良い嘘(フェイク)の魅力は格別です。
それに、真実というものが人によってまるで異なるからこそ、今の世の中は混乱しているわけです。
「これが真実です」という演説でみんながまとまるという展開に,すんなりと納得できる時代ではもう無いのです。

もし彼女に語る言葉があれば、それは自身の経験した思いでしょう。
失った恋人との再会を願ってしまった事。
その事に対する後悔の念。
そうした、その人の本当の心の吐露こそ、多くの人の心を掴むのだと思います。

おそらく今の世に起きている事に対してメッセージを叩きつけたいという思いが強かったのだと思いますが、かえって「映画ならではのご都合だな」と思わせる事になってしまっています。
しかも、このクライマックス辺りの演出は公共CMかと思う様なイメージ映像と言葉によるメッセージばかりで、一体何を観に来たのかと思いました。
物語を見せる事で、自然にそういう思いへ誘導させるのが映画でしょう。
結局安易な、まあそうなるだろうという結末へと向かうのですが、そこへ至る過程があまりにも強引過ぎに感じました。

良い部分は間違いなくあったし、感動した場面も一つではありません。
ですが、余計な要素がそれらを打ち消してしまった感があります。
この映画で一番やりたかったのが何か分かりませんが、一番うまくいっていたロマンスの部分を中心に再構成すれば、かなり面白い作品になったのではないかと思いました。

ガル・ガドットは安定の100点だったので、続編があれば確実に観に行きますが、出来れば2時間以内に収めてくれると本当に助かります・・・。

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